扇千景の発言 (本会議)

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○扇千景君 私は、森内閣総理大臣が所信を言われましたので、それに対し、いささかの質問を自由民主党・保守党を代表して伺いたいと思います。
 人柄の小渕と言われた小渕内閣前総理大臣が、自自公連立の三党首会談で四月の一日午後六時から、その会談を終えられて約六時間後に体調の変調で入院されたと伺っております。
 ところが、その件に関しまして国会論議では、やれ、うその報告をした、いや、密室で総理を決めたなどなど、国会論議としてまことに非建設的な論議がまかり通っております。我々は、日本人として思いやる心を忘れてしまった人間なんでしょうか。私どもは、そういうことに関しては少なくとも最低限のルールというものを守るべきであろうと思います。
 そして、私はこの壇上から拝見をいたしまして、共産党以外のほとんどの政党会派は一度与党の経験のある方ばかりでございます。まして、その政党の中には、かつての総理大臣を各党の役員にいただいている政党がたくさんございます。野党とはいえ、一度、内閣総理大臣の席に着いたときに、官邸の危機管理ができてないということを重ねて反省すべきであります。その現実が今ここに起こっているわけでございます。
 ですから、私どもはもっと国会議員として、党派を超えてこの官邸の危機管理、国の危機管理に対して議論を闘わすことが私は国会の役目であろうと存じます。まして、密室で総理大臣を決めたということはありません。
 森内閣総理大臣、衆議院では御存じのとおり三百三十五票、参議院では百三十七票と、堂々と国会で選ばれた総理大臣であります。大変失礼ですけれども、お見受けするところ、お体には自信があるようでございます。どうか、私はラグビーのタックルをするような勢いで森政権としてすばらしい成果を残していただきたい。まして、ことしはミレニアムの記念の年でございます。そのときに、第八十五代の総理大臣として立派な業績を残していただきたいことを切に要望しておきます。
 青木官房長官は、四月の二日午前二時以後、各種の報道陣あるいは国会答弁に奔走されております。まさに、四月のこの二日以後の官房長官の女房役としてのお役目そしてその職責の果たし方は、何人分の女房役にも値する立派な姿勢でございます。けれども、私どもはそういう意味で、今回はこの大事な官邸の危機管理ができてないということを、ぜひ官房長官として、内閣の危機管理にこの際、これだけの経験をしたのですから、立派な官邸の危機管理を具体案を出していただいて頑張っていただかなければ、みんながただ責めるだけでは青木官房長官を第二の脳梗塞者にしないかと心配でなりません。
 私どもはそれぞれ、あすは我が身かもしれないんです。みんなで知恵を出して、これをやり遂げていきたいということを官房長官の御意見を聞きながら伺いたいと思います。
 そして、私がこの場に立っておりますときも、北海道では有珠山の噴火によって一万三千人以上の人たちが避難所に生活をしていらっしゃいます。
 八日の土曜日に私は北海道伊達市の三カ所の避難所を慰問してまいりました。けれども、私どもは、その避難所の皆さん方が、苦しい中で、しかも全くプライバシーがないこの避難所の生活の中で、皆さん方のストレスはピークに達しておりました。けれども、その皆さん方がおっしゃる私はありがたいお言葉を聞きました。それは何かといいますと、苦しい避難所の生活の中で多くの方が笑顔を絶やさなかったということと、皆さんが、扇さん、ありがたいんです、北海道を初め北海道庁、そして二十一省庁がこの私たちのために力いっぱいやってくださっていることが、本当に何の不自由もないんです、食べるものも不自由がありません、ありがたいことですということをおっしゃいました。
 私は、そういう意味では皆さん方の精神的なストレスというものはこれからが勝負だと思います。今この壇上に私が立たせていただいているときにも、多くの皆さんは、全くプライバシーのない、段ボールを隔てただけのところで我慢していらっしゃいます。そういう意味で、私は、ぜひこれからの皆さんの御協力と、そして現地に入って伺いましたら、北海道開発庁長官であり運輸大臣の二階大臣が有珠山の周りをヘリコプターで視察をしているときに第一回の水蒸気爆発が起こったということで、現地の人がおっしゃるには、世界の中で大臣が視察中に噴火をしたのはだれも経験がないことだということで、二階大臣はその第一号だということでございました。
 どうかこれは、御自身が北海道開発庁長官としてこれを天命だと思って、地域の災害援助のみならず、北海道全体の経済の落ち込みに対しても万全の対策をとっていただきたいことを心からお願い申し上げ、お考えがあればお聞かせいただきたいと存じます。
 それから、小渕前内閣総理大臣が沖縄サミットに対して熱々たる情熱を傾けていらしたことが、沖縄の皆さん方を初め国民にもその熱意は伝わっております。けれども、今病床にあられて、沖縄サミットに対するお気持ちがいかばかりかと察するに余りあるわけでございます。そういう意味では、森内閣総理大臣としては、この沖縄サミットの前内閣総理大臣小渕総理のお気持ちを察して、そしてその熱意を引き継いで、私は、この沖縄サミットを成功させることこそが何よりも世界に対して日本の政治の安定と国民の秩序ある行動を示す最高の平和外交であろうと存じます。
 どうか、森総理大臣のお気持ちと、外務大臣としての御心情をお聞かせいただければありがたいと思います。
 さて、昨年の通常国会にまず自自連立がスタートいたしました。そして、秋から今度は自自公の三党連立になりました。この成果というものは、皆さん御存じのとおり、中央省庁の再編であるとかあるいは地方分権、情報公開、そして定数削減、国旗・国歌法案、憲法調査会の設置等々、一党ではなし得なかった政策が三党連立によって成果を上げたわけでございます。これは、戦後政治の中ですばらしい成果を初めて上げ得たわけでございます。(拍手)
 ところが、これからまだまだ、有事法制、安全保障、そしてまだ憲法の問題の論議は緒についたばかりでございます。あらゆることが、これから三党の連立の政策合意が残っております。ところが、この政策のスピードが速くないということで、私たちがいただいておりました小沢党首はもっと早く早くやれという御声明でございました。けれども、皆さんも御存じのとおり、私どもは、余り早く早くと言われましても、できないこともございます。例えば、婚約しておりましても、早く式を挙げて早く結婚をと、早く早くと言われるとだんだんと愛情が薄れて信頼が崩れてまいります。私どもは、そういう意味では、何としてもこの政策を実行するためには三党の連立を維持して政策を実行するということを選んだわけでございます。そういうことで、改めて自由党の過半数を上回る国会議員で、小さいけれども保守党を立ち上げたわけでございます。
 私どもは、これからの政策実行、残されたもの以外にも新しい政策の提言をしていきたいと思っております。前進することでございます。そして、今度は保守党として皆さん方とともに三党連立を組んで実行していくわけでございますけれども、その小さな一端を皆さん方に申し上げたいと思います。
 私は五つのかぎを申し上げたいと思います。
 まず第一は家庭のきずなのかぎでございます。第二は社会秩序を守るかぎでございます。第三は国の安全を守るかぎでございます。第四は世界の中の日本を見直すかぎでございます。そして、最後の五つ目は二十一世紀への明るい扉を開くかぎでございます。
 そういう意味で、皆さん方のこの国会の中の論議の中におきましても、家庭のきずな、心のきずなのかぎというものを大事にしなければならないと個々に秘しているものがあるわけでございます。人権を尊重し、親しき仲にも礼儀あり、お互いを思いやる心がなければならない時代がやってきております。
 そして、社会秩序を守るかぎも大事でございます。
 社会生活の中で最低のマナーを守るべきであります。そして、小学校、中学校、高校と、その年代に合ったボランティアを経験して社会人となるべきであります。人間としてあるべき普遍的な道徳を重視して、少なくとも共同体の一員として自覚と責任を持った社会人とならなければなりません。
 国の安全を守るかぎは当然のことでございます。
 五年前の阪神・淡路大震災、あの地下鉄サリン事件以来、日本の安全神話はもろくも崩れ去ったのであります。けれども、私どもは、その神話を回復するためには、今から大きな行動をしなければこの安全神話を復活させることができないわけでございます。
 治にあって乱を忘れず、これは今こそ私どもが安全というものに対して諸施策を実行しなければならないということが国の安全の基本的なことでございます。今の有珠山を見ても、自衛隊があれだけ活躍しているにもかかわらず、憲法の中にその位置づけがないということも大きな問題であります。まして、憲法論議の中で、憲法学者の中でさえ護憲だ論憲だと言って、これは違憲だと言って憲法の解釈一つ学者でさえ意見が違うということが国民にわかろうはずがありません。もっと我々は国民の皆さん方にわかりやすい憲法を新しい二十一世紀につくるべきであると考えております。
 そして、世界の中にある日本の位置というものが果たしてどうあるべきかということもこの沖縄サミットのある年に改めて考えていきたいと思います。
 戦後日本の総決算のときであります。一国平和主義では世界に孤立する日本になってしまいます。私どもは、著しい社会のモラルの低下、あるいは自分勝手なエゴイズムのはんらん、風俗の乱れ、あらゆる自国の悪い面のみを強調する自虐的な歴史教育ではなくて、世界に貢献できる日本人をつくるべきであります。
 明るい二十一世紀の扉をあけるために、日本は資源もなく、世界のどの国にも例を見ないスピードで少子高齢化社会を迎えるわけであります。私たちは、それらをすべてこの自公保の連立政権によって明るい二十一世紀の扉をあける、保守党は小さな政党でも、その大事なかぎの役目を果たしたいということを皆さんにお誓い申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114715254X01520000412_023

発言者: 扇千景

speaker_id: 27625

日付: 2000-04-12

院: 参議院

会議名: 本会議