森喜朗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(森喜朗君) 与党訪朝団の提案についてお尋ねがありました。
訪朝団が北朝鮮側と協議を行った際、問題により発言を分担していましたが、拉致問題については中山副団長から話をされました。その際、中山議員から、団を代表されて、国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成を考える上で重要な問題として拉致問題を取り上げ、その早期解決に向けた建設的な対応を求められました。
北朝鮮側の当初の反応は、拉致は存在しない問題であり、そのような問題を取り上げることは、国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成という訪朝団の趣旨に沿わないというものでありました。
我が方の主張に対し、北朝鮮側は、一度は席を立ったりもいたしましたが、最終的に、中山副団長が示された考え方などから、北朝鮮側は一般の行方不明者としてその調査を行うこととするということで、ようやくまとまったという経緯がございます。
訪朝団として提案をし、合意したのは以上のような内容であり、そのことは、訪朝団としての記者会見でも明らかにいたしているとおりであります。
しかし、御指摘の、拉致被害者が第三国で出現する云々というのは、こうした一連のやりとりの中で、副団長である中山議員から、息子や娘に一刻も早く帰ってきてほしいという家族の切実な心情を説明する意味で、一つの例として、拉致被害者が第三国で出現するという方法もあるということを北朝鮮側に説明されたものであります。また、このようなやりとりをされた中山議員は、訪朝団として帰国された後も、種々の機会に同様な発言をされていることも御承知のとおりであります。
右のような方法については、その後、具体的に政府間の国交正常化交渉において取り上げられたことはございません。
いずれにしましても、政府として特定の決着方針を固めているわけではありません。
さきのソウルにおける日英首脳会談での、拉致問題に関する私の発言の理由及び意味について御質問がありましたが、二十日にソウルで行われた日英首脳会談は、先ほども申し上げましたように、英国として北朝鮮と国交を樹立する方針を固めたことを踏まえ、この機会に私と直接北朝鮮問題について意見交換をしておきたいとの考えから実現したという経緯があります。このような経緯もあって、会談では、ミサイル問題、核問題等の安全保障上の問題を初め、北朝鮮をめぐるさまざまな重要な問題について、率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。
その中で、ブレア首相から、北朝鮮との交渉において問題となっている点を教えてほしいとの話があり、私から、拉致問題の二十年来の経緯、御家族の状況や国民の関心の度合いについても説明の上、この問題が国交正常化にとって避けて通れない問題であることを詳しく説明いたしました。
御指摘の部分は、私が参加した九七年の与党訪朝団の際の日朝間のやりとりをブレア首相に紹介した部分に関するものでありますが、これは、北朝鮮側との激しいやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことを説明した中で、訪朝団の副団長である中山議員が述べられたことを紹介したものであります。
なお、北朝鮮側とのやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことについては、右与党訪朝団の記者会見において既に一般に明らかにしているところであります。
私がこのような話をブレア首相にしたのは、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に十分理解しておいてもらうことが、我が国の対北朝鮮政策上も重要であると考えたからであります。
当然のことながら、拉致問題は、我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国民の納得のいく形で解決することが不可欠と考えており、引き続き国交正常化交渉等を通じてこの問題の解決の糸口を見出すべく、粘り強く取り組んでいくことが私の責務であると考えております。
中川官房長官と右翼団体幹部との交友に関連して御質問がありました。
本件につきましては、後ほど官房長官から答弁があると思いますが、中川官房長官は御指摘の団体とは何らかかわりはないと説明していると承知しており、官房長官からもこのように報告を受けております。
本法案において民主主義的立場を徹底すべきではないかとのお尋ねでありますが、そもそも本法案に規定する高度情報通信ネットワーク社会は、インターネット等を通じて国民が自由かつ安全に多様な情報や知識をグローバルに入手、共有、発信することが可能となる社会であります。また、本法案の基本理念にも掲げておりますとおり、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現を目指しております。
このように、本法案は、国民一人一人の情報の受発信能力が大幅に拡大され、主体的に利用され、これを通じて個々の能力が創造的かつ最大限に発揮されることを目指しており、民主主義の基本に立つものであると考えております。
インターネット等の高度情報通信ネットワークの利用を保障することについてのお尋ねでありますが、本法案では、その基本理念として、すべての国民が、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用する機会を有し、その利用の機会を通じて個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することを規定いたしております。
さらに、こうした基本理念のもと、インターネット等の高度情報通信ネットワークの形成に当たっては民間が主導的役割を担うことを原則とし、政府としては、事業者間の公正な競争の促進や規制の見直し等、民間の活力が十分に発揮されるための環境整備等を中心とした施策に重点的に取り組む旨を、本法案に規定しているところでございます。
身体障害者に係る特例の措置についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、健常者のみならず身体障害者が、ITを活用して社会、経済に積極的に参加することは極めて重要であります。このため、既に、障害者基本法において、電気通信事業者等は障害者の利用の便宜を図らなければならないとする旨の努力規定が設けられております。また、通商産業省、郵政省等関係省庁において、障害者が情報通信機器を容易に利用できるようにするための指針づくり等に取り組んでいるところであります。
本法案においては、こうした政府としての取り組み状況も踏まえながら、身体的な条件等に起因するIT利用機会の不平等、いわゆるデジタルデバイドの是正は、高度情報通信ネットワーク社会を形成していく上で重要な課題であるとして、その是正に積極的に取り組む旨を基本理念として掲げているところであります。今後、こうした基本理念にのっとって、具体的な取り組みを一層充実してまいりたいと考えております。
IT普及に伴う弊害についてのお尋ねがありました。
ITの普及に際しては、御指摘のように、利用の機会等の格差や個人情報の流出等の弊害が生じる懸念があることは十分に承知をいたしております。このような認識のもと、本法案では、高度情報通信ネットワーク社会を定義づけるに当たって、安全をその前提とするとともに、基本理念や施策の基本方針において、利用の機会等の格差の是正、ネットワークの安全性や信頼性の確保、個人情報の保護、新たな事業の創出や就業機会の増大等について規定いたしております。これらに基づいて具体的な施策を講じていくことにより、御懸念の点についても積極的に対応してまいる考えであります。
ITに名をかりた従来型の公共事業予算は改めるべきとの御意見がありました。
道路、河川、下水道等における光ファイバー網は、ITの活用により、公共施設を遠方から監視、操作し、人々に道路情報、洪水情報を迅速かつ的確に提供するため、計画的に整備を進めているものであります。
同時に、民間の電気通信事業者へこれら光ファイバーの収容空間を低コストで提供し、施設の適切な管理とあわせ、高度情報通信ネットワークの早期構築に資するものであります。
公共事業においても、IT革命の推進に寄与する事業を重点的に推進していくことといたしております。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣中川秀直君登壇〕