森喜朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(森喜朗君) 中川前官房長官の辞任に関連してお尋ねがございました。
 鳩山代表は国家の基本政策を議論すべき党首討論の場でも本件を取り上げられましたが、私は私の立場としてこれに誠実にお答えをいたしました。
 本件につきましては、中川氏個人にかかわる官房長官就任より随分と以前のことでありまして、また、報道された録音テープをだれがどのように作成したのか、どのような経路で入手されたのかも明らかになっておりません。
 中川氏はこれ以上迷惑をかけたくないとのことで官房長官を辞任されましたが、今後は中川氏自身が自分の名誉に関することを含め本件についての御自分の立場をさまざまな形で明らかにされていくものと考えております。
 現に、中川議員は法的手続をとっておられますので、少し時間を上げるということも私は武士の情けだと思うんです。
 証人喚問をしたらどうか、証人喚問をしたらどうかということでありますが、これは国会で御判断をいただくことだというふうに考えております。
 また、警察情報が漏えいしたのではないかとの指摘につきましては、中川氏は官房長官辞任の記者会見でも警察情報であることを明確に否定していると承知いたしておりますが、一般論として、捜査の必要性があると判断されれば、警察当局において、法と証拠に基づいて適切に対応されるものと考えております。
 日英首脳会談における私の発言についてのお尋ねでありますが、これまでも国会において申し上げておりますとおり、御指摘の私の発言は過去の周知の事実を紹介したものであり、私としては首尾一貫しており、発言を二転三転させるといったようなことはございません。また、過去の周知の事実を述べた私の発言が国益を損ねるといったことはなく、御指摘には当たらないと思います。
 次に、なぞの人物に託していたとうわさされている旨言及された金正日朝鮮労働党総書記にあてた親書あるいはメッセージについてのお尋ねでありますが、既に申し上げたとおり、私が金総書記に対し親書を送った事実はありません。また、同様にメッセージを送ったという事実もございません。
 いわゆる第三国発見方式について、外交カードとして残っているかとのお尋ねがありました。
 政府としては、拉致問題について将来の決着の姿につき予断することは適当でないと考えており、したがって、現時点において行方不明者として第三国に出現させるなどの特定の決着方法を固めているわけではなく、またかかる方法を北朝鮮側に提案しているとの事実もありません。
 いずれにいたしましても、北朝鮮による拉致問題は我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国交正常化のためには避けて通れない問題であります。この問題は国民の納得いく形で解決することが不可欠であり、政府としては、今後とも国交正常化交渉その他の日朝間の対話を進展させる中で問題の解決に向けて粘り強く取り組んでいく考えであります。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連してお尋ねがありました。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関しましては、現在、同財団前理事長等の横領容疑で捜査中であり、私の立場としてはこれを見守りたいと考えております。
 なお、自由民主党の党費につきましては、党において適切な手続を経て処理されているとの報告を受けております。
 また、参議院選挙制度については、昭和五十七年に現行の拘束名簿式比例代表選挙が導入された以降、制度改革についてさまざまな議論が行われてきましたが、現行、改正前でございますが、拘束名簿方式は有権者がどの候補者を当選させたいかという意思表示ができず、候補者の顔が見えずに選挙に対する関心が高まりにくい、参議院が衆議院と異なる選挙制度によって国民の多元的な意思をよりよく国会に反映するとの役割を十分果たしていないという問題点が指摘されてまいりました。
 今般の与党の取り組みは、国民に対して責任を負うべき与党として、来年の通常選挙を控え、参議院選挙制度の改革をこれ以上先延ばしはせず、これに正面から取り組まなければならないと判断したものと承知をいたしております。参議院選挙制度改革が自民党の実態を覆い隠すことが目的であったとの指摘は当たらないものと考えております。
 景気の現状についての御質問でありますが、御指摘のように、景気は企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが継続し、全体としては緩やかな改善が続いておりますが、雇用情勢は幾分改善したもののなお厳しく、また家計部門の改善がおくれるなど、厳しい状況をなお脱しておりません。また、米国やアジアの経済の動向、原油価格の動向などを注視する必要があります。
 Eジャパン構想についてのお尋ねでありますが、私は二十一世紀に向けて日本新生の最も重要な柱はIT戦略、すなわちEジャパン構想であると考えております。
 この構想は、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報または知識を世界的な規模で入手し、共有し、または発信することにより、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる高度情報通信ネットワーク社会の構築を目指すものであります。
 このためには、ハードウエアである施設、ソフトウエアである技能、中身たるコンテンツの三本柱を同時並行的に拡大、発展させることが重要であります。
 具体的には、現在、IT戦略会議の場で議論をいただいておりますが、超高速インターネット網の整備、電子商取引ルールの整備、電子政府の実現、人材育成等を通じ、民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し、五年後には我が国を世界の情報通信の最先端国家に仕上げてまいりたいと考えております。
 IT普及国民運動についてお尋ねがございました。
 本補正予算におきましては、IT基礎技能のできる限り早期の普及を図る観点から、地方公共団体が行うIT基礎技能講習への支援、また、IT化に対応した職業能力開発施策としてのITに係る公共職業訓練の拡充など、目的、対象の異なる各種のIT技能習得の機会の提供に必要な経費を盛り込んだところであります。
 政府といたしましては、このような政府及び地方公共団体の連携の結果、国民の自発的な参加、機動的かつ円滑な講習の提供等により、IT技能の幅広い国民的な普及が実現されることを期待しているところであります。
 整備新幹線についてのお尋ねでありましたが、その整備は国土の均衡ある発展と地域の活性化の観点から重要な課題であると認識いたしており、政府・与党間の合意等に基づき整備を進めているところであります。
 本年度の事業費につきましては、予備費において本年度内に執行確実な額を確保しているところでありますが、その後の地元協議の進展等予備費計上後の事情変更により、今年度内に執行可能と見込まれる事業について十分精査の上、補正予算として計上したものであります。これらの事業費につきましては、既に着工している区間に充当し、その工期の短縮を図っているところであります。
 なお、今回の補正により追加される公共事業につきましては、二十一世紀の我が国発展基盤の構築に向け、日本新生プランの具体化策を中心としつつ、生活基盤の充実などにも重点的に措置しているものでございます。
 地方公共団体にさらに公共事業の上積みを求めても、政府が想定するような事業規模が確保できるのか、また、政府が掲げる経済対策の効果が望めるのかというお尋ねがありました。
 今回の補正予算に伴う公共事業等の追加による地方負担につきましては、従来の地方債措置に加え、地方交付税の増額を行うなど、地方公共団体が事業実施を円滑に行えるよう万全の措置を講じたところであります。
 また、経済対策につきましては、このような措置等を通じ、景気を自律的回復軌道に乗せ、二十一世紀の発展基盤を構築するため、十分な効果が期待できるものと考えております。
 住宅金融公庫の貸付枠の追加についてのお尋ねでありますが、最近の住宅着工は年率換算値で昨年度並みのおおむね百二十万戸台を維持しております。また、今年度上半期の公庫の主な個人向け融資の募集合計も昨年度と同水準で推移していることから、今年度の公庫の貸付枠についても昨年度の実績と同水準の六十万戸と見込み、現在の五十五万戸に五万戸を追加することといたしました。
 我が国の財政状況についてのお尋ねでありますが、国、地方を合わせた長期債務残高が平成十二年度末に六百四十兆円を超えるなど厳しい状況にあります。したがって、財政構造改革は必ずなし遂げなければならない課題であり、政府としては、景気回復をより確かなものとした上で、税制のあり方、社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係まで視野に入れて財政構造改革に取り組んでまいります。
 また、補正予算における剰余金の処理についてのお尋ねでありましたが、平成十一年度の剰余金については、金融環境の変化や国債をめぐる諸情勢等を総合的に勘案し、国債発行額を極力抑制するとの観点から、臨時異例の措置として財政法の特例を設け、その全額を一般財源に充当することとしたものであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115015254X01020001114_003

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2000-11-14

院: 参議院

会議名: 本会議