野呂田芳成の発言 (本会議)
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○国務大臣(野呂田芳成君) まず、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態、すなわち周辺事態に際しまして、当該事態に対応して我が国が実施する措置、その実施の手続その他の必要な事項を定めることを内容としております。
平成九年九月に日米安全保障協議委員会で了承され、安全保障会議の了承を経て閣議報告されました新たな日米防衛協力のための指針は、より効果的かつ信頼性のある日米防衛協力のための堅固な基礎を構築することを目的としており、同指針の実効性を確保することは我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図る上で重要であります。
このような観点から、平成九年九月二十九日の閣議決定において、指針の実効性を確保し、もって我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図るため、法的側面を含め、政府全体として検討の上、必要な措置を適切に講ずることとされ、これを受けて政府全体として鋭意検討してきたところであります。
本法律案は、こうした検討の成果を踏まえ、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して我が国が実施する措置等を定め、もって我が国の平和及び安全の確保に資することを目的として提案するものであります。
以上がこの法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、政府が、周辺事態に際して適切かつ迅速に対応措置を実施し、我が国の平和及び安全の確保に努めること、対応措置の実施は武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならないこと及び関係行政機関の長は相互に協力すること等の対応の基本原則を定めております。
第二に、周辺事態に際して一定の後方地域支援、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動を実施することが必要な場合には、閣議の決定により基本計画を定めることとしております。
第三に、自衛隊による後方地域支援としての物品及び役務の提供、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動の実施等を定めております。
第四に、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い対応措置を実施することとしております。
第五に、関係行政機関の長は、地方公共団体の長その他の国以外の者に対し必要な協力を求め、または依頼することができること及びその協力により損失を受けた場合には政府はその損失に関し必要な財政上の措置を講ずることとしております。
第六に、内閣総理大臣は、基本計画の決定または変更があったときは、その内容を遅滞なく国会に報告しなければならないこととしております。
第七に、後方地域捜索救助活動または船舶検査活動を行っている者の生命等を防護するために必要最小限の武器の使用ができることとしております。
以上が周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案の趣旨でございます。
次に、自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
外国における緊急事態に際して防衛庁長官が行う在外邦人等の輸送について、平成八年来政府部内で進めてきた緊急事態対応策の検討結果を踏まえ、在外邦人の輸送体制の強化を図るため、また、新たな日米防衛協力のための指針において、周辺事態における日米間の協力の一つとして、非戦闘員を退避させるための活動が挙げられたことを受け、その実効性を確保するため、在外邦人等の輸送手段に船舶等を加えるとともに、輸送の職務に従事する自衛官が、隊員及び輸送対象である邦人等の生命等の防護のための必要最小限の武器使用ができることとする必要があります。
以上がこの法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、在外邦人等の輸送手段の追加でございます。
現行法においては、輸送手段は、まず、自衛隊法第百条の五第二項の規定により保有する航空機、すなわち政府専用機等であり、空港施設の状況等により、その他の輸送の用に主として供するための航空機も使用できることとされておりますが、これに加え、輸送の対象となる邦人の数等の事情に応じて、在外邦人等の輸送に適する船舶及び当該船舶に搭載された回転翼航空機を用いることができることとするものであります。
第二に、武器の使用に関する規定の新設でございます。
緊急事態が生じている外国において輸送の職務に従事する自衛官が、自己もしくは自己とともに当該職務に従事する隊員または保護のもとに入った当該輸送の対象である邦人等の生命等の防護のためやむを得ない場合に武器を使用することができることとするものであります。
以上が自衛隊法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
なお、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案は、衆議院において一部修正されておりますが、その概要は次のとおりでございます。
第一に、この法律の目的に関し、周辺事態について「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」という文言を加えるとともに、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の効果的な運用に寄与し」という文言を加えるものとすること。
第二に、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する後方地域支援または後方地域捜索救助活動については、内閣総理大臣は、これらの対応措置の実施前に、これらの対応措置を実施することにつき国会の承認を得なければならないものとすること。ただし、緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで当該後方地域支援等を実施することができるものとすること。そして、国会の承認を得ないで後方地域支援等を実施した場合には、内閣総理大臣は、速やかにこれらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならないものとし、不承認の議決があった場合には、政府は、速やかに当該後方地域支援等を終了させなければならないものとすること。
第三に、船舶検査活動の実施等に関する規定を削除するものとすること。
第四に、内閣総理大臣は、基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果を遅滞なく国会に報告しなければならないものとすること。
第五に、後方地域支援を行っている者の生命等を防護するために必要最小限の武器の使用ができるものとすること。
以上でございます。(拍手)
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