岡野裕の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岡野裕君 私は、自由民主党及び我が同志自由党とを代表して、去る十月二十九日に行われた所信表明演説に関し、総理大臣に質問をいたします。
 この際、あらかじめお断りを申し上げます。
 何もここで自自公三党の仲のよさ、みつ月ぶりを見せつけるわけではありません。しかし、三党話し合いの結果、数ある質問項目のうち、私からはおおむね中小企業対策を中心とする経済対策及び外交・防衛問題を、同じく盟友公明党からは教育及び社会保障関係を重点に質問を申し上げることと相なりました。総理、よろしくお願いを申し上げます。
 さて、過ぐる十月二十五日、キルギスにおいて拉致されていた日本人四人全員が、六十三日ぶりに無事解放されたところであります。本当によかったなと国民一同胸をなでおろし、長くつらい思いに耐えてこられた四人の方々及びその御家族に対し、心からお喜びを申し上げる次第であります。何よりでございました。
 ここ二カ月余りの間、我が小渕総理陣頭指揮のもと、キルギス国のアカーエフ大統領を初め関係者との緊密な連携により、厳冬、酷寒期を迎える前に全面解決に至りましたこと、幾多粘り強い重畳的な努力の成果であり、当事者国の首脳を初めとする関係者に対し、深甚なる感謝の意を表する次第でございます。ありがとうございました。
 さて、先般、我が国が今まさに浮沈をかけた歴史的転換期にあるという強い危機感のもと、自民党、自由党、公明党三党の政治的、政策的合意が成立し、十月五日に三党連立による第二次小渕改造内閣が発足をいたしました。
 思えば、今年夏、第百四十五国会終盤におきまして、国旗・国歌あるいは組織犯罪防止はたまた住民基本台帳等重要法案の審議が難航に難航を重ね、閉会日の前日に至って、なお動議の連発により実に十四回にわたる記名採決、堂々めぐりが行われるという参議院の実態が露呈をしたところであります。これぞ少数与党の限界と申してよろしいでありましょう。
 時あたかも、景気浮揚、経済新生、あるいは国民の安全、安心、介護制度等あまた重要案件を待ったなしに処理していかねばならぬ、この今であります。果たして参議院の現状はこれにこたえることができるでしょうか。答えは無論ノーであります。
 かくて、我が党を初め、その思いを同じくする自由党、次いで公明党の三党に、切磋琢磨を前提とした信頼感が醸成され、国家国民を思う必然の産物として自自公三党の連立が定まってまいったものと認識をいたしております。
 しかるに、一部マスコミ等は、これをもって議席七〇%を超える巨大与党の出現と報じ、大政翼賛会的強硬路線に走るのではないかなどといぶかるなど、国民に誤解を与えかねまじき論調も見られるところであります。
 しかし、三党連立の意義は、何よりも我が参議院において考えを等しくする与党勢力の安定であり、その意味で政権基盤がより強化されたにとどまるものであります。
 我々は数におごるつもりは毛頭ありません。三党により、より広く国民各界各層の声を十分に吸い上げ、これを国政に反映し、まさに対話と実行により、ただただこの歴史的転換期に適時適切に対処してまいりたいと考えるがゆえにほかなりません。
 自自公連立を陣頭指揮によりみずから実現をされた小渕総理のお考えはいかがでありましょうか。
 次に、目下、我が国の将来を左右する課題はまさにメジロ押しであります。景気回復はもとより、経済の構造改革、社会保障や政治、行政の諸改革は喫緊の命題であります。同時に、教育、安全保障、東海村を契機とする原子力防災対策等、これまた国のありさまを決める基本テーマであります。
 各党党首間で国の基本問題に関する国会討議、いわゆるクエスチョンタイムが実現されようとしております。また、政府委員制度を廃止して、官僚に頼らず政治主導で答弁をする国会審議の改革が実現し、来年からは憲法調査会がこれまた設置されるところであります。
 憲法問題については、タブーなく幅広く論議を交わし、我が国の歴史と伝統への誇りを取り戻し、日本のアイデンティティーをいかに確立してまいるか。あるいは、荒廃しつつある教育を根本的に見直し、どのように人づくりを進めていくか。さらに、国際社会、アジアにおける我が国の果たす役割について大きく見直していくべきではないか。このような基本課題について、真摯な論議を重ね、世論を喚起していくことが肝要であります。
 総理の「二十一世紀日本の構想」懇談会で、かねてから総理提唱に係る富国有徳の構想が討議されております。人づくりはまさに国づくりでもあります。されば、この視点を踏まえ、総理が二十一世紀へのかけ橋をつくる内閣として我が国をどのように展望されておられるか、所見をお伺いいたします。
 来る十一月十二日は天皇陛下御在位十年記念式典が行われます。民間でも全国的に盛大な祝賀の催しが計画されている趣であります。
 私どもは、このときこそ国旗日の丸を掲揚し、国歌君が代の唱和により、二十一世紀の明るい日本に向けて、国を挙げてのお祝いといたしたいと願っております。政府はその取り組みに万全を期されたいことを要請するものであります。
 次に、景気、中小企業、雇用等々の問題について質問をいたします。
 我が小渕内閣の発足以来、積極的な財政、金融対策等各種景気浮揚策によりまして、不安を残しながらも緩やかな改善が続き始めた今日であります。しかし、個人消費に強さがなく、設備投資も低迷をしており、厳しい状況は今後も変わりないと論ずる向きがないわけではありません。
 かかる中にあって、景気の腰折れを招くことなく本格的な回復のための機動的な財政運営、中小企業向けの税制改正、同じく思い切った年末融資等々、総合的な経済新生対策が策定されようとしております。間もなくこれらの対策を内容とする第二次補正予算が提出されるでありましょう。
 とするならば、今回十兆円を超えるとおっしゃる経済新生対策の効果のほどはいかがでありましょうか。また、景気を自力反転の軌道に乗せることの公算はいかがでありましょうか。総理の込められたる御抱負を重ねてお聞かせいただければ幸いであります。
 中小企業政策審議会は、中小企業を弱者としてではなく我が国経済のダイナミズムの源泉、こうとらえております。これこそ技術革新、雇用創出、地域経済の担い手であるとして、大きな政策の転換を求めております。中小企業こそ戦後復興の原動力でありました。優良な部品生産等高い技術の結晶を提供してきたまさに中核であります。中小企業者は、きのうも、そしてきょうも歯を食いしばって頑張っております。
 総理は、中小企業、地場産業活性化のため、新しくどのような対策を打ち出されるのか、また、ベンチャー企業のためチャレンジ精神と創造性をどうかき立てていかれるのか、その具体的対応についてなお若干の補足をお述べいただきたい。
 また、二〇〇〇年から経済新生のスタートを切る起爆剤として、総理のいわゆるミレニアム・プロジェクトにつきましてさらなる御決意を承りたい、かように存じます。
 今年夏以降、大手都市銀行等の間で持ち株会社の設立、大型合併等、メガバンク構想が打ち出され、国民は驚きと期待を持って受けとめました。こうした金融機関の各種大再編・統合は、当然取引関係にある一般企業の再編を伴うものであります。金融システムが再生し、あるいはさらに産業の再構築が進むものと思われます。
 また、企業は、国際競争に生き残りをかけて一層のリストラを強めていくことでありましょう。日産自動車の例、これまたしかりであります。しかし、競争力強化だけの切り捨て的な安易な人員整理は、雇用不安、ひいては社会不安を助長するおそれなしといたしません。大企業は、過剰雇用を新しいビジネスや同じく新しい分野に生かすべきであり、これぞ経営者の手腕であり、また責任であります。
 総理は、安易とも見られがちな人員整理と深刻な雇用情勢について、一つ、どのような認識を持っておられましょうか、二つ、補正予算では雇用問題にどのように対処していくおつもりなのでありましょうか、御見解をちょうだいしたいと存じます。
 次に、外交防衛についてであります。
 今日の国際情勢は、世界経済の停滞に加え、軍事対立、紛争等が続出し、特にアジアにおいては平和を脅かしかねない状況が続いておること、御存じのとおりであります。
 冒頭申し上げたキルギスでの日本人拉致事件の教訓として、治安不安定な地域では、情報収集を初め、事件の再発防止対策を十分に講ずべきこと、論をまちません。複雑、不安定な国際関係において、国連初め主要国の協力体制の強化が不可欠であります。特に、アジアの安定と平和を確立するため、日本にはひときわ大きな期待が寄せられているところであります。我が国の外交は、その中核的役割を担う重大な責任を持つことを自覚すべきであります。
 かかる状況の中にあって、来年七月二十一日から三日間、九州・沖縄サミットが開催されます。この総理の大英断は、世界的注目を集め、我が国にとってもはかり知れない大きな意義を持つものであります。国を挙げ、何が何でも成功をかち得なければなりません。
 過般、青木、野中新旧官房長官が現地に飛ばれました。機を見るに敏なる行動であります。サミットを契機に、沖縄県民の多年にわたる御労苦、要望を改めて真剣に受けとめ、普天間を初めとする沖縄の基地問題、経済の問題に一つの転機を促す格好の機会と申することができましょう。サミット会場あるいはインフラの整備、警備体制に万全を期することは言うまでもございません。
 日本、沖縄からアジアに向け、あるいは世界に向けて平和と繁栄のメッセージを胸を張って発信できるよう、総理にその決意と取り組みにつきましてお伺いを申し上げます。
 東ティモールへの我が国の対応については、湾岸戦争の教訓にかんがみ、結局出すのは金だけだ、かような批判を受けることのないよう、人的貢献について、人道面を初め、できる限りの対応、協力をすることが重要であります。
 与党三党の政権合意では、PKF本体業務の凍結を解除するため法的措置を早急に講ずると、かようにあります。東ティモールの情勢等をも踏まえ、可及的早期の実現を望むものであります。五原則を踏まえたPKFへの参加を初め、国連の多様な平和活動への積極的な参加等につきまして、総理はいかに対応をされていかれるのでありましょうか、御方針をお伺いいたします。
 前通常国会において、かねて懸案であったガイドライン関係法が成立をいたしました。我が国の周辺事態への備えとして大きな成果でございます。しかし、肝心な我が国の有事法制は、今のところ全く不備と申せましょう。政府が進めてきた有事対応の検討は、遺憾ながらまだ研究段階にとどまるのではありませんか。海上警備についても、強化すべきことが浮き彫りになっております。早急に法整備の具体案を作成し、国民の理解を得ながら、合意を得られるものから、来る通常国会からでも速やかに立法化を図るべきではないかと、かように思考するところであります。
 北朝鮮問題を初め、我が国の防衛にすきを見せないよう、安全保障の基本方針の策定、有事法制への対応について総理の基本的な考え方をお伺いいたします。
 終わりに当たり一言申し上げます。
 この臨時国会は、四十八日間の短期であります。が、第二次補正予算案、中小企業対策、原子力防災、オウム真理教対策等、重要法案がまさにくびすを接しているところであります。
 かような懸案の多い国会審議に当たりましては、できるだけ各会派の御理解を得、審議を充実し、参議院としての存在感を高めていくことが肝要であります。初めての役人抜き答弁で万一審議立ち往生とでもなれば、また何をか言わんやであります。政府はすべからく一こま一こまが国家国民のためと、かように心得られ、胸を張った答弁を心がけられますよう精励されんことを望んでやみません。
 自自公三党は、合意した重要課題の実現を図りつつ、小渕内閣を存分に支えてまいる所存であります。総理におかれましては、二十一世紀の日本を見据え、世論支持率の極めて高いその国民の期待に沿うべく、ますますリーダーシップを発揮されんことをこいねがいまして、私の代表質問を終わります。
 よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114615254X00219991104_012

発言者: 岡野裕

speaker_id: 34065

日付: 1999-11-04

院: 参議院

会議名: 本会議