古賀一成の発言 (予算委員会)
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○古賀(一)委員 私は、年々の債務累増だけではなしに、質的に大変、国、地方を通じて体質といいますか、問題が深く、体質が悪くなっているという危機感を大変深く持っておりまして、いわゆる問題を解決する能力がないというよりも、むしろ問題を認識する能力すらないのじゃないか、それほど楽観的にお考えではないか、かように思わざるを得ないほど、実は、この数年の財政の秩序というか規律というものはもう歯どめなく乱れてきたように思うのです。
それで、今大臣の方から、こういう異常なというお言葉もございました。こういうのはこれっきりにしたいという願望もいただきましたけれども、そういう、景気が回復すればそこで財政改革に取り組めるというほど実は事態は甘くないわけでありまして、今言った正規の長期債務のほかに、まだまだあるのですね。
先ほどちょっと問題になりました、例えば、国と地方の借金の分け合いというか、隠し合いといいますか、地方交付税特会の借金だって隠れております。これはたしか去年、私は地方行政委員会の理事をずっとやっておりましたのでよく知っておりますけれども、まあふえたものだ、二十九兆と言っておりましたら、ことしは三十八・一兆ですよ。もうざっと九兆円。国鉄のあの隠し長期債務二十九兆、地方交付税特会もそこまで来たかと思っておったら、ほんの数カ月たった今、この数字を見たときに三十八・一兆、もうどうなるんだろうと。
このほかにも、厚生年金特会あるいは国民年金特会、ここにも、だれが貸し借りの責任を持っているか、あるいはどうやって処理するか、不明なままの借金というものが実は残っておるのですね。これも処理しなければならぬ。
これは、容易ならざる覚悟、あるいは、もうすべての知恵を振り絞る、こういう情熱、そういうものなくしてこれが解決されるはずがないのです。だからこそ、先ほど言ったように、そのトップにある総理がこの予算委員会に一日目でもう出ない、それが私信じられないんですね。(発言する者あり)いや、それは決めたにしても、私が総理であるならば、私みずから、来なくていいといっても私は、この予算委員会でこの危機を訴えるというのが当然ですよ。だから私は、問題認識、能力じゃなしに問題認識、能力すら欠いているのじゃないかと心配するわけです。
私は本当に、今の国民もさることながら、あるいは今の中小企業の皆さんもさることながら、今生まれてきた赤ん坊の人たちに、最近見ると本当にかわいそうだと思う。それほど私は問題意識を持っております。これをまず申し上げたいと思います。
それで、第二問目でございますが、この予算の大前提になっておる論理は、ただ一つ、一兎論でございます。二兎を追う者一兎を得ずという言葉を何度聞いたことかわかりません。そして、その一兎というものは、まずは財政出動して景気をよくすることだ、こういう論理に立っているのですね。
ところが、これはきのうの質問でもございました、例の大蔵省の中期財政展望、これを見たときに、この論理は全く成立しない。虚構である、あるいはもっと言えばうそである、私はそう言わざるを得ないと確信をいたします。これは私は、今度の予算の最大の問題だと思うのですね。
つまり、説明をいたします。
ここに中期財政展望がございます。試算が四つ出してございます。試算一は、名目成長率を三・五%と見ております。名目成長率三・五、これだけ達成されれば内閣としてはよしとする、景気は回復という話になるんでありましょう。つまり、我々が期待すべき数字なのかもしれません。その三・五%が達成されたとして、二〇〇三年度にどうなるか。国債費、つまり歳出の方でございますが、これが二十二・三兆円になります。今提出されております二〇〇〇年度予算は二十二兆ちょうどでございますから、つまり、経済成長を三・五とした場合、三千億円の国債費が増嵩をいたします。この場合の前提は表面金利四・五ということになっております。
ところが、一方、歳入の方を見ますと、公債金収入、つまり国債発行でございますが、これが三十四・九兆円に膨らみます。二〇〇〇年に比べますと、二・三兆円ふえるのですね。つまり、三・五の経済成長を遂げたとしても、三年後の国債発行は、減るどころかふえるんです。これは大蔵省の試算でございまして、後ほどこれは大臣に、信じられるかどうかは再度聞きたいと思います。
二番目の試算が、成長率を半分にした場合、一・七五%の場合はどうなるかという試算です。これは国債費は減ります。それは表面金利が三・〇に抑えられるだろうという前提でありますから、歳出の方の国債費は減りますが、いわゆる国債発行はどうなるか。見れば、これもまたふえるんですね。ふえるけれども、三・五の場合よりも大分少のうございまして、〇・六兆円、六千億円しかふえない。
あと試算三、試算四ははしょりますが、要するに経済成長をすればするほど公債発行がふえる、そういう実は前提になっているのです。これで何で私は今度の財政出動、要するに世界一の借金王になった、なっても今度この予算において景気回復すれば財政改革に取り組むという、論理の前提がここで崩れておると明らかにだれでも思うと思うのですが、これについてどう理解されて、大蔵大臣はああいう一兎論になるのでありましょうか。ぜひお答えをいただきたいと思います。