森喜朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(森喜朗君) 被災者の生活再建に対する支援体制が不十分であるという御指摘とあわせて、被災者生活再建支援法の改正について御質問をいただきました。
 被災者への支援策といたしまして、災害救助法の適用による生活必需品の無償給与、長期低利の融資など、被災者の要望を踏まえ、関係公共団体等と連携をとりながら全力で取り組んでおります。
 支援法の改正につきましては、同法が六党の共同提案により成立し、昨年四月から運用を開始したところであることから、現行制度を円滑かつ適切に運用し、実績を積み重ねることが重要であると認識をいたしております。その上で、問題点等があれば御議論いただければと考えております。
 政府といたしましては、被災者の生活再建支援のため、今後とも関係公共団体と一層緊密な連携をとりつつ万全の対応を期してまいる所存でございます。
 安保理改革についてお尋ねがありました。
 私としては、日本のことをイの一番に訴えるというよりは、多くの国が受け入れ可能な点について支持を得るため、事前に百六十四カ国の首脳に親書を発出して協力を求めました。実際、ミレニアム・サミットでは、限られた演説時間の中で約百カ国が改革の必要性に、そのうち三十四カ国が常任・非常任議席双方の拡大の必要性に言及するという流れが出てきたと思います。このように、多くの国と手を携えて改革実現のために努力をさらに強化してまいりたいと考えております。
 あっせん利得罪処罰の判定について御質問をいただきました。
 政治倫理の一層の確立のためには、まず何よりも政治家一人一人の自覚が大切であると考えますが、政治資金にまつわる事件が発生し、議員御指摘のとおり、国民の政治不信が深まっていることはまことに遺憾であります。
 こうした中、与党三党間において法制化に向け大変熱心に御議論をいただき、与党案としてまとめていただきました。その内容につきましては、構成要件の明確化、処罰対象の拡大等に十分配慮されたものと承知をいたしております。政治に対する国民の信頼を高めるためにも、十分に御議論の上、ぜひとも今国会中に成立せられることを期待いたしております。
 参議院選挙制度改革のお尋ねがありました。
 参議院選挙制度につきましては、昭和五十七年に現行の拘束名簿式比例代表選挙が導入された後も制度改革についてさまざまな議論が行われてきたところであります。
 選挙制度には一長一短がありますが、現行の拘束名簿方式は政党主体の選挙を目指すものでありますが、一方で有権者がどの候補者を当選させたいのかという意思表示ができず、候補者の顔が見えずに選挙に対する関心が高まりにくいという問題点が指摘されております。
 これに対して非拘束名簿方式は、白浜議員御指摘のとおり、有権者が候補者を選択でき、有権者の意思がより明確に反映されるなどの長所があると言われております。
 参議院選挙制度改革は議会政治の根幹にかかわる重要問題であり、国民が政治に関心を持ち、また政治が国民から信頼されるような選挙制度を目指し、各党、会派の間で精力的に議論していただきたいと考えております。
 永住外国人地方参政権付与法案についてお尋ねがありました。
 この問題につきましては、七月五日、公明党・保守党案と民主党案の二法案が国会に提出されているところでありますが、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題でもあり、賛成論から反対論までさまざまな意見があり、真剣に今議論が行われておりますことから、各党、各会派における国会等での御議論を進めていただきたいと考えております。
 補正予算における重点分野についてお尋ねがありました。
 補正予算の編成に当たりましては、御指摘のとおり、将来に対して真に国民に必要な事業に重点を置いていきたいと考えております。具体的には、我が国の経済を新時代にふさわしい構造に改革し、二十一世紀における新たなる発展を確実にするように、先ほど白浜議員が御指摘のとおり、重要四分野を軸として日本新生プランの具体化策等を中心に盛り込んでいくことといたしております。これらの施策により、新しい産業が育っていく環境を整えるなど我が国経済の再構築を進めるとともに、民需中心の自律的回復に向けた動きをより確かなものとしてまいりたいと考えております。
 最近の原油価格の動向についてのお尋ねでありましたが、今月二十二日の米国による戦略石油備蓄放出の決定を受けて低下しておりますものの、引き続きその動向を注意深く見ていく必要があります。
 万一の場合の対処につき、現時点では、我が国を含むIEA加盟国等は、協調して備蓄を放出する必要があるとは考えておりません。しかし、今後、供給支障が生じる等、石油備蓄の放出を行う必要が生じた場合には、IEAを含む国際的な議論を踏まえ、我が国としても速やかに対応してまいりたいと考えております。
 原油価格の高騰は世界経済に悪影響を与える可能性があると考えており、この点につき、先般のG7蔵相会議におきましても確認されているところであります。今後の対応策につきましては、十月四日にIEA臨時理事会が開催される方向と聞いておりますが、こうしたIEA、またAPEC等の国際的な場を活用しつつ、油価の安定の重要性についての認識の共有、消費国における省エネとエネルギー源多様化に向けた協力等に取り組むとともに、産消対話の場等を通じた産油国への働きかけを行ってまいります。
 青少年の健全育成という観点から少年法の改正について御質問いただきました。
 昨今、少年による凶悪な犯罪が多発するなど、最近の少年非行情勢は厳しい局面が続いており、極めて憂慮すべき状況にあると認識いたしております。
 深刻化する少年犯罪に対処するために、与党三党において大変精力的に御議論いただき、間もなく改正案が提出されると承知をいたしております。今次改正案には、刑事処分適用可能年齢の引き下げあるいは被害者への配慮など多くの事項が盛り込まれるものと承知しておりますが、いずれも極めて重要な課題であると考えております。
 青少年の健全育成についてお尋ねがありました。
 私は、二十一世紀の日本を支える青少年が人間性豊かで創造性に富む立派な人間として成長することこそが重要であり、そのためには、青少年を取り巻く社会そのものが青少年の健全な成長を支えるものであるべきと考えております。
 こうした二十一世紀の教育のあり方について、国民各界各層の皆様に教育の根本にまでさかのぼった幅広い議論をしていただくため教育改革国民会議を設け、熱心に御議論をいただいているところであります。
 また、議員御指摘のとおり、青少年の健全育成には、学校を中心とした取り組みに加え、地域における体験学習や社会参加活動の推進など、総合的観点からさまざまな手だてを講ずることが肝要であります。
 このため、政府では、スクールカウンセラーの配置、学校評議員制度の導入など学校を中心とした取り組みを進めるとともに、地域において青少年にさまざまな生活体験や自然体験ができる機会と場を提供し、青少年が豊かな人間性をはぐくむことができるよう各種施策を積極的に展開しております。
 今後とも、青少年の健全育成を図るため、全力を挙げてさまざまな施策に取り組んでまいる所存であります。
 名誉毀損に対する懲罰的な損害賠償についてお尋ねであります。
 個人といたしましては、白浜議員のお考えと私は同じ考えを持つものでありますが、政府といたしましては、こうした制度につきましては、加害者に対する制裁としての刑事責任と損害の補てんを目的とする民事責任との区別を混同することにならないだろうか、乱訴のおそれがないかなどの問題があり、その導入に関しましては、関係各方面での十分なる検討の状況をも見ながら、慎重に考えていくべきものであると考えております。
 高齢者の介護保険料の徴収についてのお尋ねがありました。
 政府としては、十月からの保険料徴収の開始に向け、介護を国民皆で支え合うという制度の趣旨や保険料の必要性について、さらに国民の方々の御理解をいただくことが必要と考えており、さまざまな広報を実施することといたしております。
 また、今後とも、現場などからの御意見も踏まえ、必要な改善策を検討し、介護保険をよりよい制度に育てていきたいと考えております。
 日ソ共同宣言の解釈についてのお尋ねでありますが、先般の日ロ首脳会談におきましても、一九五六年の日ソ共同宣言が双方が依拠すべき両国間の諸合意に含まれていることが明確に確認をされております。日ロ間に認識の相違はありません。ただし、仮にロシア側として議論したい問題があるのであれば、今後の協議において取り上げられる可能性を排除するものではないと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115015254X00320000927_003

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-09-27

院: 参議院

会議名: 本会議