森喜朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(森喜朗君) 初めに、昨日の北澤議員からの参議院選挙制度に関する質問に対する私の答弁に誤りがあるとの御指摘がありました。
 既に先ほど来、御質問に対する答弁においてお答えいたしておりますが、本年二月に取りまとめられた参議院選挙制度改革に関する協議会の報告書においては、「参議院の在るべき役割に適合した選挙制度の改革の検討が必要であるというのが一致した意見であった。」とされたものと承知しています。
 また、当面の改革についての検討の中では、現行の拘束名簿式と非拘束名簿式のおのおのについて長所と短所が指摘されており、非拘束名簿式そのものが否定されているわけではないと承知しています。
 昨日、北澤議員に対して、非拘束名簿方式については、問題はあるが、これは否定はしていないというふうに私は報告を受けたと答弁いたしましたのは、このことを申し上げたのでありまして、誤りがあるとの御指摘は当たらないものと考えます。
 なお、協議会報告では、現行の拘束名簿式の仕組みそのものを改める抜本的な改革の実現は容易でないとしていますが、その後、国民に対し責任を負うべき与党として来年の通常選挙を控え、参議院選挙制度の改革をこれ以上先延ばしせず、これに正面から取り組まなければならないと判断したものと承知しております。
 いずれにせよ、参議院選挙制度改革につきましては、議会政治の根幹にかかわる問題であり、各党、会派の間で精力的に議論していただきたいと考えております。
 永住外国人地方参政権付与法案についてお尋ねがありました。
 この問題につきましては、七月五日、公明党・保守党案と民主党案の二法案が国会に提出されているところでありますが、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題でもあり、賛成論から反対論までさまざまな意見があり、真剣な議論が行われておりますことから、各党、各会派における国会等での御議論を進めていただきたい、こう考えております。
 教育基本法についてのお尋ねでありますが、教育全般についてさまざまな問題が生じている今日、命を大切にし、他人を思いやる心など、人間性豊かで創造性に富む立派な人間をはぐくむ教育を実現するためには、制定以来半世紀を経た教育基本法の抜本的な見直しなど、教育の根本にさかのぼった改革を進めていく必要があると考えております。
 先般の教育改革国民会議の中間報告においては、教育基本法は必要に応じて改正されてしかるべきであり、幅広い視点からの国民的な議論が必要であるとの提言がなされておるところであります。
 私としては、教育基本法の見直しについては、今後、教育改革国民会議の最終報告を受けて、中央教育審議会等で幅広く国民的な議論を深め、しっかりと取り組んで成果を得てまいりたいと考えております。
 教育改革についてのお尋ねの中に、教育改革を進めるに当たっては、国民の多様な価値観を尊重し、子供たち一人一人が多様な個性や能力を伸ばせるようにすることが重要であることは言うまでもありません。同時に、昨今の少年非行など深刻な教育問題を見るとき、最低限守らなければならない規範を子供たちにきちんと身につけさせることも極めて大切であると考えております。
 先般、教育改革国民会議から中間報告が行われ、文部省に対し、この報告を十分に踏まえ、教育改革の準備を直ちに始めるように指示したところであり、今後、国民の皆様の御意見を広くお聞きしながら、体育、徳育、知育のバランスのとれた全人教育の推進を目指し、思い切った教育改革を積極的に行ってまいる決意であります。
 少年法の改正についてはじっくり議論すべきではないかとの御意見を賜りました。
 少年による深刻な凶悪事件が後を絶たず、憂慮すべき現状にかんがみますと、少年犯罪に対する適切な対策を講じることは喫緊の国民的課題になっているものと認識いたしております。議員のおっしゃるように、少年法は広い意味での教育の一環とも言えるかもしれませんが、今次改正をじっくり議論すべきとの御意見には同意しかねます。
 男女共同参画審議会の答申についてのお尋ねがございました。
 昨日、同審議会より、男女共同参画社会基本法に基づく基本計画を策定していく際の基本的な考え方を示していただきました。二十一世紀の我が国社会を決定する大きなかぎとなる男女共同参画社会の実現を図るための男女共同参画基本計画を年内に作成したいと考えております。
 昨日の答申では、社会制度のあり方について検討することなど種々御提言をいただきました。これらは国民生活に大きな影響を与えるものであり、またさまざまな議論もあるので、国民の合意が得られるよう、今後とも幅広い観点から検討していく必要があるものと考えております。
 看護休暇制度の法制化についてお尋ねでありますが、現在、子供の看護のための休暇制度のあり方について、関係審議会においてその法制化も含め審議が行われております。
 今後においては、その結果も踏まえ、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、仕事と家庭の両立支援法の制定についてのお尋ねがありました。
 現在、関係審議会において、子育てのための時間の確保等、仕事と家庭の両立支援について審議が行われており、その結果も踏まえ、次期通常国会に育児・介護休業法の改正法案を提出すべく検討を進めてまいりたいと考えております。
 IT関連法案についてのお尋ねでありますが、世界規模で生じているIT革命は産業革命に比すべきものであり、新生経済の起爆剤であるとともに、社会生活そのものを大きく、しかも短期間に変えるものであると考えております。
 私は、IT革命という歴史的な機会と正面から取り組み、老若男女を問わずすべての国民がデジタル情報を基盤とした情報、知識を共有し、自由に情報を交換することが可能になる日本型IT社会を実現したいと考えております。こうした日本型IT社会の実現こそが、二十一世紀という時代に合った豊かな国民生活の実現と我が国の競争力の強化を実現するかぎであります。
 こうした考え方に基づき、今後、各方面の御意見を聴取しつつ、明確な国家戦略を打ち立て、迅速かつ集中的に必要な施策を実施していくための基本的枠組みでありますIT基本法案の具体化を早急に図ってまいりたいと考えております。
 SOHO支援を柱とした女性のためのIT支援策についてお尋ねがありました。
 政府としても、SOHO支援が女性の新規開業、新規雇用の受け皿として重要であると認識しており、SOHO業務の受発注を円滑化するためのシステム開発の支援や資金の確保などの経営支援を実施していくことといたしております。
 なお、女性IT対策室と担当スタッフを置くようにとの御提案でありますが、関係各省のIT関連施策や女性の社会進出支援策が効果的に実施されていくよう、各省間の緊密な連携を引き続き進めていくことで対応いたしたいと考えております。
 情報バリアフリー政策に関するお尋ねですが、IT革命に対応するため我々が目指すべき日本型IT社会は、高齢者、障害者を含めすべての国民がデジタル情報を基盤とした情報、知識を共有し、自由に情報を交換することが可能な人に優しい社会であると私は考えます。
 ITの急速な進展に伴い、高齢者、障害者などの方々とそうでない方々との間の情報格差が生じることのないよう十分に配慮してまいります。
 具体的には、これらの方々の自立や社会参加を容易にし、真に豊かな生活を享受できるよう、だれでもいつでも使える低廉で使い勝手のよいサービスや機器の開発、普及などを推進し、必要に応じ法制面での検討も含め情報バリアフリー環境の整備に取り組んでまいります。
 社会保障の将来像についてお尋ねがありました。
 社会保障については、急速に少子高齢化が進行する中で、生涯を安心して暮らせる社会を築くため、将来にわたり持続可能で安定的、効率的な制度を構築することが必要と考えております。このため、現在、社会保障構造の在り方について考える有識者会議において、財源の問題も含め社会保障全体のあり方について御議論いただいており、早期に考え方を取りまとめていただき、広く国民的な議論を喚起してまいりたいと考えております。
 政府としては、有識者会議の議論も踏まえ、総合的な社会保障の全体像について検討を進め、社会保障の着実な改革を行っていく考えであります。
 医療保険改革法案についてのお尋ねであります。
 本法案は、二十一世紀における安定的な医療保険制度を築くために、抜本改革に向けた第一歩であります。今後、引き続き高齢者医療制度の見直しなど改革を進めていくことといたしております。御指摘の厚生大臣の発言はこうした趣旨を述べたものであり、私と厚生大臣との間で今回の法案に関する認識に違いはございません。
 介護保険についてお尋ねでありますが、既にゴールドプラン21に基づき、介護サービスの基盤整備を進めているほか、要介護認定基準の見直しや家事援助の不適正事例の提示など、施行後の指摘された課題について取り組んでいるところであります。
 今後とも、現場などからの御意見も踏まえ、必要な改善策を検討し、介護保険をよりよい制度に育ててまいります。
 高齢者のための地域に身近な施設についてのお尋ねであります。
 痴呆性高齢者グループホームにつきましては、整備費に対する助成や介護保険の適用を行っており、また、いわゆる宅老所につきましては、一定の基準に合致する場合には介護保険の対象といたしております。今後とも、高齢者の方々の身近な地域での自立支援が図られますよう、小規模な施設についても整備を進めてまいりたいと考えております。
 気候変動枠組み条約第六回締約国会議、COP6における我が国の役割についてのお尋ねでありますが、京都会議開催国である我が国としては、議定書の地球温暖化防止対策が早期に実現するよう二〇〇二年までの議定書発効を目指し、COP6の成功に全力を尽くします。そのためには、関係国による議定書締結を可能なものとするため、議員御指摘のさまざまな懸案事項をCOP6で解決すべくリーダーシップを発揮する決意であります。
 NPO法人に対する税制上の措置の取り組みについてのお尋ねがありました。
 今後、平成十三年度税制改正に向けた議論の中で、NPO法人制度の趣旨やNPO法人の実態を踏まえ、公益性の基準やそれを確保するための仕組みをどのようにするか、また公益法人課税のあり方、各種の法人や団体に対する課税とのバランス等を含め、政府及び与党の税制調査会の場において御審議をいただきながら検討していくことといたしております。
 陪審制の導入を検討すべきとの御指摘ですが、国民が検察審査会を含め広く司法に参加することは重要な意義を有するものと考えております。
 陪審制につきましては、司法制度改革審議会において国民の司法参加の具体的方策の一つとして審議が行われており、広く国民的見地に立った充実した審議がなされるよう協力してまいりたいと考えております。
 警察改革と警察資料の開示についてお尋ねがありました。
 警察改革については、国民の警察に対する信頼の回復は喫緊の課題となっており、警察法の改正案を今国会に提出し、警察の刷新改革に私としても全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 この改革の中で、情報公開を進めることはその重要な一部となっております。一方で、お尋ねの犯歴データは警察資料の中でも最も慎重な取り扱いを必要とするものの一例であり、警察の情報公開が進展しても安易に公開すべきものでないと承知いたしております。警察改革と犯歴データの公開はこの意味において無関係なものであり、警察改革のリーダーシップを示すためにみずからのデータを照会するというようなことは全く考えておりません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115015254X00320000927_018

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-09-27

院: 参議院

会議名: 本会議