宮澤喜一の発言 (財政・金融委員会)

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○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど政府委員から御説明がございましたけれども、我が国経済が戦後復興をし興隆していきます過程の中で、いわば世界有数の経済大国になる路線を歩むうちに、産業の重厚長大化という世界のトレンドの中で、我が国の太平洋ベルト地帯の工業用地というものはもうほとんどない、そういう状況で、苫小牧東部地域というものが我々に残されたいわば発展の可能性であると政府は考えました。先ほどのお話は主として北海道の方の立場からのお話でありましたけれども、政府としても明らかにそう考えたわけであります。
 したがって、これは政府の計画において、この地域にいわば十分前もって受け入れの体制を整備しておくべきであると判断をいたしたわけであります。この事実に私は間違いはないと思います。したがって、そういう意味では政府が明らかにそのことについて責任のある決定をしておるわけであります。
 結果は、その後いわゆる石油危機があったり、また今に至るまでいろいろな経済状況の変化がございましたが、世界の経済のトレンドは変わりましたし、また我が国の比較優位の立場もいろいろな意味で影響を受けるに至りましたから、物色という言葉は適当でないかもしれないが、選択いたしました苫東への投資計画というものは、ただいまの段階でそのままでは実現が不可能だということになったわけであります。
 その間、北海道東北公庫は政府のそういう基本方針というものを踏んまえながら、先ほどちょっと御紹介がありました点ですが、基本的には国がそう考えるその方針に従って融資を進めてこられたと思いますので、公庫だけのお立場からいえば、この融資についてはいろいろたびたび問題を感じておられたろうと思います。また、北海道開発庁でも、現実の事態が動いてまいりましたから、いろいろ計画の変更等々を何度もやっておられます。
 しかし、その間、北海道自身は、石炭は完全に斜陽産業となりましたし、漁業は二百海里の問題で非常に大きな影響を受けた。その上に、国がいわゆるローカル線の撤去ということをいたしまして、その点は北海道の社会経済に非常に大きな影響を与える等々、非常に気の毒な事態が続いておりました。
 そういうこともありましてというのはちょっと適当な表現ではないのですが、いずれにしてもいつかの日にこの苫東という地域は、北海道のためにはもちろんですが、国のために有用になるという判断、その判断そのものは現状の非常な不振にもかかわらず失われていないという状況が続いて今日に及んだということであったと思います。
 したがいまして、このことは基本的にはそういう決断をいたしました政治、政府の責任であるということは否定できないと思います。

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1999-06-01

院: 参議院

会議名: 財政・金融委員会