小川敏夫の発言 (議院運営委員会)

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○委員以外の議員(小川敏夫君) 国会議員の地位利用収賄等の処罰に関する法律案の提案理由を説明させていただきます。
 ただいま議題となりました国会議員の地位利用収賄等の処罰に関する法律案につきまして、発議者を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国会議員は、主権者たる国民から国政に関する厳粛な信託を受け、高度な倫理観・正義感に基づき職務を遂行すべき責務があることは言うまでもありません。国会議員は、特定の個人・団体等一部の利益を代表する者ではなく、国民全体の奉仕者としての責任を負っていることも、また当然であります。
 ところが、ロッキード事件において田中角栄元首相が逮捕されて以来二十数年が経過した今日でも、昨年十月、最高裁判所において藤波元官房長官の受託収賄罪が確定するなど、政治と金銭にまつわる汚職事件は、残念ながら後を絶ちません。
 こうした背景には、支持者に頼まれて役所に口をきくことは政治家本来の仕事であり、その見返りに金品等を受け取っても構わないという政治的な土壌があるように感じられます。
 しかし、口をきいてやる報酬として金品等を受け取るということは、果たして国民に対して正当な行為と説明して納得し得るものと言えるでしょうか。我々は、国家公務員倫理法を制定し、公務員に対して厳しい規制を設けることとしました。政治に対する国民の不信感が増大している現在、政治家もみずから襟を正すことができなければ、政治不信の解消どころか、政治に対する国民の信頼は地に落ちると言うべきであります。
 政治倫理の確立は、議会政治のかなめであり、議会制民主主義の健全な発展になくてはならないものであります。議会制民主主義は、主権者たる国民と国会議員との信頼関係が成立してこそ機能するものであり、失われた国民の信頼を回復することは、まさに議会制民主主義の再生にとって最重要課題であります。
 ところで、国会議員の収賄については、現行刑法の各種収賄罪によって処罰されることとなっております。しかし、刑法の収賄罪は、「職務権限」を要件としており、国会議員の収賄罪の適用に当たっては、その職務権限の不明確さゆえに、処罰することは非常に困難であります。さらに、刑法のあっせん収賄罪については、公務員が「請託を受け」て、他の公務員に職務上「不正な行為」を行わせることをあっせんし、その報酬として金品等の利益を得ること等を罪とするものでありますが、請託の有無についての立証の困難さゆえに、国会議員のあっせん収賄はほとんど起訴されていないのが現状であります。
 そこで、この法律案は、政治倫理の一層の確立を目指し、政治に対する国民の信頼を回復するため、国会議員がその地位を利用して収賄等を行う行為を処罰しようとするものであります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、国会議員が、特定の者に不当に利益を得させる目的で、その地位を利用して他の公務員にその職務行為をするようあっせんし、これにつき、報酬として賄賂を収受し、その要求・約束をし、または第三者に賄賂を供与させ、その供与の要求・約束をしたときは、国会議員地位利用収賄罪として処罰するものとし、その法定刑を三年以下の懲役に処するものとしております。
 第二に、国会議員地位利用収賄罪に係る賄賂については、没収または追徴するものとしております。
 第三に、国会議員地位利用収賄罪に係る賄賂を供与し、その申し込みまたは約束をした者を贈賄罪として処罰するものとし、その法定刑を一年以下の懲役または二百五十万円の罰金に処するものとしております。
 このほか、所要の規定の整備等を行うものとしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 114714024X02220000426_004

発言者: 小川敏夫

speaker_id: 21676

日付: 2000-04-26

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会