長谷川清の発言 (経済・産業委員会)

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○長谷川清君 私のところにお手紙をいただきましたが、元読売新聞論説委員の中村さん、元NHK解説委員の長岡さん、元朝日新聞科学部長の尾崎さんや元北海道大学工学部教授の石川さん、それぞれの皆さん連名のものであります。
 読売新聞が四月六日付の朝刊で、埼玉県大宮市にある三菱マテリアル総合研究所で核燃料の開発研究施設がウランやトリウムに広範囲に汚染されていると一面に五段見出しで報じていた。六日付の夕刊には一面トップでこれを続報した。ところが、調べてみると、そういう事実は全くないということで、七日の朝刊で放射能漏れはなく安全であるということを小見出しで出した。こういう事実。
 もう一つは、北海道新聞四月四日付朝刊で、東京電力福島第一原発第三号機で、炉心の圧力容器内での部品交換作業中に百六人が基準値を超える被曝をしたと、これも大見出しで出しておる。抗議をして調べてみると、これも結局は訂正文が出ましたけれども、四日の福島第一原発三号機、炉心内作業で被曝の見出しについては誤りであり訂正しますというわずか一行にすぎない。
 さっきも申し上げたように、私自身が経験した中にもあります。柏崎市長をされておりました飯塚さん。あの地域において、ここの野菜を食べると怖いよというのを原子力反対の事務局長さんがあるテレビで説明した。ここの魚を食べると放射能があるから怖いよと。もちろん、調査はするまでもなく、調査をしましたがその事実はないわけです。
 私は、そのときにも言いました。飯塚市長の家にも行って、市長さんのところにおける本当にまじめに野菜をつくり農業にいそしんでいる人々がゆえなき理由をもって生活権を脅かされている、漁業の人もしかりであります。私は、そのときにも憲法の問題を言いました。確かに報道の自由は与えられているけれども、報道というのは責任はないんですか、公共の利益に利する責任。
 私は、国じゅうにおいてやっぱりそういう、我々は労働組合で働く側でありますが、働く側にもちゃんと「勤労の権利を有し、義務を負う。」とあります。そういうわきまえを持ってすべて私どもは何十年の間従事をしてきたつもりであります。
 そういう点について、特に原子力に関するこの種報道は、それで何かありましたら、ちょっとでもこすればもう全部事故扱いで、何百何十何件目の事故がまたどこで発生したという、こういう何といいましょうか、事実は事実としてとらえていく、あるべき題材があります、そういうこともあります。これはこれで厳しくやっていかなきゃいけません。それがあると、またそれを何か事実でないことまで改ざんだ改ざんだということが出たりいたします。
 こういうものなどについては、残念なるかな我が国はまだ五十数年しか戦後たっていないデモクラシー社会でありますから、あらゆる意味においてぜいたくは言えないのかもしれませんが、そこで本気になって使命感に燃えて働いている人々のいることを、ことわざに水を飲むときには井戸を掘った人のことを思い出せという中国の言葉があったのを私は記憶するのでありますが、エネルギーを使うときにはあるのが当然のように使っている、そして一方においてはそこで働いている人に石が投げられるわけであります。
 設備やウランがあっても原子力は運転できません。そこに技術と人がなければなりません。
 そういう意味において、これまでやってきてなかなかにしてそういう社会的な傾向が衰えるどころかますます、それで飯を食っているような人たちもいるわけですから、いろいろな面においてこういう原子力という問題については正しい情報と状況判断がしかとできるように、本来ならば教育という分野においてもそういうものがちゃんと正しくわかるように、いい点、悪い点を明確にし、そして我々は憲法でもまた言っておりますような幸福の追求を権利として持っているんですから、そういうものについて人々にどう役立てていくのかという創意を凝らすべきだ、そのように私は思います。
 この種のマスコミのゆえなき誹謗中傷等々に対して、これはなかなか言って回るわけにいかないんです、あれは違っていますよ、こうですよと一人一人に言って回っていけない。そういう憲法十二条というものの、特にマスコミが力を持っておりますだけに、影響力がありますだけに、そういう分野についてこれまでの経験の上で何かお考えがないか、いかがなものでしょう。

発言情報

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発言者: 長谷川清

speaker_id: 20901

日付: 1999-05-27

院: 参議院

会議名: 経済・産業委員会