森喜朗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(森喜朗君) 冒頭、鳩山議員から、さきの総選挙に関しての御指摘がございました。
 自公保三党は、政権の枠組みを明示して選挙に臨み、絶対安定過半数の議席を得ることができ、国民の皆様から連立政権に対する信任をいただいたものと受けとめております。しかし、一方では厳しい評価があるのも事実でありまして、これに謙虚に耳を傾け、その要請にこたえてまいりたいと思います。
 私は、選挙においても、国民の皆様に対し、景気回復に万全を期すとともに、日本新生のために必要な改革を大胆に断行することを訴えてまいりました。国民の皆様からいただいた信任にこたえるため、全力を挙げて国政に取り組んでまいりたいと思います。
 久世氏の任命についてのお尋ねがございました。
 三菱信託銀行関連及び霊友会関連の問題については、金融再生委員長に任命するに当たって、過去の報道で指摘された点につき調査を行いましたが、既にきちんとされているという過去の問題であり、現在は問題がないとの説明があり、そのように承知したものであります。大京関連の問題については、任命時においては必ずしも十分に承知していたわけではありませんでしたが、その後、久世氏本人は、大京関連の資金については久世氏個人に支払われたものではなく、政治資金規正法上の問題ではないと御説明されていると承知をいたしております。
 新内閣の発足に当たりまして、日本新生プランの実現のために適材適所の観点から大臣を任命いたしたところでありますが、結果として辞任をせざるを得ないような大臣を任命したということは、まことに残念なことであり、遺憾であると考えております。また、深く反省するとともに、国民の皆様に率直におわびを申し上げたいと思います。
 今後、金融システムの安定化、我が国経済を自律的回復軌道に乗せていく諸施策、そして日本新生プランの実現など、現在取り組んでいる諸課題に対し、内閣として、これらに一致結束して全力を挙げて取り組んでいくことによって、その責任を果たしていきたいと考えております。
 収支報告書の報告義務についてのお尋ねがありました。
 ただいまお答えをしたとおりであり、繰り返しになりますが、三菱信託銀行関連及び霊友会関連の問題については、既にきちんとされている過去の問題であり、現在は問題がないとの説明であり、そのように承知をしたものであります。また、大京関連の問題については、任命時においては必ずしも十分に承知していたわけではありませんでしたが、その後、久世氏本人は、大京関連の資金については久世氏個人に支払われたものではなく、政治資金規正法上の問題ではないと御説明されていると承知をいたしております。
 農水政務次官を務めていた際の兼職の問題については、任命時には必ずしも承知しているところではありませんでした。久世氏は、当時の農水大臣にみずから御相談され、お許しを得た上のものであったと述べられておりますが、いずれにせよ、厳格な運用を求めた兼職禁止の申し合わせの趣旨にかんがみれば、やはり兼職したことは必ずしも適切ではなかったと考えております。
 久世氏を任命した理由についてお尋ねがありました。
 新内閣の発足に当たりましては、日本新生プランの実現のために適材適所の観点から大臣を任命いたしたところであります。結果としては辞任をせざるを得ないような大臣を任命したということは、まことに残念なことであり、遺憾であると考えており、また、深く反省するとともに、国民の皆様に率直におわびを申し上げたいと思います。
 次に、辞任に至った理由については、久世氏は、内外政の諸課題に内閣が全力で取り組むべきこの時期に、個人に関することがいささかでも金融行政に誤解を与え、その妨げになることは絶対に避けたいとのお考えから、みずから辞表を提出されたと承知いたしております。私としては、久世氏の御判断を重く受けとめ、金融再生委員長をおやめになることはやむを得ないと考え、辞表を受理いたしました。
 次に、任命権者の責任についてのお尋ねでありますが、先ほども申し上げましたように、新内閣の発足に当たっては、日本新生プランの実現のために適材適所の観点から大臣を任命いたしたところでありますが、結果として辞任をせざるを得ないような大臣を任命したということは、まことに残念であり、遺憾であると考えております。国民の皆様に率直におわびを申し上げたいと思います。
 今後、金融システムの安定化、我が国経済を自律的回復軌道に乗せていく諸施策、そして日本新生プランの実現など、現在取り組んでいる諸課題に対し、内閣としては、これらに一致結束をして全力を挙げて取り組んでいくことにより、その責任を果たしていきたいと考えております。
 サミットの評価についての厳しい御意見がございました。
 二十世紀最後の節目の年に行われたサミットとして、世界の直面するさまざまな課題に対しG8がいかに取り組み、また、二十一世紀を平和と希望の世紀にするために何をなすべきか、首脳間で活発で実り多い意見交換を行いました。その議論の結果、沖縄IT憲章や朝鮮半島情勢についての特別声明、G8コミュニケ等を発表いたしました。
 私は、議長としてリーダーシップを発揮するとともに、首脳の議論の取りまとめに努めましたが、御指摘とは逆に、沖縄から明るく力強いメッセージを出すことができた、非常に内容の濃いサミットであると考えております。(拍手)
 鳩山党首から、雑談に終始したという御指摘がございますが、セッションの中をごらんになったわけではないわけでありますし、世評、マスコミ等を恐らく採用されたものだと思いますが、私に対する厳しい批判はあっても私はあえて受けとめますが、雑談は一人でできるものではありません。ともに一緒に語り合ったG8の首脳たちに対して、健全な野党第一党の党首として、御発言はいささか失礼に当たると私は思います。
 サミットで日本経済が話し合われるべきであったとの御意見がありました。
 まず、政府・与党が大胆かつ迅速に取り組んできた広範な政策の効果もあり、我が国経済は緩やかな改善を続けています。ただし、雇用面や個人消費等はなお厳しい状況を脱しておりません。今般、公共事業等予備費の使用を決定したところですが、引き続き景気回復に軸足を置いた経済財政運営を行い、景気を自律的回復軌道に乗せていくよう全力を挙げつつ、我が国経済の動向等を注意深く見ながら、適切に対応してまいります。また、経済構造改革に迅速かつ大胆に取り組んでまいります。
 このような我が国経済運営の基本的考え方については、サミットにおいて私から各国首脳にも報告し、評価をいただいております。
 なお、財政構造改革については、明るい兆しの見えてきた我が国の景気回復を一層確かなものとした上で、財政面にとどまらず、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、税制や社会保障のあり方、中央と地方との関係まで視野に入れて取り組んでまいります。
 対北朝鮮政策についてのお尋ねでありますが、政府の基本方針は、韓米と緊密な連携のもとに、北東アジアの平和と安定に資する形で、第二次大戦後の不正常な関係を正すことです。この方針は終始一貫しており、場当たり外交との御指摘は当たりません。
 御指摘の賠償問題とは、財産及び請求権の問題と考えられますが、これについては国交正常化交渉の中で真剣に議論していく考えであります。
 また、ミサイルや拉致容疑の問題については、まさに正常化交渉その他の対話の場で、解決に向けて粘り強く取り組んでいく方針であります。
 食糧支援については、一般論としては、種々の要素を総合的に勘案しつつ検討すべき問題でございますが、現時点では、これを行う方針を固めたわけではありません。
 インターネット料金の引き下げと、NTT法改正や通信分野における競争促進についてのお尋ねがありましたが、まず、インターネット料金の引き下げについては、政府といたしましても、IT革命を推進していく上で喫緊の課題として取り組んでいるところであり、具体的には、事業者間の競争を促進する環境整備を行い、早期に、一般家庭で支払い可能なインターネット向けの低廉な定額制料金の実現を図りたいと考えております。
 次に、NTTの問題を含む電気通信分野における競争政策のあり方については、最近の電気通信事業を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、IT革命を推進していく上においてその原動力となる電気通信分野における公正競争の推進等を図っていくことが極めて重要であると考えており、こうした観点から、電気通信審議会において今審議を進めていただいております。
 経営者や株主の責任の問題を含むいわゆるそごう問題についてのお尋ねでありますが、そごうの自主的経営判断により民事再生法の適用申請がなされたところであり、今後、こうした法的処理の枠組みの中で経営者や株主の責任も明らかにされていくものと考えております。
 なお、本問題は、経営責任の明確化や意思決定過程の透明性に十分配慮し、国民の理解を求めることの重要性を示したものとして重く受けとめております。今回の問題を教訓に、企業の再建はあくまでも自己責任が原則であり、公的資金を用いた破綻処理の過程で債権放棄は安易に認められるべきではないとの認識のもとに、関係各方面や国民に十分な説明をしつつ、適切な対応を図っていかなければならないと考えております。
 いわゆるそごう問題にかかわる私の対応についてのお尋ねがございました。
 本問題については、国民の皆様からの御批判もあり、また、与党との関係などにおいて説明不足の感も否めなかったので、私としては、亀井政調会長に検討をお願いいたしました。その後、亀井政調会長のアドバイスもあり、そごうは、近時における同社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、また、モラルハザードに対する世の中の厳しい批判も考慮の上、自主的な経営判断として再建計画を断念し、七月十二日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したものと承知をいたしております。
 なお、金融再生委員会は、当時の状況において苦渋の判断を行われたものと考えております。
 瑕疵担保特約についてのお尋ねでありますが、瑕疵担保条項は、現行金融再生法の枠の中で、長銀及び日債銀の速やかな譲渡や国民負担抑制の観点から、民商法の法理を用い、交渉の過程で盛り込まれたものであります。仮にこの瑕疵担保条項がなければ、譲渡候補先が見出せず、国民負担が相当程度増加することが見込まれることから、やむを得ないというものであるというのが金融再生委員会の判断であったと考えております。
 財政再建についてのお尋ねがありました。
 財政についても、その効率化、質的改善が必要なことは言うまでもありません。そのために、私は、十三年度予算編成において、新世紀のスタートにふさわしい予算編成を行うべく、日本新生特別枠を創設するとともに、公共事業全体を抜本的に見直し、省庁統合等による施策の融合化と効率化を進めてまいる所存であります。そして、明るい兆しの見えてきた我が国の景気回復を一層確かなものとした上で、財政面にとどまらず、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、税制や社会保障のあり方、中央と地方との関係まで視野に入れた財政構造改革に取り組んでまいる決意であります。
 公共事業等予備費についての御指摘がありました。
 公共事業等予備費については、景気の下支えに万全を期すため、今般使用を決定したところであります。内容についても、日本新生プランの四分野にも重点的な配分がなされており、ばらまきという御批判は当たらないものと考えております。
 また、十三年度予算編成についても、日本新生特別枠の創設を行うとともに、公共事業全体を抜本的に見直し、省庁統合等による施策の融合化と効率化を進めることとしておりまして、財政の効率化と質的改善に取り組んでまいりたいと思います。
 補正予算についてのお尋ねがありました。
 我が国経済は、これまでの政策運営の効果により、明るい兆しが見え始めてまいりました。政府といたしましては、今般使用を決定いたしました公共事業等予備費を含め、経済の運営に万全を期した十二年度予算の執行などを通じ、景気を自律的回復軌道に乗せていくように全力を尽くしてまいります。補正予算については、例えば四—六月期のQEなど今後の経済の推移をよく見て、必要があれば適時適切に対処してまいりたいと考えております。
 多額の国債発行が長期金利の上昇を招かないかとのお尋ねがありました。
 補正予算については、先ほど申し上げましたとおり、今後の経済の推移をよく見て、必要があれば適時適切な対処をしてまいりたいと考えておりまして、仮に補正予算を編成するといたしましても、補正予算がどの程度の国債の発行を伴うのか、さらにはそれが長期金利にどのような影響を及ぼすかについては、現時点でお答えすることが困難であります。
 中尾元建設大臣の逮捕に関連してのお尋ねがありましたが、私自身、今回の事件については大変遺憾に思っております。
 国民の税金によって賄われる公共事業の執行については厳正に行わなければならないのは当然であり、かりそめにも国民の疑惑を招くようなことがあってはならないということは言うまでもありません。また、政治家の倫理が強く求められている中で、まず一人一人の政治家がみずからの襟を正していくことが大前提であると考えております。本件につきましては、司直の手にゆだねられておりますが、私としても、徹底的な捜査により真相究明が行われるべきものと考えており、重大な関心を持って見守ってまいりたいと考えております。
 また、野党が共同で提出しているいわゆるあっせん利得罪法案についての御質問をいただきました。
 政治倫理の一層の確立を図るための法的措置につきましては、与党三党間においてもプロジェクトチームが発足し、法制化に向けた協議が行われているところでありまして、私としては、各党各会派の間において十分な御議論をいただくことが基本であると考えております。政府といたしましては、その結果を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣扇千景君登壇〕

発言情報

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発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-07-31

院: 衆議院

会議名: 本会議