伊藤茂の発言 (憲法調査会)
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○伊藤(茂)委員 憲法調査会に臨む社会民主党の考えを表明します。
今回、憲法調査会が国会に設置され、調査活動を行うことになりましたが、その内容は二十一世紀日本の進路にかかわる極めて重要な意味を持っていると考えます。社民党は、憲法改悪の危険性を深く憂慮して調査会設置に反対をいたしましたが、設置された以上、積極的に参加し論議していくものであります。
以下、調査会の運営と論議につきまして、社民党の考え方を四点に集約して申し上げます。
第一に、社会民主党は改憲に反対であります。
日本国憲法の平和主義、基本的人権、国民主権などの原則は、近代社会の普遍的な原理と目標を鮮明に表現したものであって、これに異論を唱える者はいないと思います。今、改憲の必要はないのであります。
社民党が重視するのは、改憲の動きの戦略的な目標が、つまるところ、結局は憲法前文と九条の平和主義を変更しようとすることに置かれているという懸念であります。それは、最近、幾つかの政治家の論文などにもあらわれております。
第二に、日本国憲法の理念は二十一世紀への先見性を持っていると考えております。
今、私たちは、希望のある二十一世紀時代を構想し、あすを語る大きな責任を持っております。それを、日本国憲法の理念と目標を堅持し、具体化する方向で進めることが必要だと思います。
一つだけ例を挙げれば、欧州でのパリ憲章やOSCE、全欧安保協力機構と同じような平和のテーブルをアジアにつくるために、憲法前文と九条の立場で積極的な行動を展開すべきであります。
村山内閣を初め、私たちの党が連立に参加している当時は、政策合意の冒頭に憲法の理念と目標を尊重することが明記をされておりました。それが変化したことを深く懸念します。
第三に、今必要なことは憲法条文の改正論議ではなく、日本の将来の骨太のビジョンの論議こそ重要だということであります。
一つの時代が終わり、新しい時代に入ろうとしている今、重要な国民的課題にさまざま直面をいたしております。ポスト冷戦時代の日本とアジア、福祉日本の総合計画などでございます。私たちは、それらの打開策について積極的に、真摯な議論をしなければなりません。そういう努力が先行することを国民は求めていると考えます。私たち社会民主党は、憲法の理念に基づいて、そういう政策を積極的に提起したいと考えております。
このような立場から、第四に、調査会の運営と調査のあり方について特に強調したいことは、この調査会は、憲法について広範かつ総合的に調査を行うのが目的であると法律に規定をされており、議院運営委員会でも議案提出権がないことが確認をされておりまして、鳩山内閣当時の内閣憲法調査会とは全く違うことを鮮明に認識することであります。二、三年程度議論したら改正案の作業など、改憲の議論は絶対にあってはならないのであります。
私は、現憲法制定後に発生した数多い憲法違反問題を洗い出し、どこに憲法違反の原因があったのかなどを検証することが優先して調査されるべきであると考えます。これは憲法に定められた尊重擁護義務を踏まえてなされるべきものであります。
このような視点から論議し、日本国憲法の理念が現実に輝く二十一世紀にしたいと考えております。
以上が、社会民主党の基本的な考え方であります。(拍手)