立木洋の発言 (本会議)
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○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、小渕首相に質問をいたします。
自自公政権の成立で、だれもが最大の危惧を抱いたのが数の暴走を繰り広げることでした。成立から約一カ月、早くもその危惧は最悪の形であらわになりつつあります。
国会で、専守防衛の否定、徴兵制復活や自衛隊は天皇の軍隊等々、憲法などお構いなしの特異とも言える軍事強化一辺倒の主張を行ってきた西村氏を防衛政務次官に任命するなどということは、自自公三党の絶対多数という数の背景がなければでき得なかったことでしょう。そして非核三原則を公然と覆す核兵器保有発言であります。
そこで、伺いたい。
首相は、今回の組閣について、見識と経験を重視したと説明し、一昨日の衆議院本会議では、西村氏がどういう発言をしてきたかある程度承知していたと答弁をしました。承知していたということは、まさにそういう西村氏の見識と経験を重視して任命したということではありませんか。あいまいにせずに具体的に答えていただきたい。また、内閣の方針に反するというなら、なぜ辞職ではなく罷免にしなかったのですか。
いま一つ、企業・団体献金の禁止についてであります。
来年一月から政治家個人への企業・団体献金を禁止することは、自民党も賛成して法律に明記されたことであります。しかも、事の発端は、リクルート、佐川急便、共和等々、自民党議員が次々と金権・汚職事件を引き起こしたことにあります。その自民党が企業献金の禁止は間違いだった、だからほごにすると言い、過ちを改むるにはばかることなかれだなどと平然と述べる資格が本当にあるんでしょうか。これは、過ちを改めない、それでもはばかることなかれという開き直り以外の何物でもないではありませんか。
首相、あなたは企業献金禁止の法律の実施について衆議院で、それは国会で各党が決めることと逃げの答弁を繰り返しましたが、あなた御自身はどう考えているのですか、明確な答弁を求めます。
次に、実施時期が迫ってきた介護保険についてであります。
希望するすべての人が安心して介護サービスを受けられる介護保険制度の確立は、国民の強い願いであります。ところが、今日最大の問題は、現状のまま実施すれば特養ホームが九万人分不足し、ホームヘルパーも三三%の基盤整備率にしか達していないように、保険料は徴収するが必要な介護サービスを提供できないという事態を招くことにあります。
保険というのは、資格のある人にはきちんと給付・サービスが提供されてこそ成り立つシステムであり、介護サービスが提供できないというのではその前提条件を欠くことになります。
だからこそ日本共産党は、この法律ができて以降、三度にわたって介護基盤整備の促進、高い保険料や利用料の引き下げと低所得者への減免制度の創設、認定制度の改善などを政府に要求してまいりました。そして保険として成り立つ見通しが立つまで保険料の徴収を凍結するよう提案したのであります。
ところが、自自公三党合意は、保険料徴収のわずか半年間延期というだけで、肝心の介護基盤整備の強化策もなければ財源対策もありません。中身なしの半年徴収延期論であって、これでは矛盾と負担増を先送りするだけではありませんか。なぜこういうことになったのでしょうか。
政府が、安心できる介護保険制度をつくることより、社会保障に対する国の財政負担の軽減を優先させたからであります。現に来年度は介護保険スタートの年だというのに、来年度予算概算要求を見ますと、介護基盤整備関連費が三千四百億円も減らされているのであります。この姿勢を改めることこそ肝要ではありませんか。
このことを指摘した上で、改めて幾つかの提案を行うものであります。
第一に、特養ホームとホームヘルパーの抜本的な増設、増員を図ることであります。
介護を希望するすべての人にサービスが提供できるようにするのは当然であります。そのために、基盤整備の目標を引き上げるとともに、国庫補助率の引き上げ、特養ホームの用地取得費への国庫助成の創設を図るべきであります。
第二に、高齢者、低所得者への保険料の減免制度をつくることです。
今、高齢者の七六%が住民税非課税であります。保険料の無料を含む思い切った軽減措置をとるべきではありませんか。現在、国民健康保険の滞納者は約三百五十万世帯に上っています。この上に介護保険料が上乗せされればさらに滞納者が急増することは必至であり、そうなれば医療も介護も受けられないという悲惨な事態が国民を襲うことになるのです。
第三に、低所得者に対する利用料の減免制度を設けることです。
利用料を取れない人が四割に上る自治体や、高い利用料のため介護サービスを辞退するというケースも指摘されており、使える介護制度にするには国の財政支援による減免制度が不可欠です。
第四に、以上の点の改善を来年の四月までできないというのなら、介護保険制度は国による契約違反ということになります。したがって、サービス提供の準備が必要最小限整うまで保険料の徴収は延期し、その間に制度の改善、改革に全力を挙げるべきです。
もちろん、保険料の徴収を延期したとしても、介護を必要とする現状からして介護サービスをおくらせることはできません。この間は、国の福祉水準を後退させない、低所得者を排除しないということを最小限の前提とした暫定措置を講ずるべきであります。
また、財源は、政府がやろうとしているように今の財政構造を変えないことを前提とした赤字国債の発行では、将来の増税や負担増を招くだけであります。大型公共事業や銀行、大企業支援などのむだを大胆に圧縮することによって賄うべきであります。
以上の提案について首相の答弁を求めます。
次に、九月三十日に発生した東海村の核燃料加工工場での臨界事故についてであります。
この事故は、日本のみならず世界に大きな衝撃を与えました。権威ある科学雑誌ネーチャーの社説は、東海村での臨界事故は近年の原子力事故で最悪のものとなった、科学技術庁に原子力の安全性を十分に規制、監督する能力がないことが明らかになったと指摘しています。
日本共産党国会議員団は、この間数度にわたり東海村や全国の核燃料加工工場を調査いたしました。そこで鮮明になったことは、安全神話にしがみつく原子力行政がいかに災厄をもたらすかということであります。
日本共産党の調査に対し、事故が発生した工場、ジェー・シー・オー側は、十時三十五分に事故が発生した直後に臨界の可能性ありと判断し、十一時十五分には科学技術庁にファクスで連絡を入れています。さらに十一時五十八分には、科学技術庁の運転管理専門官が現場を訪れた際にも、ジェー・シー・オーの所長は臨界事故と考えざるを得ないと説明しています。それにもかかわらず、科学技術庁が臨界事故を確認したのは、最初の連絡を受けてから五時間近くも後になってからであります。
ここには、臨界事故は起こらないと信じ切っているために、臨界の判断も対応の判断も何もできないという科学技術庁の背筋の凍りつくようなお粗末な実態が浮かび上がっています。実際、今回の事故は想定されていなかったために、中性子線の測定器もない、臨界を制御するすべがない、防護策もなければ、避難対策もない。文字どおりないない尽くしでした。
そこで、まずお聞きしたい。
ジェー・シー・オーのウラン加工工場をいかなる場合でも臨界事故は起こらないと認定したことは明らかに間違いであった、このことをはっきりお認めになるのかどうか、明確にお答えいただきたい。
一昨日の衆議院本会議で、我が党の不破委員長は、安全神話を原子力行政から一掃して、原子力発電の危険性を踏まえた行政への転換を断行するよう求めました。これともかかわって、次の三つの提案を行うものです。ちなみに、この提案は世界では常識と言うべきものであり、国際的に突出しておくれた日本の原子力行政の現状を打開することを願っているものであります。
第一は、通産省、科学技術庁、電力業界、原子力メーカーなどによる常軌を逸した安全宣伝をやめ、原子力は危険であるからこそ安全の確保に万全を期すことが重要であることを率直に語るべきであります。
かつて、旧動燃は、安全を強調する余り、角砂糖一個の大きさでも五千万人を汚染するという猛毒プルトニウムを飲んでも大丈夫だというPRアニメまでつくって批判を浴びました。今やこんな国は世界じゅう探してもどこにもないでしょう。政府全体で、原子力は安全という宣伝のために年間何と百三十四億円という膨大な広報費を使っています。そんなことに使うぐらいなら、それを安全対策の強化に回す方がはるかに有効ではありませんか。
第二は、原子力発電は、過酷事故、シビアアクシデントが起こった場合の危険性を認識して、徹底した安全・防災対策を講ずるべきであります。
IAEA、国際原子力機関の安全諮問委員会は、一九八八年、アメリカのスリーマイル島の事故、旧ソ連のチェルノブイリの事故なども踏まえて、事故を起こさないように安全対策を強化するとともに、原子力発電が設計で考えられた以上の過酷な事故、炉心が溶け出し、大量の放射線がまき散らされるというシビアアクシデントが起こった場合のことも十分認識して、各国の原発はそれを踏まえた対応を行うべきだと勧告をいたしました。
私は、この国際会議の勧告を踏まえて、去る一九九〇年、外務委員会で過酷事故の対策をただしたわけであります。ところが政府は、我が国の原子力施設は現実にシビアアクシデントが起こるとは科学的には考えられない程度にまで安全性が高められている、したがってシビアアクシデントの見地から安全規制を強める必要はないと考えておりますと、この国際会議の勧告を拒否する姿勢を重ねて明らかにしたのでした。その後も現在に至るまで、過酷事故を前提とした安全規制や防災対策を拒否し続けているのであります。世界が受け入れているこの勧告を日本も全面的に受け入れるべきではありませんか。はっきりお答えいただきたい。
第三は、新しい知見があれば、それを絶えず安全対策の中に組み込むことであります。今回のジェー・シー・オーの事故では、安全規制に過去の臨界事故の経験が生かされていませんでした。あるいは、阪神・淡路大震災をもたらした地震の揺れは、現在稼働中の全原発が想定している揺れを大きく上回ったものにもかかわらず、原発の耐震基準は問題ない、稼働中の全原発は安全だという、全く現実と反する結論を出しています。
以上の三点、首相の答弁を求めます。
次に、ますます深刻さが増す雇用問題、中小企業、農業など産業政策についてただすものです。
フランスの十月三十一日付ル・モンド紙が、日本資本主義の変化が進んでいるという特集を組み、その中で、リストラの波が日本列島に砕け散っていると指摘して、大企業による大量の人員削減がもたらす社会的経費は極めて大きいと分析をしています。これは、ルールなき資本主義と言われた日本資本主義がさらに変貌し、一段とルールなき社会に突入しようとしている姿を鋭くえぐり出した論評であります。
ところが、この深刻な事態に対し、鈍感どころか、リストラ、首切りを推奨さえしてきたのが小渕内閣であります。首相は、リストラは当然であり、失業率が上がるのもやむを得ないと表明いたしました。経企庁長官は、まるで人ごとのように、リストラを推し進めていく中で大量の解雇が行われるのではないか、全体では恐らく百万人を超えるでしょうと語る始末であります。だからこそ、日産が二万一千人もの人員削減計画を発表しても政府としては全く打つ手なしで、ただ傍観するだけであります。
衆議院の代表質問で我が党の委員長は、リストラの横行を抑えることに政治が力を発揮すること、雇用拡大の決め手となる労働時間の短縮、解雇規制法など労働者保護のルールの確立など三つの提案を行いました。ところが首相は、リストラ、解雇規制も、労働時間の短縮による雇用拡大も、すべて労使間の問題として何一つこれを前向きに受けとめる姿勢を示しませんでした。
そこで、改めてお聞きしたい。
首相、あなたは今もリストラは当然、失業率が上がっても仕方がないという立場なんでしょうか。労働者の権利を守る新たな法制は一切必要ないという立場なんでしょうか。あなたは去る七月、衆議院の予算委員会で我が党の大森議員の質問に対して、サービス残業は犯罪だと答弁しました。法治国家なら犯罪を放置することは許されません。首相、サービス残業を禁止するために今まで何をしてこられたのですか、またこれから何をされるのか、はっきり述べていただきたい。
このことを伺った上で、あなた方の失政によって生み出された数百万人の失業者対策に絞って幾つかの提案を行い、明確な見解を求めます。
第一は、雇用保険の給付期間の延長と拡充についてであります。
今、高齢者や障害者には延長給付の制度がありますが、四十五歳から五十五歳、五十五歳以上の方々は、それぞれ有効求人倍率が〇・三四倍、〇・一倍と低く、再就職は困難をきわめています。こうした働き盛りの失業者及び失業率の特に高い地域での延長給付を行うべきであります。また、新卒者は雇用保険未加入のため失業手当そのものがありません。就職の意志があって、職業訓練を受けようという人たちに対して、最低限の生活を維持しながら職業訓練を受けられる手当を支給すべきです。
第二は、政府がこの九月から実施した緊急地域雇用特別交付金の改善であります。
政府は、これによって三十万人の雇用拡大と銘を打っていますが、公的就労事業にはしないという方針で自治体の事業にさまざまな縛りがかけられているため、雇用の拡大にも、つなぎ職を提供することにもなっていません。この予算を拡大し、失業者に臨時の公的就労の場を提供するようにすべきです。
第三は、職業訓練の抜本的な拡充を図ることです。
今、厳しい雇用情勢のもとで、競争率が激しく、多くの失業者が希望する職業訓練を受けられない状態にあります。臨時的に民間の専門学校なども活用して、職業訓練の機会を大幅に拡充すべきであります。
次に、中小企業対策についてです。
政府は、今国会を中小企業国会と位置づけていますが、問題はその中身であります。
日本の中小企業は、物づくり基盤技術や技術革新探求の面でも国際的に高い評価を受け、また、大企業がリストラを進めている中でも雇用の担い手となって日本経済に貢献してまいりました。文字どおり、日本経済の主役というのが日本共産党の位置づけであります。これからの日本経済のことを考えたとき、この役割を十分に果たせるようにすることは政治に課せられた大きな責任ではありませんか。
この中小企業の発展を支える上で不可欠なことの一つは、中小企業の経営を守るルールをしっかりと確立するということであります。
ところが、自民党政府がやってきたことは何でしょう。商店街を守るルールであった大型店の出店規制はなくす、親企業の無法から下請企業を守るルールはあっても、実効性を担保する体制はつくらない。日産の大リストラ計画は、労働者、下請企業、地域経済、自治体など、広い範囲に衝撃を与えていますが、何一つこれを実質的に規制するルールはありません。いわば無法地帯に置かれてきたのが大多数の中小企業であります。
この国会を中小企業国会と言うなら、最低限、次のことを行うべきです。
第一に、今、下請企業は、全国に百万近くあると言われる下請中小企業の取引を監視する下請検査官は、通産省と公正取引委員会を合わせてもたった七十一名であります。これではチェックできるはずがないではありませんか。無法な取引をやめさせるため、下請検査官の人員を大幅に拡充し、自治体にも配置すべきであります。
第二に、日産のような大規模なリストラは地域経済全体にも巨大な被害をもたらします。このような大規模なリストラに対して、自治体との協議や計画の変更、中止の勧告ができる制度、リストラアセスメント法をつくるべきではありませんか。
第三に、金融のルールであります。暴利をむさぼり暴力的に回収を行う商工ローンによる被害は、多数の自殺者を出すなど悲惨なものであります。しかも許せないことは、この商工ローンに資金を提供していたのが、巨額の公的資金を受けながら貸し渋りを行ってきた銀行だということであります。この間、銀行に対しては二十一兆円以上の公的資金が投入されてきましたが、その銀行は同額の二十一兆円も貸し出しが減っているのであります。その一部が商工ローンに回り、中小企業をえじきにしてきたわけであります。私たちはこういうことを考えたとき、銀行による商工ローンへの融資を厳しく規制すべきであります。
また、アメリカの地域再投資法のように、銀行に地域企業への一定割合の融資を義務づけるべきです。同時に、年四〇%の高利にもなる出資法の上限金利を二〇%まで引き下げ、高金利によるトラブルや犯罪をなくす対策を緊急にとることを強く求めるものであります。
あわせて、官公需の拡大についてもただしておきたい。
現在、国の官公需の中小企業向け発注率は四〇・九%、地方は六九・四%にとどまっています。これをそれぞれ五〇%、七五%に引き上げれば、二兆円を超える仕事や物品を新たに中小企業に発注することができます。これを真剣に追求すべきではありませんか。
以上の提案について首相の答弁を求めます。
さて、日本の食料自給率が四一%まで落ち込み、今では一億二千万人の国民の七千万人分は外国に食料を頼るという異常さであります。特に今怒りを呼んでいるのが、一方で米を大量に輸入しながら、豊作で余ったお米は一俵六十キロを六百円程度で家畜のえさ米にしろというやり方であります。
農業・食料生産は、二十一世紀に向けて日本民族の存立の基盤にかかわる問題であります。そこで、食料自給率の向上に向けて計画的に取り組むことを前提として、次の要求を行うものです。
第一は、農業予算のあり方を抜本的に組み直すことです。
日本の場合、農業予算の約半分が、むだな農道空港、干拓事業、減反の憂き目に遭う圃場整備など、ゼネコンだけを潤す土木事業につぎ込まれています。農業を続け、後継者を育てる上でも不可欠な所得補償、価格補償には一割も使われていません。EU諸国などでは農業関係予算の五割から七割が所得・価格補償対策に回され、農業の向上と食料の維持を実現しています。それと比較するなら、日本の逆立ちぶりは明瞭であります。
農業予算の枠はこのままでも中身を組みかえれば、農業に携わる人々にも希望を持って生産に取り組んでもらうことができます。この方向に大胆に転換すべきです。
第二は、次期WTO交渉にどう臨むかということであります。
WTO農業協定前文には、「食糧安全保障、環境保護の必要その他の非貿易的関心事項に配慮」することを明記しています。また、日本や韓国などアジア・モンスーン地帯では、水田を続けることが環境と国土保全に大きな役割を果たしています。一九九六年の世界食料サミットNGOフォーラムの声明では、各国の食料主権を主張し、食料と農業はあらゆる面で家族農業に有利となるよう方向づけ直さなければならないと指摘をしています。このように道理ある交渉は十分可能であります。米を輸入自由化の対象から外すよう、最大限の知恵を絞って強く交渉に臨むべきであります。
以上の二点について答弁を求めます。
最後に、非核・平和の問題です。
アメリカ上院本会議は、去る十月十三日、包括的核実験禁止条約の批准を否決いたしました。包括的核実験禁止条約は、核兵器の廃絶を求める世界じゅうの人々の願いを背景にして、核実験の全面的禁止を求めてきた国際世論の高まりの中でつくられたものであり、すべての核爆発実験を全面的に禁止する史上初めての条約であります。
この条約の速やかな発効を求めるとともに、核保有国は未臨界実験をも中止して、核軍縮に取り組むべきであるとの声が国際的に高まっていますが、今回のアメリカ議会の決定はこうした世界の流れに逆行するものです。
したがって、今、包括的核実験禁止条約の速やかな発効とすべての核実験の全面禁止の実現に向けて国際的な圧力を強めるべきですが、同時にこの際、核兵器問題の根源に真剣に目を向けるべきであります。
もともとアメリカ政府が包括的核実験禁止条約の成立を推進したのは、核拡散防止条約の無期限延長を実施させる目的で、世界の反核世論に耳を閉ざしていないという姿勢を示すためでした。核拡散防止条約は五カ国の核保有国による核兵器保有を独占的特権としたものであり、対等であるべき国際秩序の根本にかかわる重大な矛盾をつくり出しただけではなく、世界のすべての国が核兵器を保有しないようにする核兵器廃絶の課題とも相入れないものであります。
日本共産党は、昨年六月、不破委員長が五つの核保有国首脳あてに書簡を送り、核兵器独占体制そのものに核兵器をめぐるさまざまの危険の重大な根源があり、その矛盾を直視して危険な現状を打開する道を探求すべきであると要請いたしました。唯一の被爆国である日本政府自身が、この立場から核兵器のない世界の実現に真剣に努力すべきであります。
現在、見逃してならないことは、決して容認することのできないインド、パキスタンの核実験が行われたことに示されているように、この核保有国の核兵器独占体制の矛盾の深刻さであります。
核兵器保有国がみずから核兵器を保有し、維持しながら他国に核拡散の禁止を主張しても、これは説得力を持ちません。同様に、アメリカの核政策に同調し、核独占体制を擁護する立場も、非核を求める国民の願いや国際的な流れと決して相入れるものでもありません。核兵器をなくすための努力は必要不可欠であります。こうした事態を真剣に考慮し、二十一世紀には人類を核兵器の恐怖から解放するために、次のことを日本政府に提案するものであります。
第一に、アメリカ政府に対し、包括的核実験禁止条約を速やかに批准するための努力を行うこと、さらに核兵器の保有と維持を求める手段としての未臨界実験も含めて中止することを求めるべきであります。
第二に、国連総会でも繰り返し決議されているように、期限を切って核兵器の廃絶を主題とする国際的協議を速やかに開始する国連決議に賛成するということであります。
以上、国民の安心、安全、日本経済のあり方、非核・平和にかかわる問題について、我々の積極的な提案を行いながら質問をいたしてまいりました。これらはいずれ行われる総選挙でも熱い争点となるものです。そして国民は、小渕政権の正当性のなさからも、解散・総選挙で国民の審判を仰ぐことを強く求めています。この国民の声に速やかにこたえるよう強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕