堺屋太一の発言 (予算委員会)
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○堺屋国務大臣 委員御指摘のように、利益率という場合にいろいろなことがございます。
委員御指摘になりました総資本事業利益率、いわゆるROAで見ますと、日本も九〇年ぐらいまでは大体アメリカとそう差がございませんでした。その後、九二年にアメリカがどかっと下がりまして、これがアメリカのうみ出しをやった後でございましょう。その後、大変差がついてまいりまして、九八年の統計で見ますと、アメリカが五・九四%、日本が三・〇〇%というような数値になっております。
もっと大きな差が出ておりますのは、先ほど通産大臣がお答えになりました株主総資本利益率、ROEの方でございますが、こちらでございますと、大体七〇年代の前半までは日本もアメリカ以上にもうかっていた。それが、七〇年代の後半に入りますと徐々に下がってまいりまして、九〇年代に至りまして大変悪化して、九八年にはほとんどゼロ。これは金融機関を除いてでございますが、金融機関を入れたらマイナスになると思いますが、ほとんどゼロという状態になっております。
この原因は、委員御指摘のような企業の経営の方法、どんどんと分割するとか合併するとか買収するとか、より合理的に、アメリカの資本を、資源と労働力と資金をより合理的に使うという方法が非常にとられた。これは、日本も今、法改正その他でできるようにしようという努力をしております。
そういうことがありますが、もう一つ、やはり根本に、株主に報いるという精神がアメリカの場合非常に高いと思うんです。日本は、六〇年代、七〇年代の高度成長から、株主に配当するよりも内部留保をして、それで次の投資をする、そして従業員をふやし、終身雇用を維持するというような方向に経営哲学が変わっていきました。
ところが、それはそれでよかったのでございますけれども、九〇年代、あのバブルのときに、過剰投資をして、しかも従業員も終身雇用、過剰施設も抱える、過剰負債も抱える、こういう状態が続いてまいりました。それをアメリカのように明確にうみ出しをしなかった、バブルの処理がおくれたということが今になってどっと出てきている。
したがいまして、ここで日本が経営改革をするようにいろいろな法改正、税制その他いろいろな改正もしておりますが、これが実りまして、この過剰施設、過剰雇用、過剰負債というものが整理をされ、一方で、新しい分野がどんどんと成長してきて雇用を吸収するということになれば回復してくると思います。
九九年の法人季報で見ますと、その傾向はかなりあらわれておりますので、来年、二〇〇〇年度、そして二〇〇一年度ぐらいになれば日本も、アメリカほどいくかどうかわかりませんけれども、現状よりはかなりよくなって、新たな投資を呼ぶようになると期待しております。