松本龍の発言 (商工委員会)

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○松本(龍)委員 長いトンネルからほのかな明かりが見えているというふうに言われましたけれども、景気というのも、私は、今大臣がおっしゃったような視点もあるかと思いますけれども、体感温度というのがありますよね。体感景気みたいなのが私にもありまして、どうも、いろいろな方々に会っても、明るさが見えていないというのが実態なんです。
 というのは、例えばこの夏に、自分の近所に遊園地があって、この遊園地は入場料が安いからよく入られるのです。どうですかと聞くと、去年よりも入場者数はふえました、しかし、このしかしが大事なんですけれども、客単価が半分になりましたと。つまり、今まではたくさん物を買ったりしていたのが、隣の子供にも物を買ってやったのが、そういうことをしなくなった、客単価が半分になったというふうに言われました。
 クリーニング屋さんでも、今まで二日に一回出していたワイシャツが三日か四日になる。床屋さんに先週行きましたけれども、今まで二十日で行っていた人は一カ月、一カ月で行っていた人は少し延びてくる。そういった小さな個人消費といいますか、そういう積み重ねが今の景気の落ち込みの実態ではないか。むしろ私は、こういう個人消費の小さな積み重ねが今の落ち込みの原因だということに大きな危機感を抱いています。
 これは何かというと、やはり将来に対する不安だろう。あるいは、我々政治家ですけれども、政治に対する不安や不信などがこの一因になっているのは否めないというふうに思います。我々政治家も、永田町の政局や政争といったものに振り回されないで、やはりこういった体感景気というか、普通の市民の方々の普通の声に耳を傾ける必要があるなというふうに改めて今思っております。
 昨今、モラルハザードということが言われております。しかし、ここ一、二年のいろいろな出来事、事件を見ますと、モラルハザードでは片づけられないものが起きているなというふうに思います。
 というのは、ここはちょっと大事なところですから聞いていただきたいのですが、考古学の研究所の前副理事長が発掘を捏造するという事件がありました。これは今までの事件と違う、自分の仕事、自分の身分、自分の誇りを打ち捨てるような事件でありますよね。例えば、去年のジェー・シー・オーの放射能漏れの事故にしても、あれは、職人はちゃんとしたものをつくらなければならないという基本の基本を全くないがしろにした事件でありました。そして、神奈川県警、去年の秋に事件が起きまして、またことしの春には新潟県警の事件が起きました。管区警察局長と県警本部長が一緒にいながら、九年半ぶりに少女が見つかったのにどちらも動かなかった、こういう事件がありました。雪印の問題にしても、食品管理というのはもう命です、生命線です。それをないがしろにした事件がずっと起こってきています。
 私も政治の世界をいろいろ見てきましたけれども、森総理の北朝鮮の拉致疑惑についての第三国発言がありましたけれども、私は、神の国発言は本人のお考えだから、それほど、選挙中にもほとんど言及はしませんでした。しかし、あの問題は、やはり政治家としての信義といいますか、そういったものに欠けている。
 いわゆる職人かたぎといいますか、さっきも言いましたけれども、自分自身の仕事、自分自身の身分、自分自身の誇りが損なわれるようなことがずっとこの間行われている。そういったハザード、モラルハザードよりもっとひどいハザードが今起きてきて、子供たちの問題、あるいは社会のさまざまな事件に結びついているなというふうに思えて仕方がないのであります。
 そういう意味では、世紀末とはいえ、こういったことをやはりきっちり正していく。私は、ここ二、三年のキーワードは基本だ、基本だというふうにずっと言ってきておりますけれども、やはり戦後頑張ってきた物づくりの基本、職人かたぎをしっかりまた持つ。我々も今この委員会で審議をしておりますけれども、ここが我々の仕事場でありますし、さっきも言ったように、慎重審議をやっていただきたい。あるいは、ここは我々の晴れ舞台ですから、しっかりやっていくのが筋だと思います。
 今まで申し上げたことについてコメントがありましたら、通産大臣、お願いいたします。

発言情報

speech_id: 115004461X00520001108_022

発言者: 松本龍

speaker_id: 7314

日付: 2000-11-08

院: 衆議院

会議名: 商工委員会