弘友和夫の発言 (本会議)
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○弘友和夫君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました中央省庁等改革関連十七法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問させていただきます。
今、日本は、あの明治維新や第二次大戦の敗戦時に匹敵する時代の大きな転換期を迎えています。この大転換のときに当たり、行政改革、財政構造改革、経済構造改革、金融システム改革、社会保障改革、教育改革等々とあらゆる分野にわたって改革をなし得なかったなら、また十分な政策を打ち出すことができなかったならば、日本は衰亡の一途をたどることは目に見えています。
こうした危機感に立った上で、行政のあり方も変えていかなくてはならないのであります。中央省庁も組織を変え、また、スリム化して中央集権から地方分権の方向へ向かわなくてはならないという意味で、それに基づいて今回の中央省庁等改革関連法案や地方分権一括法案提出への運びとなったと思います。
私は、こうした制度の改革はもちろん具体的な施策として当然必要なことでありますが、まず、その前提となる二十一世紀の日本のあるべき姿、形、どういう国をつくるのか、またつくらなければならないかという確固たる理念、哲学があるのか、グランドデザインがあるのか、小渕総理はどういう日本をつくろうとするのかということが重要であると思います。
総理は、先ほど論議もございましたけれども、富国有徳、五つのかけ橋ということを述べていますが、いま一つイメージが明確でないのであります。
例えば、富国とは何か。戦前は富国強兵というスローガンがありましたが、それと同じ富国なのか。また、戦後復興のため経済第一主義で参りましたけれども、それと同じ富国なのでありましょうか。富国強兵の結果は敗戦であり、経済第一主義で国や企業が富んだ結果がバブル崩壊となったわけであります。私は、これらの功罪をしっかりと見据えた上で、富国の国とは国民が富むという富国でなければならないと考えます。また、有徳についても、小渕総理は他の国々から尊敬され得る国を目指すと答弁されましたけれども、それではどうすれば尊敬に値する国になるのかということが示されていません。
言葉だけの富国有徳ではなく、総理の考える二十一世紀のあるべき日本の姿、形を明確に指し示し、それに向かって具体的な道筋を明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、総理のもとにこの三月、二十一世紀日本の構想懇談会が設置されました。河合隼雄氏を初め日本を代表する有識者の方々がメンバーになっていますけれども、この構想のまとめはことしの秋ごろだと伺っています。では、そのときに、行政のあり方、中央省庁や地方分権についての考え方が示され、今回の法案と異なる考えが示された場合、いま一度中央省庁の再再編ができるのでしょうか。
私は、本来、先に二十一世紀日本の構想懇談会があって、それを受けての改革があるべきであると考えます。今のままでいけば、せっかくの二十一世紀日本の構想にすばらしいグランドデザインが描かれたとしても、絵にかいたもちになるのではないでしょうか。あの大平総理のときにも、二百人もの方が長時間かけて大平総理の政策研究会報告書をまとめていますけれども、それがどれほど実行されたのかということであります。
また一方、経済戦略会議の答申について、各省の対応、方針の結果が報告されたばかりですけれども、その回答のうち、実行に前向きだったのは半数にとどまっているとお聞きします。これらについてどのように対応されるおつもりなのか、総理にお伺いいたします。
私ども公明党は、結党以来、中道政治を標榜してまいりました。中道とは右と左の真ん中という意味ではありません。中道政治とは道にあたる政治ということであり、生命の尊厳と人間性の尊重に立脚するヒューマニズムの政治であります。
これまで日本の政治において権力奪取のパワーゲームが繰り返されてきましたけれども、権力奪取そのものが目的化された嫌いがあります。私ども公明党は、権力とは民衆の幸福と平和という理想社会実現のための手段であり道具であると考えます。政治のあり方として、権力観の転換を図る時が来ているのではないでしょうか。大変僣越ではありますけれども、総理も、政権維持そのものが目的でなく、国家国民のために全力を尽くす、その結果に政権がついてくると考えるべきと思いますけれども、総理の権力観、政権観について御所見を伺います。
また、行政は国民の福祉等に寄与するためにつくられ権限を与えられたものです。堺屋経企庁長官が著書の中で述べられているように、本来の目的が組織自体の目的のために変容し、組織をつくった目的が否定されることもしばしば見られるところであります。今回のこの中央省庁等改革関連法案の中身で、中央省庁が果たして本来の組織目的にかなうものになるのでありましょうか。堺屋長官はどう考えられるか、お伺いいたします。
今回、政策評価制度が初めて導入されたことは一歩前進であると思いますけれども、まだまだ内容的には不十分です。既に米国では政府実施結果法、GPRAを制定し一定の効果を上げております。よく紹介される沿岸警備隊の例を見ますと、事故発生の危険性を一二%下げるための目標を立てる。そのためのさまざまな行政課題を設定し、その結果、十万人当たりの死者の発生数が九十一人から二十七人に激減したといった具体的な改善成果を生んでいるとの報告もあります。行政機関は利益を追求しないので企業のような数値による目標管理は難しいとの声がありますけれども、この例でもわかるように、とらえどころのない行政の仕事こそ数値による目標管理が有効であるということであります。
そうした意味で、政策評価を充実強化する根拠法となる仮称行政評価法を早急に制定する必要があると考えますけれども、総理及び総務庁長官の御所見をお伺いいたします。
次に、省庁再編にあわせて、内閣機能強化措置が盛り込まれ、内閣府の中に経済財政諮問会議が設置されます。新設の趣旨を貫徹させるためには、各省庁が会議の意見を最大限尊重するというような尊重義務規定を盛り込むことが必要であると考えますけれども、総理及び総務庁長官のお考えをお示し願います。
我が党は、環境省への林野庁統合を主張してまいりましたけれども、今後の環境行政において国立公園内における国有林野等の取り扱いや自然保護行政の一本化、体制強化をどのように進めていくのか、また、省へ移行しても定員は千五十人と全く変わらないわけでございます。これでは、総理の環境行政に取り組む姿勢が問われると思いますけれども、総理の定員の増員についての決意をお伺いいたします。とともに、環境庁長官のお考えも伺います。
二十一世紀まであと一年半となりました。二〇〇一年は単なる二十一世紀の始まりであるだけではなく、二〇〇一年から三〇〇〇年までの第三の千年の壮大なスタートとなる年であります。新世紀、第三の千年を迎えるまでわずかな期間ですが、その間にどれだけの改革ができるかが勝負であり、次の千年の日本を決すると言っても過言ではありません。最後に、総理の改革にかける御決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕