野田毅の発言 (憲法調査会)
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○野田(毅)委員 憲法調査会の今後の調査の進め方について、自由党の考え方を申し述べたいと思います。
我が党は結党以来、憲法のあり方に関する諸問題について調査審議をするため、国会に憲法調査会の設置を求め続けてまいりました。
日本国憲法は昭和二十一年に制定されました。以来、五十五年が経過をいたしておりまして、その間、我が国を取り巻く状況は内外ともに大きく変わっておることは御案内のとおりです。私学助成の問題のほか、環境の問題、プライバシー保護の問題、世界有数の経済大国となった我が国の国際的役割と責任の問題など、憲法制定時には想定さえできなかった問題が生じておりまして、憲法はますます現実と乖離する事態を招いております。また、現在の憲法の基本理念である基本的人権、平和主義、国際協調主義を実現していくためにも、新たな視点に立った憲法論議を必要としております。
我が国におきましては、これまでの長い間、憲法の論議を国会で堂々と行うことができなかったということを顧みますると、二十世紀最後の通常国会であるこの国会から衆参両院に憲法調査会が設置され、本日、本院において第一回目の会合が開かれることになったこと、まことに感慨ひとしおであります。
以下、当憲法調査会の論議の進め方についての自由党の考え方を申し上げたいと思います。
まず、調査を始めるに当たっての基本的姿勢についてであります。
その第一は、言うまでもなく、憲法は国の形の根幹をなすものでありまして、憲法論議の任に携わることになった我々の歴史的使命と責任はまことに重いものがあります。我々は、二十世紀日本の歩みを振り返りつつ、二十一世紀の日本をどうするか、今後の進むべき方向について真剣に論議をし、二十一世紀日本、国家百年の国づくりの根幹となる新しい憲法をつくっていくという視点に立って調査を進めるということであります。
第二は、冷静かつ論理的な論議を進めるため、可能な限り客観的な事実を共有し、憲法をめぐる諸問題に各委員が共通した認識を持てるよう努めることであります。同時に、国民に広く国会の論議を明らかにし、国民世論の形成に積極的に努めるということであります。
第三は、国民とともに二十一世紀日本の新しい国づくりを行うという視点に立って、調査会の各地域での開催、インターネットの活用など広く国民の意見の吸収に努めることであります。
次は、当面の調査の進め方であります。
日本国憲法の制定経過についての調査、日本国憲法がどのように解釈、運用されてきたかの調査及び日本国憲法についての国民の意識の調査などは、当然行っていくべきでありますが、私は憲法についての国際的比較調査が特に重要だと考えるものであります。
なぜなら、二十一世紀の日本が国際社会の一員として生きていくためには、ともに責任を共有していくということが不可欠であり、日本だけが独善的行動をとることはできません。特に、安全保障に関する規定、危機管理に関する規定などは、国際的に共通の基準が考えられるべきであり、そのほか、国民の権利義務に関する規定、地方分権に関する規定、憲法改正手続に関する規定などの比較が重要であると考えます。
次に、調査の手順と目標についてであります。
私は、当調査会は、明確なタイムスケジュールをもって調査を進め、明確な結論を出すべきであると考えます。すなわち、調査開始後三年目には調査会として新しい憲法の概要を示す、五年目には新しい憲法の制定を図るというものであります。
ちなみに、現在の日本国憲法が国会に提案されたのが昭和二十一年四月、成立を見たのが同年の十月、国会における議論は計七カ月でありました。これは昭和二十年八月十五日の終戦の詔勅からわずか一年二カ月後のことであります。審議時間は長きをもってとうとしとせずであります。調査審議の充実度は委員各位の問題意識と熱意いかんにあること、そして、国会は議論するだけの場ではない、結論を出す場でもあるということを申し上げ、憲法調査会の進め方についての自由党の見解といたします。(拍手)