与謝野馨の発言 (本会議)

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○国務大臣(与謝野馨君) お答えを申し上げます。
 政策実現のスピードなど、これまでの反省をどう反映させているのかというお尋ねでございますが、本法案は、産業活力の速やかな再生を図るため、産業競争力会議等の議論を踏まえつつ、現実のニーズにこたえ、かつ必要と判断した施策を重点化し、早急に具体化したものであり、まさに政策実現のスピード化を図り、総花主義を排したものであります。
 また、本法案は、特定産業に限定することのない事業再構築の円滑化、創業や新事業開拓の推進、研究活動の活性化といった各省庁に横断的な政策課題を統合的に盛り込んでいるところであり、必要な施策の統合的処理を図ったものであります。
 さらに、本法案による成果については、平成十五年三月三十一日までに十分に評価、検討を加えた上で本法案自体を見直すこととしており、その趣旨を本法案の附則に明記しているところであります。これにより結果評価のシステムは本法案の思想の中に組み込まれていると考えております。
 次に、経済の再生を図る場合には企業のモラルハザードを防止し、企業の経営責任を問うべき大原則を貫くべきではないかとのお尋ねですが、供給サイドの構造改革を進め、生産性の向上を図っていくに当たっては、民間の自主性を尊重すること及び市場原理に立脚することが重要であると考えております。
 本法律案も、このような考えに基づき、事業者自身の手による企業の事業再構築を円滑に進めるための環境を整備するものであります。
 また、具体的な措置の内容も欧米諸国でも広く取り入れられているものであり、基本的にはグローバルスタンダードの範囲内であると考えております。
 このような本法案の基本的考え方及び措置内容にかんがみても、本法案はモラルハザードを招くことはなく、また、本法案において経営責任を問うのは適当でないと考えております。
 次に、認定の有無により優遇措置の適用が二分されるようなやり方は問題であるとの御指摘についてであります。
 本法案による計画認定は、法令に定める基準に照らし、計画が各種措置を適用するにふさわしいものであるかを確認するために必要なものであります。
 認定基準については、可能な限り客観的かつ明確なものとすることにより適用の透明化に努める必要があると考えているところであり、これによって本法に基づく措置の適用の有無が明確になることはむしろ適切なことであると考えております。
 次に、過剰設備のあるなしについては業種によって異なっており、産業界にも不公平感が出ているとの御指摘でありましたが、本法案の適用対象は特定の業種に限定するものではなく、また、事業再構築の内容としても設備廃棄のみを対象としているわけではありません。したがって、業種によって不公平な扱いとなっているとの御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、過剰設備廃棄における欠損金の特例措置について、企業の優遇措置となるのではないかとのお尋ねですが、本特例措置は、新商品の開発や新たな生産方式の導入等の事業革新をあわせて行おうとするものが、経営資源の有効活用の観点から設備廃棄を行う場合に適用されるものであります。
 本特例措置は、かかる前向きの事業再構築に取り組む賢明な自助努力を行う企業のみがその業種、規模いかんにかかわらず利用できるものであり、御指摘は当たらないと考えております。
 次に、欠損金の特例措置の繰越期間及び適用範囲に関するお尋ねですが、欠損金の繰越制度を七年に延長したことは、帳簿の保存期間、除斥期間といった基本的な法制との整合性、さらには、現在講じられている他の設備廃棄欠損金に係る特例措置とのバランスを勘案して期間を設定したものであります。
 また、欠損金一般に制度を適用すべしとの御議論については、今回の法案の目的が経営資源の有効活用にあることから、単に設備を廃棄するだけでなく、事業革新をあわせて行う場合に限り欠損金の繰越期間の特例を講じたものであり、企業の全くの任意で一般的に行われるようなすべての設備廃棄等まで対象にすることは適当でないと考えております。
 次に、産業活力再生特別措置法第一条、第三条及び第十八条の規定についてのお尋ねですが、認定事業者の責務として、事業再構築の認定段階と実施段階の双方において労使間で十分な話し合いを行うとともに、従業員の企業内配置転換、出向及びそのための再訓練など、雇用の安定に十分配慮することをその具体的な内容としております。
 なお、御指摘の第十八条第一項後段の規定については、雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることを認定事業者が果たすべき責務として規定しているものであり、緊急雇用対策等政府の支援措置と相まって十分な実効性を担保できるものと考えております。
 次に、民主党提出の起業家支援のための新事業創出促進法等の一部を改正する法律案への反対理由についてのお尋ねですが、第一に、国立大学の教官等の民間企業役員兼業問題の取り扱いについては、新規事業の創出や産業界への技術移転等を通じた産業の活性化等に資するものであるものの、国家公務員の全体の奉仕者としての性格等も踏まえた上で、兼業を可能とする場合の適正なルールのあり方について進められている検討の結果を待つ必要があること、第二に、民主党案に盛り込まれたベンチャー企業支援税制については、真にベンチャー企業育成に資するものであるかの観点から疑問のある項目や、課税の公平性の観点から、理論的、実務的に慎重な検討が必要である項目があること、第三に、女性による創業等の促進や中小企業者等の新技術を利用した事業活動の支援については、既存の創業支援策、中小企業関連施策等により対応可能であること、等により、政府としては賛同できないと考えた次第であります。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣柳沢伯夫君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 与謝野馨

speaker_id: 23890

日付: 1999-08-02

院: 参議院

会議名: 本会議