森喜朗の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(森喜朗君) 日笠議員から小渕前総理に対しますお見舞いをいただき、また、小渕さんの人柄などについていろいろと思い出を語りながらお話をいただきまして、ありがとうございました。恐らく総理も病床で……(「総理じゃない」と呼ぶ者あり)前総理もどんなに喜んでおられるだろうかと思います。
私もたびたび申し上げておりますように、まさに図らずも前総理の後を受けてこの内閣の責任を負うことになりました。実は昨晩、この本会議場にもお見えになりましたハンガリー大統領の総理主催による晩さん会がございまして、あのハンガリー大統領をお招きして、ハンガリー国として、国賓として最初のお客様でありまして、大変数奇ないろんな、ハンガリー改革のための努力をされた十年間、残された数カ月で御退任になるわけでありますが、ハンガリーと日本との友好、音楽を通じ、いろんな面で極めて深い関係にあるわけです。その大統領がお見えになって、一番そのことを、お招きをすることに熱心だったといいましょうか、力を入れてこられたのは小渕さんでございました。
私は、昨日官邸で、小渕さんがお読みになるであろう歓迎の言葉を読み上げておるうちに、本当に恥ずかしいことながら涙が出てきたんです。小渕さんにこのことをやらせてあげたかったな、どんな思いでいられるのだろうかなとつい思うと、思わず絶句して声が出ませんでした。政治の世界は涙などを入れてはいけないのかもしれませんが、今の日笠さんのお話を聞いて、小渕総理がどんな思いでいらっしゃるのだろうかな。
私は、今この内閣をお預かりする立場で、小渕さんが御自分で組閣された内閣で、そして予算をつくられ、政策をつくられ、法律をつくられて、そして今、大事な予算関連法を御審議いただいているこの国会、私は、小渕さんのお考えどおりこれを受け継いでいくことが当然であろうと考えております。いろんな御批判やいろんなお言葉があることは百も承知をいたしておりますが、今は前総理の思いをしっかりと受けとめて、日笠先生のおっしゃるとおり、しっかりと国家国民のために責任を果たしていくことが私に与えられたことだと考えております。(拍手)
有珠山噴火対策についてのお尋ねがございました。
政府といたしましては、避難されている方々のニーズにきめ細かく、かつ迅速に対応することが必要と考えており、これまでも避難所の生活環境の改善、保健・医療対策、応急仮設住宅の緊急整備への着手、農林水産業、観光業などの生業支援のための資金手当てなど各般の施策を講じてまいりました。今後とも、万全の警戒態勢をとりながら、地元地方公共団体と協力して、政府一丸となって全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
私も、就任いたしましてからできるだけ早い時期に有珠山にお見舞いもしたいし、また関係機関の皆さんを督励したいと思っておりましたが、私個人ではなくて総理という立場で現地に赴きますと、いろいろとまた御迷惑をおかけするのではないかと思って少し慎重に様子を見ておりました。皆さんのいろんな御報告を伺いながら、今の現状を十分に調査しながら、できれば十五日には現地に赴きたい、こう思っております。そして、被災者の方々のお見舞いを申し上げますとともに、関係機関の皆さんの督励も申し上げてきたい。そして、警察や自衛隊を初め多くの皆さんが大変な御努力をされておられます。そういう方々に対しても十分なる感謝を申し上げてきたい、こう思っているところでございます。
中小企業についてのお尋ねでありますが、景気が自律的な回復に向けた動きを見せ始めている中で、中小企業を取り巻く経営環境は、倒産件数の増大などに見られるように依然としてまだ厳しいものがあります。中小企業は、新たな雇用や産業を生み出す担い手、いわば我が国経済のダイナミズムの源泉であり、日本経済の活性化のためにはそのニーズに応じた政策展開が不可欠であると考えております。
特に、小規模企業や個人事業者に対しては、金融対策の充実等に加え、十分な配慮を行うため、身近な地域ごとの支援拠点、地域中小企業支援センターを全国三百カ所程度設置するなどしてきめ細やかな支援を行えるような体制を整備していきたいと考えております。これらの支援拠点におきましては、中小企業者のニーズに応じ、資金調達、環境対応、情報化対応などについての適切な助言を行えるようにしてまいりたいと考えております。
失業率悪化に対する雇用対策についてのお尋ねですが、政府は、一昨年四月以来四度にわたります雇用対策を講じ、これらの対策が雇用失業情勢に一定の下支え効果を発揮しているものと認識をいたしております。
今後とも、政府全体で緊急雇用対策や経済新生対策等を積極的に推進し、国民の雇用不安を払拭するため、雇用対策に万全を期してまいります。
具体的には、厳しい雇用失業情勢の影響を強く受けている中高年の非自発的失業者や学卒未就職者を重点にした雇用対策、中小企業の創業支援や大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用創出対策等を行うことによって、雇用の創出・安定、再就職の促進、能力開発に全力で取り組んでまいります。
日米間の懸案事項となっております東西NTTの事業者間の接続料に関するお尋ねですが、従来から我が国の接続料はWTOルールにも沿った形で定められており、政府としてもその引き下げに積極的かつ主体的に取り組んできたところであります。また、その一層の引き下げを促進するための電気通信事業法の改正法案を今国会に提出し、御審議をお願いしているところでもあります。米国に対しては、国会での御審議を踏まえまして、我が国の考え方について説明を行い、理解を求めるとともに解決に努めていきたいと考えております。
電子政府の実現でありますが、電子政府の実現は、国民等の負担軽減や利便性の向上を図るとともに行政事務の効率化、高度化を推進するものであって、また我が国の社会経済全体の情報化と一体的に取り組むべき緊急な課題だと認識をいたしております。
このため、政府においては、国民等と行政との間の行政手続全般にわたり、インターネットによりペーパーレスで行うことが可能な電子政府の基盤を二〇〇三年度までに構築することとしたところであり、具体的には制度、システムの整備や個別手続のオンライン化について、年次実施計画により可能なものから早期に実行に移してまいりたいと考えております。
また、電子政府の実現のためには、住民に身近な行政機関である地方公共団体における取り組みも不可欠でありまして、地方公共団体との提携を図ってまいりたいと考えております。
税制改革に対する基本的な考え方についてのお尋ねでありますが、税制については、これまでも少子高齢化の進展や国際化などの経済社会の構造変化等に対応して、税制全般にわたる見直しを進めてきたところであります。
税制のあり方については、公的サービスを賄うために十分な税収を確保しつつ、租税の基本原則に基づきながら、今後の少子高齢化の進展など経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえ、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
京都議定書の批准と発効についてのお尋ねですが、我が国といたしましては、二〇〇二年までの議定書発効を目指し、国内で各種温暖化対策措置を実施している一方、関係国による議定書締結を可能なものとするため、気候変動枠組み条約第六回締約国会議に向けた国際交渉に鋭意臨んでおります。また、この国際交渉の進捗状況も踏まえつつ、国民の理解と協力を得て、締結に必要な国内制度に総力で取り組んでまいりたいと存じます。九州・沖縄サミットにおいて地球温暖化を具体的にいかなる形で取り上げるかについては、今般我が国で開催されましたG8環境大臣会合の結果も踏まえ、今後G8間で真剣に協議してまいります。
沖縄に関するさまざまな課題への取り組みについてのお尋ねがございました。米軍施設・区域が集中することに伴う問題につきましては、政府としては、沖縄県の方々の御負担を軽減するため、SACO最終報告の着実な実施に引き続き最大限努力してまいります。また、普天間飛行場の移設・返還に係る諸課題につきましても、昨年末の閣議決定に従い、適切に対処してまいる考えであります。
私といたしましても、九州・沖縄サミットにつきましては、前総理の基本的なお考えと熱意をしっかりと踏襲して、同サミットを成功させるために万全を期したいと考えており、二十一世紀がすべての人々にとってよりすばらしい時代となるという希望を世界の人々が抱けるような、明るく力強いメッセージを発信したいと考えております。
また、私といたしましても、サミットの前に機会を見て、できるだけ早く沖縄を訪問したいと考えております。
国連アジア本部設置につきましては、我が国が国連を重視してきたことを踏まえ、今後、引き続き検討してまいりたいと考えております。
児童手当の抜本改革についてのお尋ねですが、児童手当のあり方については、昨年末の与党合意においては、財源や費用負担のあり方についても総合的に検討することとされており、少子化対策としての効果、税制など他の施策との関連、具体的財源確保の方策などについて十分に留意しながら、今後の与党間の協議や国民的議論を踏まえ検討する必要があると考えております。
アレルギー疾患についてのお尋ねでありますが、アレルギー疾患を有する国民は年々増加傾向にあり、大変憂慮すべき問題と認識をいたしております。
政府としましては、関係省庁が連携をとりながらその対策に取り組んでいるところであります。今後とも、関係省庁が一丸となり、原因や治療についての研究を総合的に推進し、これら研究成果の全国的な普及を図るなど対策の一層の推進に努めてまいります。
介護保険制度についてのお尋ねですが、現場ではまだ新しい制度に十分なれていないと見られる事例もあるものの、基本的には、関係者の懸命な御努力もあって大きな混乱もなく制度をスタートすることができたものと認識しております。
政府としては、今後とも、ゴールドプラン21を踏まえ、必要な介護サービスの確保のための支援を行うとともに、公平公正な要介護認定の実施、ケアマネジャーの養成確保など制度の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
小渕前総理は、教育改革を内閣の最重要課題として取り組まれてこられましたが、私といたしましても、所信表明演説で述べましたとおり、前総理と同じ思いで教育改革に取り組んでまいりたいと考えております。
戦後の教育を振り返れば、我が国経済の発展を支える人材の育成ではすばらしい成果を上げてまいりましたが、他方、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむという点では必ずしも十分ではありませんでした。
私は、教育の目標は学力だけがすぐれた人間を育てることではなくて、創造性豊かな体、徳、知のバランスのとれた立派な人間を育てることにあると考えており、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たしつつ、手を携えて子供たちをはぐくんでいけるよう教育改革に全力で取り組んでいく所存であります。
与党が御提案されました警察改革プランなどに関してお尋ねがありましたが、政府といたしましても、御提言いただいた改革プランや警察刷新会議における御議論等、各方面の御意見を伺いながら、失った国民からの信頼回復を目指し、全力を挙げて警察の刷新改革に取り組んでまいる所存であります。
都道府県警察を情報公開条例の対象とするかどうかにつきましては、各都道府県において判断されるべき事項ではありますが、私としても、情報公開法の趣旨に沿って都道府県警察においても適切な情報公開が推進されることを期待いたしております。
循環型社会形成推進基本法案についてのお尋ねですが、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、環境への負荷の少ない循環型社会を構築することは喫緊の課題であります。
私はこのような認識に立ち、循環型社会構築の基本的な枠組みとなる法案を可及的速やかに今国会に提出すべく政府、与党一体となって取り組んでまいります。(拍手)
─────────────