森喜朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(森喜朗君) 初めに、昨日の本会議での参議院選挙制度に関する質問に対する私の答弁に事実誤認があるとの御指摘がございました。
 午前中、阿部議員に対してお答えを申し上げたところでありますが、本年二月に取りまとめられました参議院選挙制度改革に関する協議会の報告書においては、「参議院の在るべき役割に適合した選挙制度の改革の検討が必要であるというのが一致した意見であった。」とされたものと承知しております。
 また、当面の改革についての検討の中では、現行の拘束名簿式と非拘束名簿式のおのおのについて長所と短所が指摘されており、非拘束名簿式そのものが否定されているわけではないと承知いたしております。
 昨日、北澤議員に対して、非拘束名簿方式については、問題はあるが、これは否定はしていないというふうに私は報告を受けたと答弁いたしましたのは、このことを申し上げたのでありまして、事実誤認があるとの御指摘は当たらないものと考えます。
 なお、協議会報告では、現行の拘束名簿式の仕組みそのものを改める抜本改革の実現は容易でないとしていますが、その後、国民に対し責任を負うべき与党として来年の通常選挙を控え、参議院選挙制度の改革をこれ以上先延ばしせず、これに正面から取り組まなければならないと判断したものと承知いたしております。
 いずれにいたしましても、参議院選挙制度改革につきましては、議会政治の根幹にかかわる問題であり、各党、会派の間で精力的に議論していただきたいと考えております。
 南北首脳会談についてお尋ねがありました。
 約半世紀に及ぶ分断を経て南北の首脳が直接意見交換を行ったことは歴史的意義を有するものであり、それに加え、南北の首脳自身が史上初めて文書に署名したことは画期的なことと考えます。
 政府としては、南北間の対話が継続、進展し、朝鮮半島の緊張緩和につながることを強く期待をいたしており、こうした前向きな動きを後押しするために、先般の沖縄におけるG8会合におきましても、私がイニシアチブをとって朝鮮半島に関する特別声明を発出したところであります。
 いわゆるならず者国家との呼び方についてのお尋ねがありました。
 米国が北朝鮮をどのように呼んでいるかについて我が国政府として云々することは差し控えたいと考えますが、いずれにせよ、現在は米国も北朝鮮をならず者国家と呼んでいないものと承知しております。なお、私も政府も北朝鮮をならず者と呼んだことはございません。
 京義線鉄道の連結に対する我が国の支援についてのお尋ねでありますが、京義線連結事業についてはまだ起工式が行われたばかりであり、その取り進めぶり等については今後南北間で種々検討されていくものと承知しております。そのような段階でもあり、現時点で我が国の支援等につき云々することは差し控えたいと考えます。
 いずれにせよ、政府としては、我が国の北朝鮮への経済協力は国交正常化交渉の妥結が前提となるとの立場を従来から一貫してとってきており、現時点においてこの立場を変更することは慎重たるべきと考えます。
 北朝鮮を国家承認すべきとの御意見ですが、政府としては、この問題は日朝国交正常化交渉のプロセスの中で諸般の事情を考慮しつつ検討されるべき課題と考えます。他方、正常化交渉は本年四月に約七年半ぶりに再開されたばかりであり、まだ本格的な議論に入っておらず、北朝鮮の国家承認について特定の方針は固めておりません。
 日朝関係の進め方についてお尋ねがありました。
 政府としては、日朝間の懸案や国際的な懸念がすべて解決されなければならない、正常化交渉の進展を図るべきではないといった、交渉の入り口に石を置くような考えをとるものではありません。他方、これらの諸懸案は国交正常化のためには避けて通れない問題であると認識いたしており、国交正常化交渉第十回本会談においても先方にその旨説明いたしました。
 今後とも、政府としては、国交正常化交渉を進展させる中で、これらの問題の解決に向けて粘り強く取り組んでいく方針であります。
 コーエン国防長官との会談の際の私の発言の真意についてお尋ねがありました。
 この会談の際に、話題が東アジア情勢に及んだ際、私は、我が国は憲法のもと専守防衛政策に徹しており、米軍は韓国、中国等日本の近隣諸国からも地域の安定的要素として受けとめられているとの趣旨を述べました。私は、在日米軍の存在に関連し、いわゆる瓶のふたの役割については言及いたしておりません。日本国憲法のもと専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないということは我が国の基本理念であり、このことは従来より繰り返し明らかにしているところであります。
 いわゆる瓶のふた論と沖縄の米軍施設・区域の問題との関連についてお尋ねがありましたが、既に申し上げましたとおり、私は、在日米軍の存在に関連し、いわゆる瓶のふたの役割については言及いたしておりません。
 我が国の平和と安全のため、沖縄県民の方々にさまざまな御負担をおかけしていることは私たちも十分認識しております。こうした御負担を軽減するため、政府としては、先般のサミットの際の日米首脳会談でも一致したとおり、今後ともSACO最終報告の着実な実施に最大限努力してまいります。
 普天間飛行場の移設についてお尋ねがありました。
 政府としては、同飛行場が市街地の中にあり、一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいとの考えから、全力で取り組んできているところであります。
 御指摘の使用期限の問題につきましては、昨年末の閣議決定にあるとおり、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しておりますが、稲嶺沖縄県知事及び岸本名護市長から要請がなされたことを重く受けとめ、これを私からサミットの際の日米首脳会談においてクリントン大統領に対し取り上げたことに続き、先般の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2におきましても、河野外務大臣及び虎島防衛庁長官より取り上げましたところ、コーエン国防長官より、使用期限の問題については一九九六年の日米安保共同宣言に従って対応することが必要であるとの発言があったと承知いたしております。
 これらを踏まえ、政府としては、普天間飛行場の移設が早期に実現するように引き続き全力で取り組みながら、使用期限の問題につきましても、今後とも昨年末の閣議決定に従い適切に対処してまいる考えでありまして、あわせて国際情勢が肯定的に変化するように外交努力を積み重ねてまいりたいと考えております。
 朝鮮半島と普天間飛行場の移設の関連につきお尋ねがありました。
 政府としては、先般の南北首脳会談の実現は歴史的な意義を有する画期的なものと考えておりますが、他方において、安全保障は国家の基本的な備えの問題であり、これに遺漏なきを期するためには国際情勢の中長期的趨勢としての変化を見きわめる必要があると考えます。
 普天間飛行場を含め、在沖縄米軍については、こうした米軍のプレゼンスが我が国及び地域の平和と安定の維持に引き続き寄与しているということも十分認識する必要があると考えております。
 普天間飛行場の移設につきましては、昨年末の閣議決定に従い、今後、代替施設の基本計画の策定に当たって、協議会の場において地元自治体の方々ともよく相談をしながら全力で取り組んでまいります。
 弾道ミサイル防衛にかかわる日米共同技術研究についてのお尋ねがありました。
 近年、弾道ミサイルが拡散している状況にあり、弾道ミサイル防衛、いわゆるBMDが我が国国民の生命、財産を守るために純粋に防御的な、かつ他に代替手段のない唯一の手段であることを踏まえれば、BMDは我が国防衛政策上の重要な課題と認識しております。
 また、我が国が検討しているBMDは、技術研究段階のものであり、開発段階への移行、さらには配備段階への移行についてはいかなる決定もなされておりませんが、これは純粋に防御的なシステムであり、地域の平和と安定に悪影響を与えるものではなく、御指摘には当たりません。
 これらの点を踏まえ、来年度においても日米共同技術研究を着実に実施していくことが必要であると考えております。
 固定翼哨戒機、P3Cの後継機に関するお尋ねでありますが、P3Cにつきましては、初配備以来の飛行時間の蓄積及び科学技術の進展等から、退役する時間を見据えて、引き続き周辺海域における哨戒任務等を果たすため、防衛庁から平成十三年度において後継機の開発に着手するための経費につき概算要求がなされたものと承知いたしております。本件の取り扱いについては、本年末の予算編成までの間、政府部内で所要の検討を行ってまいります。
 空中給油機能に関するお尋ねでありますが、本件については、昨年十二月の安全保障会議において次期防にて速やかに整備することとされ、防衛庁から平成十三年度において専守防衛のもとで我が国の防空を全うする等のため空中給油輸送機一機を整備する概算要求がなされたものと承知しております。本件につきましては、本年末の予算編成までの間に政府部内で所要の検討を行ってまいります。
 北東アジアにおける安全保障機構及び北東アジア非核地帯構想についてのお尋ねがございました。
 まず第一歩として、御提案のあった北東アジア非核地帯構想につきましては、一般的に、非核地帯は、適切な条件が満たされるのであれば核拡散の防止等の目的に資するものと考えます。
 しかしながら、北東アジアにおいては、依然不透明な要素や緊張関係が存在していること、現実に核戦力を含む大規模な軍事力が存在すること等により、非核地帯構想の実現のための現実的な環境はまだ整っていないと考えます。
 次に、北東アジアにおける安全保障機構につきましては、政府としては、北東アジアの平和と安定の確保という観点から、日米安全保障体制を堅持しつつ、域内諸国間の信頼醸成を促進するため、二国間及びARF等の多国間のさまざまなレベルでの対話を促進すべく努力をいたしております。また、我が国はかねてから、日、米、中、ロ、韓国、北朝鮮の六者が参画した対話の場の設定を提案してきたところでございます。
 政府としては、北東アジアの平和と安定のため、今後ともこのような努力を継続していく考えであります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 115015254X00320000927_015

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-09-27

院: 参議院

会議名: 本会議