木島日出夫の発言 (法務委員会司法制度改革審議会に関する小委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○木島小委員 日本共産党の木島日出夫です。
 きょうは会長と会長代理がお見えですから、司法改革の根本問題についてお聞きしたいと思います。
 なぜ今司法改革が叫ばれ、求められているのか、一言で言ったら、私は、今の日本の裁判所、司法体制全体が国民の期待にこたえられなくなっている、もっと言いますと、国民から遊離しているということにあるんじゃないかと思います。国民の立場によって司法に求めるものはいろいろ違うと思うのですが、基本は、やはり国民にとっては基本的人権をしっかり守ってもらう最後のとりでだ、そういう憲法的な立場だけじゃなくて、個々の国民の権利、民事でも刑事でも、それをしっかり守ってもらえる司法になってもらいたい、それが見えないということが一つだと思うのです。
 経済界の方からも今の司法のあり方では使い勝手が悪いということが指摘されているのも、その一つのあらわれだと思うのです。どちらにウエートを置くかによって姿形が変わってくるので、私どもは二つの潮流があるんじゃないかとも指摘していたんですが、それはともかく、いずれにしろ今の司法が、佐藤会長は静脈を強めるんだとおっしゃられましたが、そのポンプのところが制度疲労を来してしまっているというところにやはり根幹があるのじゃないかと思います。
 私は、その原因として二つ考えているんです。
 一つは、明治以来百年の日本の司法の容量が小さ過ぎる、ポンプが小さ過ぎる。このままじゃ期待にこたえられないのは明らかだ。
 今数字を持っているのですが、例えば裁判官の数、現在、人口十万人に対して日本は二・三人ですよ。ドイツは二十五・六人、アメリカが十一・六人、イギリスが六・〇七人、フランスが八・四人、そういう数字ですね。それから、法曹全体の数でも、出発時の明治二十三年は三千三百五十七人、弁護士が千三百四十五人、裁判官が千五百三十一人に対して、今日、平成十一年で、法曹人口二万二千四百五十五人に対して、裁判官の数がわずかに二千九百四十九人、弁護士が一万七千二百八十三人。こういうところに一つあると思うわけで、その背景、率直に言って、明治以来百年の日本政治が法曹を小さいものに抑え込んできた、そこの徹底的な分析、論議が求められているんじゃないかと思うのです。
 もう一つは、容量が小さいだけじゃなくて、やはり官僚法曹、官僚司法、これが国民から遊離した今の裁判所が形づくられている根本だと思うのです。
 二つの事件だけ挙げますが、一つは、最近京都の裁判官がタクシー運転手を雲助と呼んで判決書に書き込みました。本当に異常な判決すら生まれている。もう一つの例は、仙台の裁判官でしたか、通信傍受法に参加しただけで、それが最高裁から懲戒を受ける。これは一つの突出した例だと思うのです。しかし、こういう例に見られるように、日本の最高裁を頂点とした官僚裁判官体制が硬直化して、国民の期待にこたえられなくなっているんじゃないかと思うのです。
 私は、今回の改革審議会の皆さんの論議が全部情報公開されまして、全部国民の前に明らかになってガラス張りになっている、大変すばらしいことだと思っております。私はあれを全部読んできましたが、そういう根幹部分についての深めた論議が足りないんじゃないか。非常に、言葉は恐縮ですが、論議が薄っぺらじゃないかと思わざるを得ないので、そういう問題について、私の率直な印象です、それを基本にして三つの問題を質問します。
 一つは、法曹人口問題ですが、養成三千人という数字を出してきました。これは入り口の問題なので、出口の論議が足りないんじゃないか。では、今皆さん方は日本の裁判官の数は何人くらいが必要なんだと考えているのか、検察官の数は何人くらいが必要なんだと考えているのか、あるいは弁護士の数は日本社会の中で、このような状況の経済社会の中で何人くらいの弁護士が必要なのか、その出口のところ、幾ら読んでも数字が出てきていないんですね。
 ですから、フランスやアメリカとの対比をさっき私は言いましたが、出口のところでどのくらいの法曹人口が必要なんだということをもっと真剣に数字まで出して論議して、よって入り口のところでは毎年三千人が必要なんだ、そういう論議が必要だと思うので、その出口のところについてどんな論議がなされ、あるいは、会長個人の考えで結構ですが、今の三千人もいない日本の裁判官の数についてどうお考えか、率直にお聞かせいただきたい。
 二つ目は、法曹一元の問題です。先ほどありましたように、「これまでの法曹一元かキャリアシステムかという概念にとらわれることなく、国民が求める裁判官像を描き、」こういうことでおおむね一致した、そして「裁判官の給源の多様化・多元化を図ること。」ということですが、私はこの文章を見まして、「法曹一元かキャリアシステムかという概念にとらわれることなく、」というのは、これが官僚法曹かそうじゃないかの根本問題なので、そこら辺の問題の認識がどうなのかという点が二つ。
 そして……

発言情報

speech_id: 115005227X00120001108_017

発言者: 木島日出夫

speaker_id: 3656

日付: 2000-11-08

院: 衆議院

会議名: 法務委員会司法制度改革審議会に関する小委員会