宮澤喜一の発言 (本会議)
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○国務大臣(宮澤喜一君) このたび補正予算を組んだ理由についてお尋ねがございまして、確かに本年の三月ごろでございましたが、私はことしの秋には従来のような大きな補正予算を組まなくていいのではないかということを申し上げました。
そのときに、いわゆる公的成長要因から私的なものへバトンタッチをする時期を私は秋ごろと考えておりましたし、現に三月の時点で企業の方の設備投資等々は大変に順調な状況にありました。したがいまして、これがやがて雇用にも家計にもというふうに考えておったわけでございます。
そこで、先般、四—六のQEが出まして、QEそのものは決してごらんのように悪い姿ではないのですが、どうも消費、雇用というところがもう一つ元気が見えません。統計では完全失業は五%に達しておりませんし、有効求人倍率は月とともによくなっている。統計的にはそうであるのですが、もしかしたらこれは、雇用、消費の状況というのは我が国の経済社会が構造的なかなり大きな変革を遂げつつあるのではないか。それは二十一世紀に向かって好ましいことではあると思いますけれども、しかし、従来のように不況脱出のときにすぐ雇用、家計と響いていくよりは、もう少しスケールの大きいものになっておるのかもしれないということも考えられます。
それらのことも思いまして、このたびの補正予算につきまして、公需から民需へのバトンタッチに万全を尽くすために、殊に我が国経済の構造改革への対応に資するということから、年度後半の公需の低下等にも配意をいたしまして、いわば一つはいわゆる新生プランのIT化の施策、他方は年度末に公需がどうも低下しそうだということ、両方のことを考えまして補正を組ませていただいた。従来のように大きなものでないことは申し上げてよろしいと思うのですが、多少やっぱり、一つは公需の将来に向かって不安がある、もう一つは将来に向かっての、いわば日本新生プランの将来への布石ということでございました。
したがいまして、財源につきましてもできるだけ税源を探したいということで、結局半分は国債に頼らず、半分は国債に頼るというようなことでございました。国債の発行になったことは残念なことではございましたが、半分は税収あるいは繰り越し等々で処理をすることにいたしたわけでございます。
それから、株式の譲渡所得につきまして、これは先般政府が経済対策を決定いたしました中で、これまでの経緯を踏まえ、株式市場の役割や株式市場への影響、一般投資家の参加、公平な課税等の見地から、年度改正の中で結論を得たいとしておるのがただいまのところでございます。
本来、税の姿からいえば、既に一遍改正いたしましたようなことが一つの考え方であると思いますが、現にただいまのような経済情勢の中で、あるいは株式に対する国民の一般的な関心といったようなことも考えまして、どのようなことにいたしますか、いずれ政府としての結論を出しまして御審議を仰ぎたいと考えております。
それから、無利子国債につきましてもお尋ねがございましたが、これは正直を申しまして従来何度か議論になったことがございますけれども、私としては無利子国債というものの必要を感じないと申しますか、問題の方が多いという気持ちがいたしますので、そういうことをしなくても国債は十分に消化いたしておるのでございますから、私としてはそういうものを発行する気持ちを持っておりません。(拍手)
〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕