鳩山由紀夫の発言 (本会議)
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○鳩山由紀夫君 民主党の鳩山由紀夫です。
私は、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合、そして民主党・無所属クラブの四会派を代表し、ただいま議題となりました森内閣不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)
まず、決議案の案文を朗読いたします。
本院は、森内閣を信任せず。
右決議する。
〔拍手〕
以上であります。
我々四会派は、この内閣不信任案につきまして、国民を代表して国会に提出しています。今や、七割をはるかに超える国民の皆さんが、すなわち、本来であるなら自民党や与党を支持しているはずの皆さんも含めて、圧倒的大多数の国民が森内閣は一刻も早く退陣すべきであるとされています。景気も外交もこの内閣のもとでは好転するはずもなく、このような最悪の内閣は二十世紀中に幕を引かない限り、新しい世紀、ミレニアムにおける日本の展望は開けません。(拍手)
森総理、あなたは既に国民から不信任されているのです。国会が国民の代表機関である以上、その務めを果たさねばなりません。国会として国民の意向に従うことを明らかにするのがこの内閣不信任案の意義であることを申し上げておきます。
私たちが国民を代表して本不信任案を提案するに至る理由をこれから申し上げます。
二十一世紀を目前にした今日、我が国は依然として、政治、経済ともに世紀末の混迷から抜け出せず、危機的な状況の中にあります。こうした状況を招いたすべての原因と責任は、自公保連立の森内閣にあります。
森内閣は、その発足の経緯からして疑惑と不信にまみれており、森内閣総理大臣の数々の失言がそれに拍車をかけています。
また、森内閣は、政権発足以来、一貫して低支持率にあえいでいますが、第二次森内閣発足後はその傾向が一段と顕著になり、もはや完全に死に体内閣の様相を呈しています。スキャンダルと疑惑にまみれた中川前官房長官の辞任、そして森内閣総理大臣の日本人拉致疑惑に関する第三国発見案発言など、森内閣をめぐる数々のスキャンダルや、相次ぐ閣僚の辞任、失態が国民の政治に対する不信感を増幅し、さらには我が国外交の権威を完全に失墜させております。
加えて、提出されている二〇〇〇年度第一次補正予算案は、国民の生活再建に役立たないばかりでなく、財政再建とも真っ向から対立する、相も変わらぬばらまき予算案であり、我が国の財政危機を一段と悪化させることになりかねません。
森内閣の存在が、国民に、現在の生活に対する深刻な不安と、見通しのない将来への言いようのない不安感をもたらしています。森内閣の責任は極めて重大であります。よって、本院は、我が国が世紀末の混迷と危機的な状況から脱却し、国民の政治への信頼を回復するため、森内閣を不信任するべきとの結論に至りました。(拍手)
野党第一党の代表として一言申し上げます。
大変残念なことではありますが、森内閣は、誕生そのものから今日まで疑惑にまみれてきたと言っても過言ではありません。小渕前総理が病に倒れる中で、急遽、ほんの一握りの派閥の権力者によって森後継が実質決定されました。私たち野党は、これを密室の中での談合、内閣の私物化と批判いたしました。
今日、自民党の中においても改めてその正統性が問題視されておりますが、森内閣誕生以来、その運営は常に、国民に対して責任を果たし、国民の信頼をかち取る努力を重ねるのではなく、密室の中で談合した仲間たちの顔色をうかがい、いかに自分たちの権益を守るかに主眼が置かれているではありませんか。国民を代表する内閣がこのような状態で、健全な経済は育たず、青少年を初めとする社会の病理が是正されるはずもありません。
そして、誕生以来、森内閣をめぐるスキャンダルは枚挙にいとまがありません。森総理自身の買春疑惑、中川官房長官の右翼との交友及び覚せい剤並びに警察情報漏えいなどの疑惑、また、自民党の比例代表の順位と党員獲得をめぐり、中小企業の保険料が横流し、流用されていたとされるKSD疑惑、森総理は、こうした疑惑を解明しようとするのではなく、一貫して臭い物にふたの態度に終始してきました。
これらの疑惑は、この臨時国会においても何ら解明されておりません。すなわち、自民党を初め公明党、保守党の与党三党が、国会における解明を一貫して妨害し続けているからにほかなりません。国民を恐れ、国民に隠し、国民を欺く、それが森内閣の本質じゃありませんか。
さらに、森内閣が引き起こした数々の失言、とりわけ日本人拉致疑惑に関する一国の総理とも思えぬ無責任かつ不見識きわまりない発言など、森内閣誕生以来の軌跡はまさに恥の上塗りの繰り返しであり、森氏が我が国の内閣総理大臣たる資質を到底持ち得ないことを赤裸々に物語るものです。
その総理欠格者である森氏がなぜ今日まで内閣総理大臣の地位に居座り続けているのでしょうか。それは、連立与党三党、そして自由民主党の主流派の思惑によるものであります。
今、自民党の中でどのようなことがささやかれているのか。報道によれば、自民党の主流派は、不信任案の行方にかかわらず、森さんではもうだめだ、取りかえようと話し合っているというじゃありませんか。すなわち、密室で誕生した森内閣は再び密室の中で葬り去られようとしているのです。
我が国の内閣が、国民とは何らかかわりのないところで、権力の維持に恋々とする一部の人たちによってその生死が決められようとしているときに、国民の代表で構成される国権の最高機関たる国会は何をするべきでしょうか。それは、不信任案の可決によって少なくともこの内閣に終止符を打ち、国会の機能がいまだ壊死していないことを内外に証明することであると確信いたします。
森内閣は、スキャンダルや失言だけが致命傷なのではありません。国民が森内閣を支持しない本質は、自民党政治の、それを忠実に守る森内閣の政策の失敗にあります。景気対策、景気対策と言いながら、借金の垂れ流しと相変わらずの公共事業の繰り返しであり、経済の構造改革と財政再建は一向に進みません。福祉や教育も矛盾は拡大する一方と言わざるを得ず、あっせん利得処罰法も与党案は不十分なものであり、政治家や官僚の腐敗も是正される抜本策は示されておりません。
自民党に対する批判は強まる一方であり、選挙における自民党への支持は右肩下がりに終始しています。その政策的失敗を反省することなく、与党の皆さんがごり押ししたのは参議院選挙制度の改悪であります。国民の支持が得られないのなら、それでも国民をだまし、各種団体を恫喝し、締め上げ、多数を維持できる選挙制度にしようとして生まれたのが非拘束名簿式選挙制度ではありませんか。国民を軽視し、侮辱する、与党というには余りにも情けない姿勢ではないでしょうか。到底信任するに値しない内閣と言わざるを得ません。(拍手)
森総理、一言で言えば、あなたから何のメッセージも伝わってこないのです。日本新生とは口先ばかりで、この国難に遭遇して、日本社会を、日本経済を、そして日本外交をどんな理念で導こうとされておられるのか、全く見えてこないではありませんか。日本に今こそ強いリーダーシップが求められているときに、姿を隠そうとばかりされている内閣では、信任できるはずがないではありませんか。
自民党内では、この内閣不信任案に賛成するか反対するか、主流、非主流の皆さんが口角泡を飛ばして議論されてこられたと伺っておりました。国民の皆さんから見れば、実につまらないコップの中のあらしではないでしょうか。こんな内閣を守る価値をどこに見出すのですか。主流派の人たちでさえ自分たちで近々幕引きをしようと考え、森内閣を継続させようと本気で思っている人はほとんどいないというのが実情と伺っています。
では、いかなる選択が本当に価値ある選択なのか。それは、この不信任を自民党の中の単なる権力争い、政権のたらい回しの新たな序幕と考えるのではなく、新たな政治改革、一九九三年の政治改革の第二幕と位置づけることです。野党提出の不信任案は過去四回可決されているとのことです。この議場におられる同僚議員お一人お一人が、国民に対して政治家としての責任を果たされることを心から期待いたします。
自民党以外の与党の皆さんは、今日の事態をいかが考えておられるのでしょうか。自民党だけが内閣に責任を持ち、総理を出す権利を有するわけではないでしょう。公明党の皆さんは森総理で本当によいと思っておられるのですか。みずからもスキャンダルの数々に汚れていると連帯責任を表明されるのでしょうか。皆さんが本当に三党連立が正しいと確信をするなら、公明党みずからが森総理に対し退陣を促し、国民の声にこたえる責任感を示すべきではありませんか。公明党、保守党の皆さんは、このスキャンダルと失政に埋もれた内閣、連立政権のどこを守るべきであると国民の皆さんに説明できるのですか。
私は、この不信任案が可決されることを確信しております。この不信任案がもし可決されないとするなら、それは国会と国民の意思が乖離していることを示すことにほかなりません。そして、不信任案が可決されるなら、連立与党は直ちに衆議院を解散し、改めて国民に信を問うべきであります。(拍手)
私たち野党四会派は、自民党政治を終わらせるという歴史的大事業を達成するために全力を挙げることを決意し、本不信任決議案を提案いたしました。国民は、自己改革もできない自民党利権政治にかわる新しい政治の実現を求めています。改革のうねりは数年前から始まったものですが、今そのうねりが大きな節目を迎えています。皆さん、この二十世紀から二十一世紀への歴史の転換点において、政治改革の流れを確かなものにする事業に参加しようではありませんか。
改めて、本決議案に多くの議員が賛同され、速やかに可決いただくようお願いをし、提案を終わります。(拍手)
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