河野洋平の発言 (外務委員会)
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○河野国務大臣 我が国経済が台湾との間にさまざまな関係を持っている、日本のメーカーが台湾に工場を移したというようなことはよくあることでございます。台湾経済の中に占める日本経済の影響力というものは非常に大きい。もちろん、逆もまたそうだと思います。しかし、一方で我が国は、日中関係というものを大事にしていくべきだと思います。
これは、伊藤議員もよく御承知のとおり、我々の先輩が本当に大変な努力をして日中国交の正常化をなし遂げた。もし日本と中国との間の国と国との関係が不正常なままであれば、日中両国関係のみならず、アジアにおける状況も極めて不安定なまま推移したに違いない。そういう状況を我々の先輩は見通して、何としても日中の国交正常化をやらなければならぬということで大変な努力をされて、田中総理のときに日中共同宣言を発出して両国関係は正常化されたわけであります。
その日中共同声明の中に書かれておりますように、
日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
云々、こういうことを書いて日中共同声明ができ上がり、日中関係は正常化したということがあるわけです。
これはだれもが知っておられることだと思いますし、我々は、アジアの外交を考える上で、この日中共同声明は決して忘れてはならない一つの大きなベースであると思います。そうしたことを踏まえて、我が国は、日本と台湾との関係は、非政府の関係あるいは地域の関係ということに限定をする、日台間の実務関係の処理は日台双方の民間の交流機関がこれを果たす、こういう原則に基づいてこれまで問題の処理をしているわけでございます。
御案内のとおり、日本と台湾との間には例えば交流協会などがあって、非政府間の機関として一つのチャネルの役割を果たしているわけで、これまでの先輩が築かれ、そしてそれを引き継いできて今日に至る、こうした我が国のアジア外交の最も基本的な部分については、私は、これを堅持していかなければならない、いくべきである、こう考えているわけでございます。
こうした考えに基づきまして、台湾との間には政府間の接触はいたさない。これは、ヨーロッパの国がこういうことをしているではないか、どこがこういうことをしているではないかという例はあると思います。例はあると思いますけれども、我が国と中国との関係、そういう歴史的な経緯というものを考えれば、他国がそうであるからといって我が国がそれと同じことができるかというと、決してそうではないということを御理解いただきたいと思います。