伊藤茂の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、財政演説に対して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今回の二次補正の予算案を見まして、私がまず思うのは、小渕内閣には確かなあすを語る能力はないということでございます。予算は政府の顔とよく言われます。今回の政府案に示された政府の顔と表情は、暗く、ゆがんでおります。
 それは、年金改悪を強行しようとする行為に象徴されております。これが自自公政治の現実であります。私は、質問の前提として、政府・与党が厚生委員会で改悪を強行しようとしたことを厳しく反省し、改悪をやめ、国民合意の年金制度を確立する徹底的な審議をすることをまず強く要求します。
 私は第一に、小渕首相に、経済政策の基本的な判断を伺いたい。
 この補正予算案の内容では、経済の再生も新生も不可能であります。予算規模六兆七千八百八十九億円、規模は大きいが、内容には、総理が言われた、はっとするようなところはどこにもございません。水膨れ、ばらまき、従来発想という印象しかないというのが社会一般の評価であります。あなたの党、自民党の内部からも、そういう批判の声が上がっているではありませんか。
 今必要なのは、最近の経済指標を見ても明らかであります。景気は下げどまりと言いますが、消費は回復せず、設備投資はまだかなりのマイナスを続けています。落ち込んでいるところ、消費、国民生活のあすを明るくすることに重点を置くのが当然なのに、年金改悪、介護保険をめぐる混乱で逆に不安をかき立てています。どう反省なさいますか。
 先ほどの答弁で総理は、消費の、あるいは生活のために最大限の努力という御答弁をなさいました。効果は全然上がってないではありませんか。効果はゼロであります。この現実をどうお考えですか。
 いつまでも借金でカンフル注射、公共事業中心でという惰性ではありませんか。きのうの段階ときょうとあすの段階と、政策目標を鮮明にしなければ効果は生まれません。どうお考えですか。十五カ月予算という言葉をよく使われますが、来年度も同じ手法を続けるのでしょうか。
 第二に私が見解を伺いたいのは、財政の将来は真っ暗やみだということでございます。
 小渕首相は、たった一年間で国の借金をふやす新記録をつくられました。
 ドイツの社民党と緑の党の政策協定を読みましたら、健全なる社会は健全な財政で支えられると強調し、政策を述べています。私は、それがあすを語る政治だと思います。
 政府のやり方について、孫の名義でキャッシュカードをつくって、親がざぶざぶ使いまくるようだとも言われていることを御存じでしょうか。現実はまさに戦後最悪であります。宮澤大臣は、どうあすの責任を語られますか。来年度もさらなる国債の増発を続けるのですか。戦略会議の報告のような、景気回復が先と言うだけの先送り、抽象論では許されないのが現段階である、国民の不安であると思います。
 また、不安が増大しているのは長期金利動向で、中期国債を中心にしてもその不安は解消されません。調整インフレという話題があちこちで語られていますが、将来のインフレへの懸念を大蔵大臣はどうお考えですか。
 第三に伺いたいのは、福祉型、分権型に財政を改造、改革することであります。
 二十一世紀日本の最大の課題は、福祉社会であります。福祉は地域が主役、当然ながら福祉型であり、同時に分権型にしなければなりません。大胆に財政構造を変える発想なしに、財政再建も福祉社会の設計もできないのであります。公共事業も、その事業内容、地方主体に転換することが大きな課題です。大蔵大臣、いかがでしょう。
 今、政府税調は消費税率引き上げを答申しようとしているが、どうしますか。今の財政構造、今の財政政策のままで、消費税率アップを納得する国民はどこにもおりません。消費税の構造の改革、税制民主主義の原則と基本に立った税制決定の仕組みへの改革など、思い切ってやらなければならないと思います。
 厚生大臣に伺います。
 介護保険では赤字国債でばらまき、年金では負担増、政策混乱の政府・与党への国民の厳しい批判にどうおこたえになりますか。特に、二十一世紀を前にして、次の時代の総合的福祉計画のグランドデザインにどう取り組まれますか。
 第四に、目下の緊急課題である雇用失業問題の打開について伺います。
 乱暴な大企業のリストラの横行を許しているのをどう認識しておりますか。深刻な問題です。リストラ、失業増大、中小企業、下請の危機に対して効果的な手を打っていないではありませんか。
 ベンチャー支援と言いますが、大事なことなんですが、新しい企業を支援する組織としてのインキュベーターを見ても、他の先進国と比べてみても、その内容も数も著しく立ちおくれております。中小企業における雇用増大の認識も極めて安易であります。通産大臣、どうお考えですか。
 総理、ドイツでは政労使トップによる雇用開発のための戦略同盟などの新しい努力がなされております。EUでは広くそういう努力が行われておりますが、政労使合意で社会のあすを考え、努力するということをどう認識されておられますか。
 今、一つの時代が終わり、新しい時代を迎えようとしております。あすに希望を語る責任が政治に問われているときに、富国有徳など抽象的な言葉ではあすを語ることもできませんし、真空総理と言われているようなことでももちろんできないわけであります。今必要なことは、あすに無責任な小渕政権をかえて確かなあすを語る政治をつくること、総選挙で新しい出発をすること以外にはありません。私ども社会民主党は、新しい政治に向けて全力を尽くす決意を申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕

発言情報

speech_id: 114605254X00719991201_017

発言者: 伊藤茂

speaker_id: 9141

日付: 1999-12-01

院: 衆議院

会議名: 本会議