福島瑞穂の発言 (本会議)
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○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、九八年度決算報告について質問いたします。
その前に、まず森総理の神の国発言に関する記者会見での発言について質問いたします。
そもそも森内閣は正統性の根拠を持たない内閣です。その上、森総理は、神道政治連盟国会議員懇談会において、日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるということを国民の皆さんにしっかりと承知していただくこと、その思いで我々が活動して三十年になったと述べられました。この神の国の神というのは何を指すのでしょうか。キリスト教、仏教、イスラム教は含まれるのでしょうか。
森総理は記者会見で、神の国という表現は特定の宗教について述べたものではございません、我が国には昔からその土地土地の山や川や海などの自然の中に人間を超えるものを見るという考え方があったことを申し上げたものでありますと述べられました。
戦前、国家神道は、宗教ではない、日本古来の伝統であるとして、他の宗教、キリスト教、大本教、創価学会などを弾圧し、認めず、そればかりか、侵略戦争を行っていくための精神的なバックボーンとなっていきました。
森総理は神の国発言を撤回していません。なぜでしょうか。これは総理の失言などでは全くなく、総理の考え方だからです。そして、宗教ではない、日本古来の伝統であるという総理の釈明そのものがまさしく戦前の国家神道の考え方そのものをあらわしています。私たちは国家神道主義者を内閣総理大臣として持つことはできません。即刻退陣していただくしかありません。
神道政治連盟には二百三十人の自民党の国会議員が属しています。綱領は五つあり、「神道の精神を以て、日本国国政の基礎を確立せんことを期す。」というものがあります。日本国憲法下ではなく、大日本帝国憲法下に生きているようだと思います。
そこで、神道政治連盟に入っておらず、総理大臣を経験された宮澤大蔵大臣にお聞きします。
天皇を中心としている神の国の神はいかなる宗教の神を指すのでしょうか。次に、森総理は神の国発言を撤回されませんでした。このことは妥当と思われますか。憲法を大切にすると日ごろから言っていらっしゃる宮澤さんはさぞ不愉快でいらっしゃることだと思います。発言を撤回するかどうかは閣議で議論されたのでしょうか。
次に、米軍への思いやり予算について河野外務大臣にお聞きします。
駐留経費の日本側負担は、日米地位協定に定められていない家族用住宅などの提供施設設備、光熱費、日本人従業員の労務費などを負担するもので、一九七八年に当時の金丸信防衛庁長官が、財政難に苦しむアメリカ側の負担を軽減するために、法的根拠のないまま思いやりの気持ちを持とうと支出し、年々膨らんでいます。思いやり予算は一九九八年度で総額六千三百四十二億円、その内訳は、防衛施設庁予算四千三百九十二億円、その他の省庁三百五十七億円、提供資産借り上げ千五百九十三億円です。ここ数年は六千億円以上で推移しています。
今年度、日本の財政は赤字国債の発行高が税収を上回るという状況で、既に財政破綻状況にあります。六千億円もの予算を他国のために支出する余裕があれば、国内の景気対策、雇用対策に回すべきです。
もともと思いやり予算は日本に財政的な余裕があるという前提で支出することになったものであり、世界経済の中で強いドルを持ちひとり勝ちをしているアメリカのために支出する必然性は全くありません。負担を定めた特別協定は二〇〇一年三月末で期限切れになります。日本政府はアメリカ政府の予算できちんと支出するよう求めるべきではないでしょうか。
次に、護衛艦「さわぎり」艦内での自殺について、瓦防衛庁長官にお聞きします。
九九年十一月八日、海上自衛隊佐世保地方総監部所属の護衛艦「さわぎり」艦内で機関科所属の二十一歳の三等海曹が自殺をしました。遺族からは船上で執拗ないじめがあったことが原因と指摘されていました。
この護衛艦「さわぎり」では、これ以外にも、船上からの行方不明、自殺未遂が続いています。二年足らずの間に自殺を含め四件の不審な事故、自殺未遂が起こっており、「さわぎり」の中で何か根本的な問題が生じていたと考えるのが自然ではないでしょうか。
この三等海曹の自殺に対しては、佐世保地方警務隊が現場検証、事情聴取し、一週間後には海上自衛隊としては異例の調査委員会が設置されました。
調査委員会は、自殺から三カ月後の二月二十一日にいじめはなかったという調査報告書をまとめたと発表しましたが、この内容は当初遺族にすら公開されず、社民党国会議員団の一丸となった追及の結果、五月十五日に公開されるに至りました。しかし、この内容は、多くの疑問、問題点を含んでいます。報告書の結論は、いじめは存在しなかったとし、遺族が指摘した飲酒、かけごとも否定しました。なぜ遺族などの話と全く違うのでしょうか。
さらに、自殺をした三等海曹が遺族に金を着服されたと話をしていたことから、社民党などの調査により、五月二十二日までに上官が学生七十人分の給料の一部を着服していたことも明らかになりました。しかし、防衛庁の調査報告書は一切このような点について触れていません。調査自体に問題があったことは明らかです。
調査委員会は、一体どれぐらい遺族の心情を察し、遺族の話を聞いたのでしょうか。深い反省があるなら、このような不十分で不公正な報告書になるはずはありません。この事件について調査のやり直しが明らかに必要ではないでしょうか。
また、自衛隊内の人権意識確立のためにも、人権啓発教育の制度化と部外者による自衛隊オンブドのようなチェックシステムの設置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
次に、電源開発促進対策特別会計についてお聞きします。
電源開発促進対策特別会計は、電源立地勘定と電源多様化勘定がありますが、このうち電源立地勘定は毎年千億円以上の剰余金を生み出しています。電源立地勘定は、一九九八年度の歳入予算は、税収千五百五十二億円、前年度剰余金受け入れ六百七十四億円で、雑収入を含め二千二百三十六億円の歳入ですが、歳入決算額は二千七百九十七億円と、予算を五百六十一億円も上回ります。毎年、千億円以上の剰余金が生まれています。
この傾向はここ十数年以上続いており、この原因は、最も金額の大きい電源立地交付金や電源立地特別交付金などが予算どおりに執行できていないことにあります。逆に言えば、現実に即した予算が立てられていないのです。
そこで、深谷通産大臣にお聞きします。
通産省は、自然エネルギーの促進をすると言っていらっしゃいます。原子力発電所の立地が進んでいないために、余っているお金を風力、太陽光、バイオマスなどの自然エネルギー促進のために使うことはお考えでしょうか。
さらに、通産大臣にお聞きします。
原子力発電所からの高レベル放射性廃棄物処分法案が提出されています。地下三百メートル以上の深いところに処分するための安全基準すらまだできていないのに、処分することは決めてしまおうという法律です。
まず第一に、諸外国の多くと違い、使用済み燃料を全部再処理するという特異な政策に基づいています。この政策を前提とした法案を見直すつもりはないのでしょうか。
第二に、処分候補地の選定に当たって、地元の同意を必要とするという修正すら認められていません。地元の同意はどうしても必要なのではないでしょうか。
最後に、女性問題担当大臣である青木官房長官にお聞きします。
国の男女共同参画社会を推進するための予算は国の予算額の一〇%と、日本政府が作成した北京行動綱領実施状況に関する質問状への回答には報告されています。しかし、その内訳を見ますと、必ずしも男女が対等に社会づくりに参画するための予算ではありません。二〇〇〇年度の予算のうち、八三%に当たる六兆九千四百二十九億円は高齢者が安心して暮らせる条件整備のための予算であり、七四%が国民年金と厚生年金の国庫負担分です。年金予算も国の男女共同参画推進予算とし、国連に報告をするのは水増しであり、問題ではないでしょうか。答弁をお願いします。
以上で私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕