森喜朗の発言 (予算委員会)

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○森内閣総理大臣 私ももう三十一年になりますが、初めて昭和四十四年に当選をしてきましたときに、今甘利さんがおっしゃいましたように、毎朝党本部で勉強会が、いわゆる政調の部会、あるいはいろいろな委員会が開かれているのを見て、私のようなまだ一年生議員でも発言することをしっかりと受けとめてくださって、ああ、すばらしいな政党というのは、そういう思いをいたしました。
 ところが、だんだん年々経験を経てきますと、どうもこれは自己満足だったのではないかな、そんな感じが実はするのです。
 それはなぜかというと、やはり議院内閣制にあるわけで、与党という立場で政権を持っておる、政府は政策、法令をつくる、法律をつくる、それを党がこなす。そのために確かに、今甘利さんがおっしゃるように、いろいろな機関で実に丹念に丁寧に議論を経て、最終的に党が総務会で決定をし、国会対策で認めて、初めて政府が閣議に法律を付する、こういう仕組みですから。しかし、その表面に出てくるのは、法律になって閣議に付されてから初めて外に出ることであって、その前の議論というのは案外内なる議論であって、外にはどうも出ていない。
 そんなに自民党というのは朝から晩まで、それはもう最近では八時じゃないのではないでしょうか、七時半、七時なんということもしょっちゅうある。それぐらいの議論をしていることがなかなか外には見えてこないということが、国民の皆さんから見ると、だんだん価値観も多様になってきているし、従来と違って年齢層の幅も広がっていますし、ですから、我々、私は石川県ですが、石川県や、あるいは福井県や新潟県というようなところで農業の問題を一生懸命に議論しても、甘利さんは神奈川県ですから都会の方に入るのかな、伊藤さんなんかになると余りそういうものには興味はないということになる。
 ですから、そういう意味では党の中の議論というのは、確かに何か自己満足をしてしまっていたような、そんな感じがいたします。そういう点は、野党の皆さんというのは自由奔放に批判をできるわけでありますから、その批判をしたことが外に向けて出ていくわけですから、何か野党の皆さんの方が頼りがいがあって、自由民主党はただひたすら守るだけなのかな、そういう印象を国民が受けているということだけはやはり否定でき得ない一面でもあるのかな、こう私は思っています。
 そういう意味で、確かに、こうした謙虚にまじめに議論していることを国民の皆さんにどうやって見ていただけるかということは、私はとても大事なことだ、こう思っておりますので、こういう点については党でも十分議論しなきゃならぬと思っています。
 前回、参議院選挙の後を受けましてから、私幹事長をいたしたわけですが、そのときも、実は都市部で大変厳しい批判を受けた。そして、どうも都市問題には、都市政策はしっかりやっていないんじゃないかというような御批判もあって、確かに都市問題協議会を都市議員の皆さんを中心につくった。今、たしか党の会長は伊藤さんがやっていらっしゃるはずだと思います。
 しかし、では本当にそのときに政策をやらなかったのかというと、都市問題の皆さんがいろいろ議論されたことはかなり具体的にやったでしょう。しかし、都市問題に対していろいろな政策をやったけれども、なかなか都市の皆さんは理解してくれなかったということも事実だと思うのです。では都市の皆さんは何を求めていたのだろうかということを考えると、そこの問題のとらまえ方がやはり少し違っていたのかな、そこは政策的にはもう少し反省しなきゃならぬことだと思っています。
 いずれにしましても、我が党は、おっしゃるとおり若い皆さんから年配の皆さん、経験深い皆さん、いろいろいらっしゃるわけですから、自由奔放にいろいろな議論を積み重ねている、まさに自由と民主主義というものを非常に大事にしている政党だということだけは、国民の皆さんにもう少し理解を得るように努力しなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
 いずれにしても、議論を重ねた上で、国家国民のために一致団結してどう進めていくかということをもう少し大事に考えていかなきゃならぬことだというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-08-02

院: 衆議院

会議名: 予算委員会