工藤堅太郎の発言 (本会議)

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○工藤堅太郎君 自由党の工藤堅太郎でございます。
 私は、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま提案されました議院運営委員長藤井孝男君の解任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 まず、自由党の立場から申し上げることをお許しいただきたいと思いますが、これまであらゆる機会を通じて申し上げてまいりましたが、私ども自由党は、民主主義というのは多数決であり、与党がルールにのっとった上で審議をし、与党の多数により採決を行うことは当然であり、これに異を唱えるものではありません。
 しかしながら、それは議会政治のルールにのっとったものでなければならないのが前提であり、その手続を踏むことなしに行われるということがあるならば、それは民主主義の破壊であります。
 参議院の選挙制度については、これまで参議院議長のもとに選挙制度改革協議会が開催をされ、本年二月二十五日の協議会報告書で、与野党一致して結論が出ていた問題であります。
 すなわち、この報告書の結論は、「現行の拘束名簿式比例代表制の仕組みそのものを改めるとなると抜本的な改革となり、その実現は容易でないことから、当面は現行の拘束名簿式比例代表制を維持することを前提として議論を進めることとなった」というものでありました。
 自由党は、平成十年十一月十九日に、当時の小渕自由民主党総裁と、我が党の小沢一郎党首との間に、連立政権を樹立する旨の合意書を取り交わしましたが、そのときにあわせて合意した「いま直ちに実行する政策」には、参議院の議員定数を五十人削減するという合意が含まれていたのであります。
 一たんはそのような合意をいたしましたが、その後、自民党と自由党の参議院の議員代表からそれぞれ、参議院の選挙制度の問題については、参議院議長のもとにある参議院選挙制度改革に関する協議会で与野党が協議を重ねているところであり、その結論を尊重してほしい旨の申し入れがあり、小渕総裁、小沢党首とも、これを当然のこととして受け入れた経緯があったのであります。議会で行われている話し合いのルールにのっとって、一たんは交わした公党間の約束を修正したのであります。その意味で、自由党は、協議会の結論は、最も尊重すべき議会政治のルールにのっとった話し合いの結論だと考えております。
 参議院選挙制度改革に関する協議会がそれほど重いものであったにもかかわらず、しかもこれを百も承知の上で無視して約束を破っておいて、全く別の内容の法案を提出して、協議会はもう開かない、文句があるなら委員会に出て我々の案を審議しろという与党の姿勢は、議会のルールを土足で踏みにじるに等しい行為だと言わなければなりません。(拍手)
 自由党は、今日もなお、参議院選挙制度の問題は、参議院選挙制度改革協議会の報告書を一たん確認し、その上で、各派それぞれ現時点における意見の交換を一定期間精力的に行い、改めてそれぞれの考え方について各派とも精力的に審議を行い、最終的に結論を得るという手順を踏むべきであると考えており、それが議会制民主主義を守る道であると強く主張するものであります。
 しかし、議院運営委員長の藤井孝男君は、この我が党の主張に全く耳を傾けませんでした。
 十月二十日、藤井孝男君は、野党側が公職選挙法改正案の本会議における趣旨説明を強く求めたにもかかわらず、数の力をもってこれを政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会に付託いたしました。与野党そろっての衆議院での審議冒頭にまず行われたのが、藤井孝男君によるこの措置でありました。
 我々は、公職選挙法改正案を本会議で趣旨説明するか否かは、参議院議長が辞任するという事態まで引き起こした不正常な国会運営を不正常と認めこれを正常な形に戻す姿勢が与党側にあるのかないのかという極めて重要な問題が問われているのであること、選挙制度の改正は議会制民主主義の根本であり、国民が国会議員を選挙するルールを改めようとする法案を審議するに当たっては当然のことながら本会議で趣旨説明、質疑が行われるべきものであること、ましてやこの法案は、参議院において選挙制度特別委員会の委員を議長職権を理由に強行指名するという衆参の議会史上初めてという暴挙を行った上で、与党側が強引に特別委員会を設置し、与党だけで一方的に審議を進め、野党抜きで可決して衆議院に送付されたものであり、選挙のルールを定めた法案をこのようにルールを無視して可決したことについて、本会議の場において提案者の意見をただすことは当然のことであると主張したのでありますが、藤井孝男君は、この我が党の意見を無視し、当然のことのように議院運営委員会で採決をし、当然のことのように直ちに特別委員会に付託したのであります。
 こればかりではありません。参議院選挙制度をめぐる与党の暴挙によって国会が不正常な状態になっているのにもかかわらず、藤井委員長は、与党側の意見を入れて、一方的に議院運営委員会を開催し、本来野党を含めた本会議で趣旨説明を求めるべき重要法案であるあっせん利得処罰法案、少年法改正案、健康保険法改正案、医療法改正案、警察法改正案などを野党抜きで本会議にかけ、あるいは本会議質疑を省略して、次々と委員会に強行付託したのであります。
 昨日の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会は、とても正常な状態で行われた採決と言えるものではありませんでした。衆議院での質疑は、参考人に対する質疑を含め、与野党合わせてもわずかに九時間五十分、納得のいく議論をした上で多数をもって採決するならばやむを得ない措置でありますが、これまでの審議は、到底納得のいく質疑時間だったというわけにはいきません。
 過去の例を見ても、衆議院に小選挙区比例代表制を導入する公選法改正案を審議した第百二十八回国会では、衆議院では百二十九時間三十七分の審議が行われており、参議院でも、衆議院の選挙制度のこととはいえ、八十一時間七分の審議時間を確保しております。それを、わずかに九時間五十分であります。
 国民の代表を決める選挙制度、とりわけ選び方の仕組みそのものを変える法案の審議には、幾ら与党といえども、少なくとも常識的な質疑時間を確保することを認めるのが議会政治の当然のありようであります。
 しかるに、この常識に反し、与党の推薦で出席した参考人の方からもさらに審議を深めるべきであるとの意見が述べられ、また、投票用紙の問題、ポスターの問題、立会人の問題等々十分論議することなしに、ましてや野党議員の質問中に突然の特別委員会での強行採決が行われたのであります。
 野党は、当然のことながらこの暴挙に抗議し、直ちに四野党国会対策委員長が議長に対して議案を委員会に差し戻すよう申し入れたのであります。ところが、藤井孝男君は、議長への野党側の重要な申し入れを知りながら、特別委員会で強行採決した案件を再び議院運営委員会の場で強行採決するという、暴挙に暴挙を重ねた、暴挙の上塗りをしたのであります。
 もはや我々は、このような委員長に公正無私であるべき大切な議院運営委員会の委員長としての職責をゆだねてまいるわけにはまいりません。
 政治は国民のものであります。このようなやり方で、民主主義を日本社会に定着させることはできません。私ども野党四党は、自民党を初め与党のこの暴挙に断固抗議し、藤井孝男君の解任決議案の賛成討論を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 115005254X00720001026_011

発言者: 工藤堅太郎

speaker_id: 677

日付: 2000-10-26

院: 衆議院

会議名: 本会議