児玉健次の発言 (本会議)
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○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、選挙制度という国民の参政権にかかわる重要な法案が、まともに審議を尽くさず、法案の内容が十分国民に知らされないまま、与党三党が議会制民主主義を破壊する暴挙に次ぐ暴挙を重ね今強行成立させられようとしていることに、満身の憤りを込めて反対の討論を行います。(拍手)
反対理由の第一は、議会制民主主義を破壊する与党三党のやり方です。
そもそも選挙制度は、主権者である国民が、どのような方法、どのような手段でみずからの代表を選ぶのかを定める、国民の参政権の根本に関する問題であり、国会という議会政治の土俵を決める問題です。この議会制民主主義の根幹にかかわる問題を与党が数の力で一方的に処理するなどということは、断じて許されません。
ところが、与党三党は、参議院における暴挙に続いて衆議院においても、全野党が一致して要求した本会議趣旨説明、質疑を拒否し、一方的に法案の委員会付託を強行し、三日間、わずか十時間弱で審議を打ち切り、委員会採決を強行したのであります。このような与党の数の横暴がまかり通れば、およそ議会政治は成り立ちません。
憲政史上、前例のないルール破りの始まりは、当面は現行の拘束名簿式比例代表制を維持することを前提として議論を進めるという参議院における全会派で確認した合意を与党が一方的に覆し、突如として、議員の定数削減を伴う非拘束名簿式法案を持ち出してきたことにあります。今国会冒頭から、与党だけで一方的に法案審議なるものを推し進め、与党単独では採決しないという斎藤十朗参議院議長を辞任に追い込んでまで参議院通過を図ったものです。このルール破りに、すべての野党が、国会全体の問題として抗議したのは当然であり、国民世論も、与党の横暴を厳しく批判したのであります。
参議院では野党の質疑を一切受けないという異常な状態で衆議院に回ってきた本法案であるからこそ、本院においては、徹底審議で国民にその問題点を明らかにすべきでした。そこにこそ二院制の意義があります。
反対の第二の理由は、自民党が非拘束式を持ち出した唯一最大の根拠が、党名を書く今の制度のままでは自民党には勝ち目がないという党利党略から出発していることです。
また、総選挙直後に問題になった久世金融再生委員会委員長・参議院議員のやみ献金による党費立てかえ問題、自民党の村上正邦参院会長をめぐるKSD疑惑で露呈した自民党の金権腐敗体質を反省するどころか、疑惑解明にふたをして選挙制度にすりかえる暴挙を、国民は決して許しません。
以下、法案に反対する理由を述べます。
与党が持ち出した非拘束名簿式なる制度は、選挙制度として根本的欠陥を持つものです。
審議の過程で明らかになった最大の問題は、有権者が候補者個人の名前を書いて投じた票をその所属政党の得票に読みかえて集計し、議席を配分することです。これによって、タレント候補や有名人が大量得票すれば、それはそっくりその所属政党の得票となり、有権者の意思とは無関係にゼネコンの利益代表や官僚候補に振り分けられ、まさに票が横流しされて、民意が著しくゆがめられるのであります。
候補者名を自書して投じた票をどうして政党の得票と読みかえることができるのか、この核心となる問題について、提案者は最後までまともに答えることができませんでした。提案者が政党を第一義的に選ぶ比例代表制だと幾ら繰り返しても、候補者名を書いて投じた票を政党の得票に読みかえてよいという理由にはなりません。
比例代表制は政党を選択する選挙であり、有権者の政党への支持を鏡のようにそのまま議席に反映する最も民主的な選挙制度です。ところが、候補者名での投票を政党の得票に読みかえたのでは、比例代表制の根幹を全くゆがめてしまいます。
提案者は北欧諸国などで非拘束名簿式が実施されていると言いますが、これらの諸国では投票用紙に印刷された政党名簿への投票を基本とし、候補者順位の選択も可能としているものであって、さまざまなバリエーションはありますが、政党名簿への投票という点は共通しています。与党案のように、投票用紙に候補者の名前を書いて投じた票を無限定に政党の得票に読みかえる比例代表制など、世界のどこにも存在していないことが審議で明らかになりました。(拍手)
三日間の審議で、連座制の適用によってある候補が当選無効となっても、その票の助けをかりて別の候補が繰り上げ当選するという致命的な欠陥が明らかになりました。買収選挙で議席を得た候補者が連座制によって当選無効となっても、横流しされた票は生き続けるというとんでもない事態が生じます。これは個人への投票を政党の得票に読みかえることからくる根本的な欠陥であります。この欠陥をそのままにして法案を強行することは許されません。
非拘束名簿式では選挙運動が候補者中心で行われるであろうことは、個人名得票の多寡によって当落が決まる仕組みから容易に想定されます。ポスターの枚数、宣伝カーの台数、いずれでも、候補者個人用のものが政党のものよりは圧倒的に多量に設定されており、政党よりも候補者個人が選挙運動の前面に出た選挙になることは明らかです。
その結果、名簿登載候補者による党内の順位争いが激化し、旧全国区制の金がかかる弊害が復活するばかりか、業界団体との癒着や利益誘導型選挙を一層横行させるものになることは必至です。
久世問題、KSD事件で自民党の党費立てかえが問題になっていますが、今、自民党は引き続き、比例名簿登載候補者には二万人党員と党費集めを義務づけており、自民党は既に業界代表を第一次公認候補に決定し、走り出しているではありませんか。まさに業界ぐるみの金権選挙が始まっています。断じて容認できません。
最後に、主権者国民は、国会の歴史でかつてない暴挙による参議院選挙制度改悪の強行を決して許さず、来年の参議院選挙において、このような暴挙を繰り返した自民党、公明党、保守党の三党に対して厳しい審判を下すであろうことを確信して、討論を終わります。(拍手)