森喜朗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(森喜朗君) さきのソウルにおきます日英首脳会談での拉致問題に関する私の発言について御質問がございました。
 二十日にソウルで行われた日英首脳会談は、英国として北朝鮮と国交を樹立する方針を固めたことを踏まえ、この機会に私と直接北朝鮮問題について意見を交換しておきたいとの考えから実現したという経緯がございます。
 このような経緯もあって、会談では、ミサイル問題、核問題等の安全保障上の問題を初め、北朝鮮をめぐるさまざまな重要な問題について率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。その中でブレア首相から、北朝鮮との交渉において問題となっている点を教えてほしいとの話があり、私から、拉致問題の二十年来の経緯、御家族の状況や国民の関心の度合いについて説明の上、この問題が我が国と北朝鮮との国交正常化にとって避けて通れない問題であることを詳しく説明をいたしました。
 御指摘の部分は、私が参加した九七年当時の与党訪朝団の際の日朝間のやりとりをブレア首相に紹介した部分に関するものでありますが、これは、北朝鮮側との激しいやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことを説明した中で、訪朝団の副団長である中山議員が一つの解決策として述べられたことを紹介したものであります。
 なお、北朝鮮側とのやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことについては、右与党訪朝団の記者会見において既に一般に明らかにしており、周知のことであります。
 私がこのような話をブレア首相にしたのは、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に日本の立場を十分理解してもらうことが、我が国の対北朝鮮政策上も重要と考えたからであります。
 当然なことながら、拉致問題は我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国民の納得いく形で解決することが不可欠と考えており、引き続き、国交正常化交渉等を通じてこの問題の解決の糸口を見出すべく、粘り強く取り組んでいくことが私の責務であると考えております。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連してのお尋ねがありました。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関しては、現在、同財団前理事長の背任容疑で捜査中であり、また、政治資金に関しては、既に政治資金規正法で収支報告を行うことが義務づけられ、収支報告書は一般に公表されているところであり、私の立場として改めて調査をする必要はないと考えております。
 なお、自由民主党の党費につきましては、党において適切な手続を経て処理されているとの報告を受けております。
 中川官房長官と右翼団体幹部との交友に関連しての御質問がありました。
 本件については後ほど官房長官より答弁があると思いますが、中川官房長官は、国会において、御指摘の人物との交友を否定しており、また、内閣としては、中川官房長官の説明を踏まえて、御指摘の団体とは何らかかわりがないとの答弁書を作成したものであり、その点については何らの問題はないと考えております。
 IT社会の建設と、家庭や社会を大切にする教育との関係についてのお尋ねがありました。
 IT社会の実現は、二十一世紀という時代に合った豊かな国民生活の実現と我が国の競争力の強化を実現するためのかぎであり、社会のあらゆる分野において創造的かつ活力ある発展を可能にするものであります。
 他方、情報化の進展は、個人の孤立化や人間関係の希薄化、自然体験、社会体験の不足などの問題をもたらすおそれもあります。したがって、IT時代にこそ、知識に偏重した教育ではなく全人教育を推進することが必要であり、家庭や社会を大切にする心をはぐくみ、豊かな人間性を育成する教育を十分に行っていくことが重要であると考えております。
 携帯インターネットの端末の無償配布についてのお尋ねでありますが、今般、IT革命の飛躍的推進等に重点を置いた日本新生のための新発展政策を取りまとめたところであります。そこでは、規制改革等法制度の整備、二十一世紀の新たな発展基盤の整備など、時代を先取りした経済構造改革を推進する包括的な政策を盛り込んでおります。
 このように、IT革命の飛躍的推進によって我が国の経済構造改革を行うという基本的な考え方は自由党の提案と同様のものでありますが、その方法については意見を異にするものであります。携帯端末の無償配布というのではなくて、この日本新生のための新発展政策においては、IT社会の基盤となる制度改革を進めるとともに、施設の充実、利用技能の普及、情報の中身の増強の三本柱によって、ITの自律的な発展を確実にするとの考えのもと、学校の情報関連施設や公衆インターネット拠点等の設置の推進、これら情報拠点を積極的に活用したIT利用技能の向上、さらには最高水準の電子政府の早期達成、電子商取引拡大に向けた環境整備等を行ってまいりたいと考えております。
 なお、補正予算は今回のこのような経済対策を踏まえて編成されることから、御提案の施策を補正予算に組み込むことは考えておりません。
 官民の役割分担についてのお尋ねでありますが、高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たり、私は、民間による自由かつ創造的な取り組みが基本的に重要であると考えております。政府の役割は、IT分野における民間の知恵と活力を最大限に引き出すことにあり、そのための環境整備を行うことであると考えており、その旨を本基本法案にも規定しているところであります。
 具体的な施策としては、民間主導の原則のもと、超高速インターネットの整備を図るとともに、インターネットサービスの低廉化や利便性向上を促進することを初め、規制改革等諸制度の見直し、電子商取引の特質に応じた新たなルールや情報化社会の基本ルールの整備、公正かつ有効な競争条件の整備、基礎的、先端的な研究開発の推進などが政府が取り組むべき課題であると考えております。また、自治体を含めた電子政府の実現が、高度情報通信ネットワーク社会への対応を加速する意味で急務であることは言うまでもありません。
 政府の取り組み体制についてのお尋ねでありますが、本法案において、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、内閣に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を置くことといたしました。この本部はすべての国務大臣と民間の有識者により構成され、私が本部長を務めることといたしております。
 内閣に置かれるこの官民合同の本部は、政府としての一元的な取り組みにとどまらず、官民の総力を結集するものであり、IT革命を推進する上で有効なものであると考えております。
 私は、このような体制のもと、内閣を挙げてIT革命を推進していく決意であり、IT担当大臣の任命についても適切に対応してまいりたいと考えております。
 インターネットの普及のための通信料金の引き下げについてのお尋ねでありますが、さらに普及させるためには、なお一層の料金の引き下げを早期に実現することが重要な課題であるということを認識いたしております。
 このため、具体的には、光ファイバー等の新たなインターネットアクセス手段の導入を図ることなどにより通信事業者の新規参入を促進して、事業者間の公正な競争の促進などを通じて料金の引き下げを図ってまいります。
 IT分野の規制緩和と競争促進策についてのお尋ねでありますが、私は、IT革命の推進に当たって、公正な競争の促進とともに、高度情報通信ネットワーク社会の形成を阻害する既存の規制の撤廃、緩和を含めた見直しが不可欠であると認識しており、本基本法案にこの考えを明示しているところであります。
 具体的な施策として、まず、ITの利用の妨げとなるような、民間同士の書面の交付等を義務づけた法律を一括して改正するための法律案を既に今国会に提出したところであります。これに加え、事業者間の競争を促進するための方策として、通信施設の開放のためのルールづくりに取り組むほか、通信と放送の融合に係る規制についても広く検討を進めており、検討の結果については早急に措置していくことといたしております。
 今後とも、IT分野における民間の知恵と活力を最大限に引き出すことができますように、規制改革と競争の促進を積極的に進めてまいる所存であります。
 情報化の負の部分への対応についてのお尋ねでありますが、いわゆる情報化の負の部分としては、ネットワーク上の不法行為やモラルの問題、有害情報のはんらんなどが指摘されております。
 こうした負の部分を克服し、新しい日本を築いていくためにも、学校教育のみならず、家庭や地域社会が連携しつつ、子供たちの社会性を育成するとともに、社会生活上のルールや基本的なモラルに関する倫理観をはぐくみ、社会全体として調和のとれる人間性の育成を図ることが重要であると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕

発言情報

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発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-10-24

院: 衆議院

会議名: 本会議