森喜朗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(森喜朗君) 冒頭、小里議員から、国を取り巻く数々の課題に対応するための指針を示すことが政治の最大の役割であり、そして、今こそ各分野にわたる改革を力強く断行し、すべての国民が夢と自信を持って生涯安心できる社会に向けた勝負のときであるとの御指摘がございました。
 私自身まさにそのような思いで、総理に就任以来、二十一世紀に向けて、日本新生に全力で取り組む決意であると申し上げてまいりました。
 日本新生とは、我が国経済社会全体の構造改革であります。
 新生日本の建設にはさまざまな困難や痛みを伴いますが、私は、国民の皆様と痛みを分かち合い、国民とともに歩み、国民から信頼される政府を信条に、全身全霊を込めて国政に取り組んでいく決意であります。
 いわゆるそごう問題についてのお尋ねでありますが、本問題は、経営責任の明確化や意思決定過程の透明性に十分配慮し国民の理解を求めることの重要性を示したものとして、重く受けとめております。
 今回の問題を教訓に、企業の再建はあくまでも自己責任が原則であり、公的資金を用いた破綻処理の過程で債権放棄は安易に認めるべきではないとの認識のもとに、関係各方面や国民に十分な説明をしつつ、適切な対応を図っていかなければならないと考えております。
 また、瑕疵担保条項につきましては、現行法の枠組みのもとで、速やかな譲渡や国民負担抑制の観点から、民商法の法理を用いて設けられたものであります。
 このたびの金融再生委員長の交代についてのお尋ねがありました。
 新内閣の発足に当たりましては、日本新生プランの実現のために適材適所の観点から大臣を任命いたしたところでございますが、結果として辞任せざるを得ないような大臣を任命したということは、まことに残念であり、そして遺憾であると考えておりまして、深く反省するとともに、国民の皆様に率直におわびを申し上げたいと思います。
 今後、金融システムの安定化、我が国経済を自律的回復軌道に乗せていく諸施策、そして日本新生プランの実現など、現在取り組んでいる諸課題に対し、内閣として、これらに一致結束して全力を挙げて取り組んでいくことによって、その責任を果たしてまいりたいと考えております。
 今後の経済運営についてのお尋ねでありますが、政府・与党が大胆かつ迅速に取り組んできた広範な政策の効果もあり、我が国経済は緩やかな改善を続けております。ただし、雇用面や個人消費などはなお厳しい状況を脱しておりません。
 今般、公共事業等予備費の使用を決定したところでありますが、引き続き、景気回復に軸足を置いた経済財政運営を行い、景気を自律的回復軌道に乗せていくように全力を挙げつつ、我が国経済の動向等を注意深く見ながら適切に対応してまいります。
 また、経済構造改革には、迅速かつ大胆に取り組んでまいります。
 財政の構造改革についてのお尋ねがありました。
 財政についても、その効率化、質的改善が必要なことは言うまでもありません。そのため、私は、十三年度予算編成におきまして、新世紀のスタートにふさわしい予算編成を行うべく、日本新生特別枠を創設するとともに、公共事業全体を抜本的に見直し、省庁統合等による施策の融合化と効率化を進めてまいりたい、このように考えております。
 そして、明るい兆しの見えてまいりました我が国の景気回復を一層確かなものとした上で、財政面にとどまらず、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、税制や社会保障のあり方、中央と地方との関係まで視野に入れて財政構造改革に取り組んでまいる決意であります。
 IT革命についてのお尋ねでありますが、IT革命は、新生経済の起爆剤であるとともに、社会生活そのものを大きく、しかも短期間に変えるものと考えております。IT革命の恩恵を、中小企業や地方の方々はもとより、子供からお年寄りまで享受できるような日本型IT社会を実現するため、IT戦略会議での御議論を踏まえつつ、私自身リーダーシップを発揮し、変革への果敢な挑戦とそのスピードを大切にして取り組んでまいりたいと考えております。
 日本独自のIT国家戦略の策定に当たりましては、実施スケジュールを明確にいたしまして、ITにより国民生活がどのように変わるのかを国民の皆さんの前にお示しいたしたいと考えております。御指摘のとおり、幅広い視野に立った画期的なIT政策の構築が必要であると私自身も考えております。
 教育面での対応については、情報教育を充実するとともに、コンピューターの整備、インターネットの利用促進及び教員研修の実施等を柱とするミレニアムプロジェクトの推進など、教育の情報化を強力に推進してまいります。
 小里議員より、少年法の改正を行うべきだとの御提案とともに、少年犯罪対策についてのお尋ねがありました。
 この問題につきましては、家庭、学校、地域、関係機関等が協力して、社会が一丸となって取り組んでいくことが必要だと考えております。
 現在、重大な非行の前兆段階での的確な対応に努め、悪質な少年犯罪に対しては厳正に対処しているところでありますが、政府といたしましても、少年法の改正も含めて、早急にその防止策の検討を進め、国民的な合意を得ながら適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
 教育問題についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、大人全体の責務として、家庭、地域、学校が連携協力して子供たちの教育に取り組むことが重要であり、政府としては、すべての教育の出発点である家庭教育の支援や道徳教育の充実に努めてまいりたいと存じます。
 また、教育基本法については、制定以来半世紀を経ており、抜本的に見直す必要があると考えております。今後、教育改革国民会議において幅広い議論をさらに深めていただきたいと考えております。
 サミットの成果についてお尋ねがありました。
 G8首脳は、沖縄の地で活発で実りの多い議論を行い、その成果は沖縄から世界に向けて明るく力強い平和へのメッセージとして発表されました。
 特に、二十一世紀の繁栄のかぎを握るITにつき沖縄憲章がまとめられ、国際社会が進むべき道を示され、また、東アジアの安全保障上重要な朝鮮半島情勢につき特別声明が出されたことは、まことに意義深いことであります。
 また、二十一世紀に向け、非G8との連携を強化するとの観点から、サミットに先立ち、開発途上国を代表とする機関、グループの責任ある立場にある国々や国際機関の代表等との会合の機会を設け、非常に意義深い意見交換を行うことができました。
 故小渕前総理は、万感の思いを込めて沖縄開催を決定されました。沖縄県の方々は、G8首脳を大変温かく迎えてくださり、各国首脳は沖縄の温かいもてなしの心に触れ、沖縄の豊かな文化や歴史を目にすることができました。このように沖縄を世界に発信したことが、さまざまな形で沖縄の一層の発展につながる契機となることを期待いたしております。
 中央省庁等改革に取り組む決意についてのお尋ねでありますが、来年一月六日から実施される本改革は、二十一世紀の我が国にふさわしい行政システムを構築する歴史的な改革であり、これからが、新たな形にしっかりと魂を入れていく正念場であります。
 国民のニーズに合った省庁横断的な政策立案や行政運営の実現、情報公開の推進、行政サービスの向上、行政のスリム化等により、改革のメリットが国民にとって確かなものとなるように全力を尽くしていく決意であります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 114905254X00220000731_014

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-07-31

院: 衆議院

会議名: 本会議