宮澤喜一の発言 (予算委員会)

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○宮澤国務大臣 昨年、平成十二年度の予算のつくり方についてこの委員会で御議論があり、また提出いたしました予算について御議論がございました中で、私どもは平成十二年の秋ごろに官需から民需へのバトンタッチが行われるということを期待しておるということを何度か申し上げました。だんだんその時期が参っているわけですが、ことしの一—三月のQEによりますと、民需のうちでいわゆる企業関係、設備投資関係は思ったよりも順調に回復しつつあるし、その後の短観を見ましても、これは大丈夫そうでございます。
 しかし他方で、今も堺屋長官が言われましたが、雇用それから消費ということになりますと、普通でございますと企業活動が家計に移転をするはずでございますけれども、今回はなかなかそこはそう簡単でないように思われる。そのことは、大きなリストラが行われているからでもありますけれども、恐らく我が国の経済社会あるいは産業構造が新しい世紀に向かって大きく変わるのではないか。そのときには、当然ですが雇用構造も変わるということを考えなければならないことは、アメリカを見ておりますと予想ができますので、したがって、もう一つの民需である消費あるいは雇用というものの回復は普通の場合と違うかもしれない。
 このことは、甘利委員が、お互いに閣内におりまして、大変に御苦労なさいましたことを私はよく存じておりますので、申し上げるまでもないことでございますけれども、そういう問題があるかもしれないということは常に心がけておく必要がありまして、数値としては、完全失業率も思ったほど、五%を超えるということではありませんし、有効求人倍率も少しずつはよくなっておりますけれども、労働市場離れみたいな動きも、どうも国民の中には一部あるようである。
 そういうことを考えますと、私自身、あるいは政府としてはもとより、この四—六のQEが九月の上旬ぐらいにはわかる。その中で設備投資はもとより消費、雇用の動きも大変に堅調であるということを期待いたしますけれども、しかし、それは必ずしも楽観していいことでないかもしれない。それは、全体の動きが新しい世紀に向かっての動きになりますので、それを考えておく必要があるという意味でありますが。
 したがって、そういうものを見ながら考えなければならないと思っていますが、何かの方策を講じるとしても、それは今申し上げましたような理由から、同時に、いわゆる新生プランと言われるような情報通信であるとか環境であるとか高齢化であるとか都市政策であるとか、そういったようなものを含めた、前向きと言うと言葉が簡単過ぎますが、そういったようなものを踏まえた上でこの時期を乗り切っていく。乗り切っていくというよりは、そういう政策が、単なる失業対策ではなく、雇用としても、例えばミスマッチであるとか職業訓練であるとか、そういったようなものが求められる。
 そういう状況であるであろうということを考えておりまして、四—六がどう出るかということで大きな判断が分かれるとは存じますけれども、その場合にも、考えておくべきことは、ただの公共事業であるとかいうようなことではなくて、前に向けて何を考えていくかということをいろいろ御相談してまいりたい、こう考えております。

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 2000-08-02

院: 衆議院

会議名: 予算委員会