本岡昭次の発言 (本会議)

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○本岡昭次君 私は、民主党・新緑風会を代表して、小渕総理の施政方針演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 この百四十七通常国会は、人類の歴史の転換期である二十一世紀を目前にし、その二十一世紀への確かな方向を創造していかなければならない極めて重要な国会であります。しかしながら、政府・与党は衆議院定数削減法案の国会冒頭成立にこだわり、自由党の政権離脱か自自合流かという政治ゲームに狂奔し、国会を機能麻痺に陥れたのであります。
 法案が送付されてきた参議院においても、与党はまさに問答無用と、付託された委員会での審議どころか、法案の趣旨説明もないまま二月二日の本会議に中間報告を求めて与党のみで強行採決し、参議院の自殺行為を行ったのであります。
 一方、総理の施政方針演説、代表質問、予算委員会も出席者は与党だけという前代未聞の国会運営を行いました。これは、自自公という巨大与党をつくり上げた自民党の数のおごりと数の暴力であります。
 さらに看過することができないのは、国会に対する政府の有無を言わさぬ介入であります。
 参議院での採決についても、斎藤議長が異常な形で議事を進めざるを得なかったことはまことに遺憾であり、参議院の独自性を守れなかったことについて、自分の力不足を痛感していると、今回の採決を先例としないという反省を込めての発言もあるように、政府の介入は異常なものでありました。
 青木官房長官が二月二日採決の強い圧力を参議院与党に加えたことは否定できない事実であります。
 憲法第四十一条に明記されているように、国権の最高機関であり国の唯一の立法機関である国会を内閣が支配するような言動は、国会と議会制民主主義を破壊させるファッショ政治そのものであります。政権維持しか眼中にない総理や与党の姿勢こそが国会を機能麻痺させたのであります。小渕総理の政治責任はまことに重大であります。
 かつて細川政権時代、私が政治改革特別委員長として細川総理と官邸でお会いしたこの事実だけをもって、自民党は厳しく責め立て、委員会で私に謝罪を求めた。私は、議会と政府との関係というのはこれほど厳しいものであるということをそのとき痛感しました。しかし、今回のこの政府の国会に対する議会介入、これは何としても私は許すことができないのであります。小渕総理並びに青木官房長官に猛省を促すとともに、その責任をどのように感じておられるのかお聞きしたい。
 またいま一つ、民主主義を危機に陥れようとした二月二日採決とは一体何であったのですか。二月二日以降の採決であればどのような重大な問題がこの国に起こったのでありますか。小渕総理と陣頭指揮された青木官房長官、国民が理解できるように、ここのところを御解明願いたい。
 さらに、総理の施政方針演説も、確固たる理念の裏打ちがなく、単に言葉の遊びと羅列にすぎず、この二〇〇〇年冒頭の改革と創造の歴史的な国会に臨む決意がほとんど伝わってきません。
 今回のたび重なる与党のみのこの単独審議、単独議決の強行によりはっきりしたことは、自自公連立政権は、政策の是非でなく党利党略で動いているということがはっきりしたということであります。
 もともと小渕自自公内閣は一度も選挙の洗礼を受けていないいわば潜り政権と言われても仕方がないのであります。小渕総理は一日も早い解散・総選挙によって国民の信を問うべきであります。総理、堂々と国民に信を問い、そして沖縄サミットの議長をお務めになったらいかがでありますか。
 ところで、小渕総理は一九九八年十月に古川秘書官のドコモ株の取得経緯について国会で追及をされておられます。二百万円であったそのドコモ株が時価二十五億円に大化けしたのであります。小渕総理はそのドコモ株取得について関知、関与していないのか。本当の所有者は総理自身ではないのかと国民は思っております。古川秘書官が名誉毀損で週刊誌を告訴しても、総理の疑惑問題は解決するものではありません。逆に疑惑はますます深くなっていると感じます。国民に明快に説明する義務があります。総理に説明を求めます。
 さて、二十一世紀は解体から創造への新しい世紀だと言われています。
 情報技術革命によって世界が一つになり、個人が大変な力を発揮できる時代がやってくるのであります。グローバリゼーションの大波が押し寄せ、これまで想像できなかった新しい世界が生まれようとしています。日本も個人の能力を最大限に生かす社会への転換が迫られています。そのためには、リスクをとることを恐れずチャレンジし、苦しいことに耐える勇気を持ち、お互いに助け合う共生の社会をつくり上げ、真の能力主義、真の公平を推進していかねばなりません。同時に、あらゆる意味で差別をなくし、教育、雇用、福祉、環境など基本的なものにセーフティーネットを張りめぐらすことが極めて重要な課題となってきました。
 まず、こうした新しい時代への転換について小渕総理の認識を聞いておきたいのであります。
 私は、新しい時代へ転換する力は教育にあると考えています。小渕総理も、国家の基本は人であり、教育は国家百年の大計の礎を築くものと教育改革を重要課題とするお気持ちのようであります。しかし、総理は、施政方針演説の中で教育立国を表明されただけで、それを実現していく教育改革の具体的施策は何もなく、例によって総理お得意の諮問機関、教育改革国民会議へ丸投げであります。このような問題の先送りをしていく小渕総理のもとでは真の教育改革は期待できません。
 私は、一九八六年、通常国会の代表質問で当時の中曽根総理に、いじめ、高校中退などの教育荒廃問題を取り上げ、政治が教育を大切にしないと未来から報復をされますよと訴えたことを思い起こします。今日までのこの十五年間、国の教育政策の無為無策が残念でなりません。
 この四月に東京と沖縄で開催されるG8教育大臣会合のねらいは何でございますか。開催国日本の総理として、教育立国を実現していく教育改革の具体的な施策が提示できないようでは恥ずかしいではありませんか。ぜひとも教育改革の具体策を示し、その教育改革を実現していく決意を披瀝してください。
 私は、新しい時代を担う世代のために、子供、青少年の課題を見据えた教育改革について総理と議論をしたいと思います。総理に教育を政治の最優先課題とする決意がおありなのでしょうか。まずお伺いしたいと思うんです。
 さて、総理も御存じのとおり、昨年のドイツのケルン・サミットにおいて「生涯学習の目的と希望」というケルン憲章が出されました。サミット構成国は、日本を除き、ほぼ共通して教育を国家政策の最優先事項としているようでありますが、その実情を総理にお伺いしたいのであります。
 このケルン憲章の前文には、すべての国が直面する課題は、学習する社会となる来世紀に必要とされる知識、技術、資格を市民が身につけることをどのようにして確保するかである。経済や社会はますます知識に基づくものとなっている。教育と技能は経済的成功、社会における責任、社会的一体感を実現する上で不可欠である。また、来世紀は柔軟性と変化の世紀と定義されるであろう。今日、パスポートとチケットにより人々は世界じゅうどこへでも旅することができる。将来は、流動性へのパスポートは教育と生涯学習となるであろう。この流動性のためのパスポートはすべての人々に提供されなければならない、このように述べているのであります。
 さらに、基本原則には、人々への投資に対する見返りはこれまでになく大きいものであり、また、その必要性はこれまでになく高くなっている。それは、雇用、経済成長、社会的・地域的不平等の縮小のかぎである。来世紀に移行するにつれて、知識へのアクセスは収入と生活の質の決定要因として最も重要なものの一つとなるであろうとしています。
 総理、このケルン憲章は、来るべきグローバリゼーションの時代を私たち日本がどのように生き抜いていくべきかという課題に対し、実に示唆に富んだ提案をしていると私は思います。教育への投資は、雇用、経済成長、社会的・地域的不平等の縮小のかぎと位置づけ、教育こそが社会を改革する力の源泉であり、変化の激しい流動的な社会を切り開く力であるとしているのであります。
 総理、このケルン憲章に対する認識と評価について率直な考えをお聞かせください。
 教育改革の論議は、子供や教育現場が直面している喫緊の課題を十分に認識していなければなりません。復古調の愛国心等を求める与党の短絡的な教育基本法改正などは教育改革にとって有害無益であります。総理の見解を求めます。
 そこで、総理、総理は我が国の子供や青年の四人に一人が無業、不明、中退と推計されることを御存じでしょうか。
 文部省の学校基本調査をもとにした推計によると、一九九〇年三月の中学校卒業生百九十八万人余を一九九七年三月の四年制大学卒業時点まで進学、就職、中退、無業、不明について追跡をしていきますと、無業、不明、中退は百九十八万人中五十四万人と推計されるのであります。簡単に言えば、四人に一人のドロップアウトが生じているということなのであります。これは我が国にとって極めて重大な問題であります。
 就職難の今日でも、比較的求人の高い東京、神奈川でも、高校を卒業して就職する生徒よりも無業者が上回っております。また近年では、若者の自発的失業が増加していることも大きな課題として報告されております。
 我が国が未曾有の超高齢化社会に入りつつある今日、ただでさえ少ない将来を支える子供たちの四人に一人がドロップアウトするとすれば、この国の将来はどうなっていくのか。多くの若年失業者を抱えていた欧米の国々において、教育こそが政治の最優先事項であるとの合意に達したのは、教育こそが社会的セーフティーネットの最も主要なものであるという認識に達したからであります。
 私は、若者の四人に一人がドロップアウトしているかもしれないという我が国社会の大変な現実を直視し、今こそケルン憲章を踏まえ、教育を社会的セーフティーネットとして政治の最優先課題にすべきであります。総理の御所見をお聞かせください。
 問題は、なぜこのようなことになってしまったのかということであります。多くの要因があるでしょう。私は、ここで学びに関する子供の受けとめ方を考えてみたいと思います。
 一九九五年と九九年に我が国も参加した国際教育到達度評価学会の数学・理科教育調査が行われております。我が国は、テストの成績において小中学校ではトップクラスを占めたものの、数学や理科が嫌いと答えた子供の数は最も多く、数学や理科の学習が生活にとって大切であるとか、将来そのような職業につきたいと考えている子供の数も極めて少ないことが明らかになっております。
 日教組の小学校調査でも、四割を超える小学生が算数を嫌いと答えたようであります。また、中学二年生の自宅学習時間は小学生よりも少ないという生活調査もあります。私には、学ぶ意欲が見られない、みずから打ち込んでいかないという教育現場の悲鳴が伝わってきます。受験競争や受験準備教育がもたらした弊害であります。
 確かに、まだ日本が高度経済成長を達成していく途上にあっては、受験というハードルは学びにもインセンティブを与え得たでありましょう。テストの結果がよければいい大学にも入れたし、いい企業にも就職できた。そうすれば生涯豊かで安定した生活が得られた。親がたとえ義務教育だけであっても、子供が受験競争に勝ち残れば上位の所得階層に移ることが可能であった。勉強すれば何とかなるという社会がそこには存在していたのであります。そしてまた、その結果として、学校教育を中心として、受験準備教育が主流をなす世界がつくられていったのであります。
 しかし、現在の子供や青年が直面している社会は違います。親が大企業の幹部であってもリストラのあらしから逃げることはできません。社会的に安定していた米屋、酒屋、本屋といった小売店、中小企業も流通経済の革新の中で倒産していきます。安定したものが揺れ動き、あっという間に奈落の底に落ち込んでいきかねない社会です。年金だって自分たちの世代ではどうなるかわからないといった気持ちも持っております。
 しかし、学校教育の今日の姿は、依然として受験準備教育、それが、お受験と言われるように幼児教育にまで浸透してしまっています。私には、すべての子供や青年が学びからの逃避や職業への忌避を始めているように思えるんです。私が危惧する学びからの逃避や職業への忌避が子供や青年に存在し、それがドロップアウトを加速させているとすれば、日本社会の将来に展望は生まれてきません。高齢化社会を支える力も社会的な合意も形成できません。
 この子供や青年たちについて、総理はどのようにお考えになっているでしょうか。私は、早急に大規模な実態調査を実施すべきだと思います。同時に、ドロップアウトしている子供や青年がその後どのような進路をたどっているのかということも追跡調査をしていくことが極めて重要であると考えます。総理、中曽根文部大臣の所見をお聞かせください。
 これまで日本の学校教育と職業教育のシステムは、学校で基礎、基本を身につけ、実際の職業訓練は企業内教育でというものでした。そのシステムが機能していた時代ではそれでよかった。一九八〇年代に生涯教育が声高に叫ばれても、なお学校教育と職業能力の問題は分離したままであります。
 総理、そして各大臣、先ほど紹介したケルン憲章をどうかじっくりと読んでください。これからの新しい世紀の社会では、知識と技能が重要となり、しかもそれは不断に革新される課題であるとしています。その知識、技能を身につける不断の努力を支援することにより、雇用、経済成長、社会的・地域的不平等を縮小していくことができるというこの明確なる認識が大事なのであります。
 既に欧米諸国では、初等教育の段階から独創性、創造性を重視する教育が実施され、小中高校生を対象としたベンチャー企業家教育も推進されています。日本の政治は、こうした社会的セーフティーネットワークとしての教育の重要性や、学校教育と職業との接続の課題をどのように認識しているのでしょうか。総理、文部大臣の率直な御所見をお聞かせください。
 総理、結局この日本社会は今まで子供たちを大切にしてこなかったのではないでしょうか。
 また、ケルン憲章には、すべての子供にとって、読み、書き、算数、情報通信技術の十分な能力を達成するとともに、社会的技能の発展を可能とする初等教育とその重要性が掲げられています。この質の高い初等教育を担保するのがまさに子供を大切にする社会の存在であり、子供が存在する地域社会づくりであります。
 また、子供が学ぶ学校の施設設備の高度化であります。これから七〇%近い学校が大規模改造ないしは改築に入ってきます。学校を地域の文化の拠点としての複合施設として整備をしていくことも含め、今後の公共事業の重点とすべきであると私は考えます。子供が大切にされる町づくり、学校の高度化について、総理、文部大臣の認識を聞かせてください。
 さらに、質の高い教育実現に不可欠なものに教職員定数改善と三十人以下の小規模学級編制の実施があります。総理も日教組の教育評論に次のような文章を載せております。日教組の教育評論に出されたんです。現行の教職員配置改善計画を完成させ、今後の学級編制や教職員配置のあり方について、二〇〇一年度から新たな施策に着手できるよう検討を進める、このように述べておられます。民主党は既に昨年の通常国会より法案を参議院に提出しています。
 政府は、二〇〇一年四月より新しい教職員定数大幅増員と学級編制基準を三十人以下とする教職員定数法改正法案の今国会提出に踏み切るべきです。そして第七次改善計画を実施することは、総理の熱望する教育改革の絶対条件であります。総理並びに文部大臣の大英断を求めます。
 さらに、受験という鉄鎖から子供を解放し、一人一人の子供が自分の学びの目的をつくり上げることです。民主党は、この問題についても、すべての学校を中高一貫学校にして高校入試を廃止すべきであると主張し、法案を衆議院に提出しております。受験という鉄鎖から子供を解放する中高一貫教育について、総理並びに文部大臣の所見をお聞かせください。
 総理、ケルン憲章は決して難しいことを言っていません。総理の教育立国という国家像実現も、要は政治がいかに教育を大切にするか、未来を担う世代を私たちがいかに大事にしようとするかということで決まると私は考えます。政治の役割は、子供や青年が本当の学びをつくり出すために可能な限りの社会的資源を振り向けることではありませんか。総理の明快な御認識を披露いただきたいと思います。
 さて、二〇〇〇年度の政府予算案は、二十一世紀を目前にし、未来への確かな方向を創造していく予算案とは到底言えないのであります。景気回復を大義名分にした前年度当初比三・八%増、八十四兆九千八百七十一億円で、従来型の公共事業重視の大型予算であります。
 今必要な予算案は、混迷を深める我が国経済社会において、財政規律に十分留意しつつ、産業経済の構造改革を促進するとともに、国民の生活、雇用の安心感を高めるものでなくてはなりません。
 景気回復のための財政刺激策の重点は、政府の従来型の公共投資から民間主導の情報関連などの新規投資の支援や国民の生活水準向上、リストラのセーフティーネットとなる雇用促進に転換していく予算に改めるべきであります。総理の答弁を求めます。
 さらに、この無軌道なばらまき予算案の結果、我が国の財政赤字は悲劇的な域に達しつつあります。戦後最高の総額三十二兆六千百億円の国債発行で、国債依存度は実に三八・四%に達し、国債発行残高は三百六十四兆円となります。
 いかに景気対策優先といっても、小渕政権発足以来、八十三兆五千五百十億円に上る国債の発行に、小渕総理は世界一の借金王になったと自認されております。しかし、国民は、小渕総理は孫のキャッシュカードを使いまくっていると経済危機を心配し、本気に怒っているんです。
 小渕総理にお聞きしたい。このままいけば、二〇〇一年度には国の国債発行残高が四百兆円に達すると言われています。この借金をどのようにして返すのでありますか。
 また、総理は、二〇〇〇年度を循環型社会元年と位置づけ、循環型社会の構築に取り組むと明言されています。
 これまでも、廃棄物処理とリサイクルの間で整合性のない施策が省庁縦割りの権限争いの中で進められ、廃棄物・リサイクル行政は混迷をきわめております。このような場当たり的な対応では循環型社会は実現できません。このままでは、将来の世代に有害廃棄物の山を残すことになり、環境悪化は避けられません。実際の各地で起こっている紛争は、廃棄物の定義を変えるとかリサイクル施設に対する環境関係の規制の強化などの具体的措置を盛り込まない限り解決できません。
 民主党は、廃棄物処理法と再生利用促進法を統合した本格的で総合的な法制度の法案化を検討しております。
 政府は、今回の法改正でどのように具体的な問題解決を目指すのか、答弁を求めます。
 また、農水省は昨年末、農業構造改善事業や山村振興事業などの実施をめぐる接待疑惑で十八人を処分しました。しかし、新たな接待疑惑が発覚して、一月十一日には追加処分を行うという醜態をさらけ出しています。今もなお、その過剰接待が明るみに出ております。調査委員長が構造改善局長という身内の調査ですから、もともとやる気があるとは思えません。
 さらに、構造改善局所管三公益法人に、三十三人を関連企業二十三社が仕事をもらうためと無報酬で出向をさせてもいたのであります。職務に関係する組織的な業者との癒着が否定できない以上、捜査当局に解明をゆだねるべきではなかったか。農家に背を向けた土木傾斜の農業補助金行政が巨額なむだや不正を生み出しているとも言われております。
 農業構造改善局の不祥事により、深刻かつ構造的な汚職体質が露呈した以上、内部調査による内部処分で幕引きはできません。大蔵省の接待汚職では、当時の大蔵大臣、事務次官の辞任にまで発展しております。これは農水大臣の責任が問われる構造改善局の底なし疑惑ではありませんか。また、補助金行政を大幅に圧縮、整理しなければ癒着の根は断ち切れません。総理の見解を求めます。
 次に、茨城県東海村のジェー・シー・オーの臨界事故は原子力安全委員会の限界を明らかにいたしました。国民は、原子力安全行政の抜本的見直しを求めています。しかし、政府の見直しは、原子力安全委員会の事務局を今の科学技術庁から総理府に移し、形の上で独立させて事務局員を増員するという極めて不十分なものです。しかも、安全行政を実質的に担っていくのは、依然として科学技術庁であり通産省の規制部門であるのであります。
 今通常国会に法案提出を決めています民主党案は、原子力安全委員会を今の国家行政組織法八条に基づく諮問機関から三条二項に基づく規制機関に改組して、原子力安全規制委員会とすることにしております。あわせて、科学技術庁と通産省にある規制部門を両省庁から切り離して規制委員会の下に置くことにしています。さらに、総理府の外局として行政庁から独立した委員会にします。
 小渕総理に、原子力安全行政の抜本的な見直しについての所見と、あわせて民主党案に対する見解を伺いたいのであります。
 最後に、多発する自然災害に対する国の責務についてお伺いします。
 我が国は、自然災害列島と言われ、毎年のように台風、大雨を初め地震、噴火などの自然災害により大きな被害を、そして損害を受けております。災害対策特別委員会の大臣所信は、いつも国の責務は災害から国民の生命、財産を守ることというところから始まるのであります。
 しかしながら、国の責務としての被災者への公的支援制度は全く不十分であります。一昨年成立し、画期的と評価される被災者生活再建支援法も、政府提案でなく参議院提案の議員立法であったのであります。災害死亡者への弔慰金法も参議院提案の議員立法であります。このように、政府は、絶えず被災者に対する国の責務を回避してきたのであります。
 去る一月十七日、神戸市で開かれた阪神・淡路大震災五周年犠牲者追悼式典に、小渕総理、斎藤議長が参列されて追悼の辞を述べられました。被災者支援の課題について、総理は必要な施策を継続して講じる決意の披瀝があり、斎藤議長も参議院としての責務に触れられ、私は、地元被災地出身議員としてまことに意を強くした次第であります。
 総理、改めて一・一七犠牲者追悼式典に参加されての御感想をお聞かせください。
 さて、阪神・淡路大震災被災者の実情や、加えて近年、災害救助法適用の大雨や台風による災害が各地で発生している現状から、被災者の住宅再建の公的支援制度や被災者生活再建支援法の見直しを求める国民の願いは切実なものとなっております。
 まず、住宅再建の公的支援制度の法制化であります。
 被災者生活再建支援法の附則第二条には、住宅再建支援のあり方の検討が明記されています。民主党は、この附則第二条に基づき、自然災害による住宅の損失の程度に応じて、国の公的資金と個人の掛金により住宅再建を可能にする新しい支援制度を立法化し、今国会に提案したいと考えております。
 さらに、阪神・淡路大震災の被災者が住宅再建において深刻な負担となっているのが住宅建設資金の二重ローンです。ある民間調査によると、自宅再建者の約四〇%が二重ローンを抱えているとの結果が出ております。二重になるローン返済の負担を減免するための公的措置が何としても必要だと考えます。
 また、被災者生活再建支援法の抜本的な改正であります。
 一九九九年四月から本格的な法律の適用による支援が始まりました。これまで、岩手県、愛知県、広島県、山口県、福岡県、熊本県等、各県七十一市町村の被災世帯が支援金の支給対象となったのであります。しかし、年収制限などで、住宅が全壊した世帯であっても、その四〇%が支給対象から除外されるという不公平な結果も生じております。
 民主党は、支給対象を全壊、半壊と範囲を広め、年収制限も一千万円と拡大する、支援金も最高五百万円とする、財源を国庫負担とするということなどを中心に、今国会で被災者生活再建支援法の抜本改正を行うべきであると考えております。こうした二重ローン問題、住宅再建の公的支援、被災者生活再建支援法の見直し等について、総理並びに国土庁長官の御認識を伺いたいのであります。
 次に、災害危機管理機構の整備強化であります。
 自然災害に対する内閣機能強化を図るために大胆な組織改編を進め、アメリカの連邦緊急事態管理庁、FEMAのように、内閣総理大臣の権限を強化し、緊急即応組織の整備が緊要の課題であります。災害情報危機管理室等を設置し、情報・危機管理に関する機能と権限を集中させ、情報収集・処理並びに緊急災害支援の対応に必要な予算を確保し、危機管理能力を飛躍的に高める必要があります。国民の求める安心システムである危機管理体制の確立について、総理の見解を求めます。
 最後に、阪神・淡路大震災に係る特例措置の継続であります。
 二月二十三日で阪神・淡路大震災復興対策本部が解散します。しかしながら、被災地には継続を必要とする多くの課題が残されています。
 まず、子供の心のケアの問題であります。
 震災が原因で心的外傷後ストレス障害という重い心の傷を負っている児童生徒は、今も四千百人と依然として減少していません。こうした児童生徒の心のケアを担当し、大きな成果を上げている復興担当教員配置の継続が必要であります。
 次に、家賃減免の問題であります。やっと仮設住宅が解消しましたが、復興住宅入居者の六〇%が政令月収二万円以下という低所得で、家賃の七〇%減免を受けております。しかも、世帯主の年齢は六十歳以上が五八%を占め、この家賃減免の国の補助制度の打ち切りは深刻な事態をもたらします。
 さらに、災害援護資金の償還期限の問題もあります。
 兵庫県内の災害援護資金の貸し付けは約千三百億円です。約五万七千人が一人平均約二百三十万円借りています。この財源の三分の二は国の負担であります。ことしから返済が始まります。しかし、自宅や仕事を失い、生活保護世帯が急増しています。生活に窮している年金生活者が目立っている。こうした実情から、何らかの対策を必要とするのではないでしょうか。
 また、被災者向けの災害復興公営住宅では大変な高齢化が進んでいます。兵庫県営でも三六・九%、神戸市営三一・九%、西宮市営四四・二%、芦屋市営五四・七%といった実態で、十六自治体のうち一自治体を除いて三〇%を上回っています。しかも、四世帯に一世帯はひとり暮らしの高齢者です。この高齢者の生活支援として、高齢世帯支援制度による支援員や健康相談に当たる健康アドバイザーなどがつくられております。しかし、これも国の補助金の減額や打ち切りといった見直しの中で重要な問題が起ころうとしております。
 私は、被災者の生活再建と被災地復興に大きな役割を果たしている数々の特例措置の期間延長による継続について、総理並びに青木官房長官、中山国土庁長官、文部大臣より政府の基本的な方針と具体的な対応を示していただきたいのであります。
 震災はだれが起こしたものでもありません。その苦しみをより多く味わわねばならなかったのは高齢者の人々でした。若いころのように働けず、身体も傷み、伴侶と死に別れて、子供も遠くに住む高齢者のことを、あすは我が身のことだと想像できないようであれば、私たちは一体あの大震災から何を学んだと言えるのでありましょうか。
 一・一七阪神・淡路大震災追悼式における小渕総理の追悼の辞は、式典用のその場限りのものであってはなりません。被災者の最後の一人まで政府が支援し、心の復興とあわせて政治の信頼を復興させるのであります。政治の信頼の復興であります。
 小渕総理の答弁を求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114715254X00520000210_007

発言者: 本岡昭次

speaker_id: 10540

日付: 2000-02-10

院: 参議院

会議名: 本会議