浅尾慶一郎の発言 (本会議)
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○浅尾慶一郎君 私は、民主党・新緑風会を代表し、警察法の一部を改正する法律案についての政府案に反対の立場から討論を行います。
そもそも本改正案は、相次ぐ警察不祥事の深刻さ、特に警察の閉鎖性と自浄能力に対する国民の危惧等を踏まえ、国民の信頼を回復するに足る制度変更を含むものでなければ意味がありません。そのためにまず求められるのは、国民の目線で公安委員会の管理機能の強化を図ることであります。言いかえれば、透明性が高く、国民に対して説明責任を果たす公安委員会の構築によって、国民の信頼回復を目指す方向での法改正が求められているのです。
求められる第一は、公安委員会の事務局機能の強化です。
確かに、政府案にも公安委員会の管理機能の充実と活性化、特に警察による公安委員会に対する補佐機能の強化が盛り込まれました。しかしながら、本来、警察を管理する立場でなければならない公安委員会が、監察、管理の対象である警察に諸情報の提供を含め、あるいはすべての事務的な面で完全に依存していては、主体的で有効な管理は成り立ちません。
民主党・新緑風会は、国家公安委員会及び都道府県公安委員会に独自の事務局を置くことは不可欠と考え、公安委員会に独自の事務局を設置する修正案を地方行政・警察委員会において提案しました。同修正案は残念ながら否決されましたが、公安委員会独自の事務局の必要性について、本会議出席の議員各位にぜひ御考察をいただきたいと思います。
法改正で求められる第二は、公安委員会による監察機能の強化の問題です。
政府案では、公安委員会独自の監察ではなく、警察の行う監察に公安委員会が指示を行う体制をもって監察機能の強化としております。しかし、監察を担当する者の人事ローテーションにもよりますが、内部監察だけではなれ合いに陥るおそれを否めません。また、監察の指示を公安委員会が出しても、その指示が完全に履行されることを担保する仕組みも政府案にはありません。
私どもは、独自の事務局を公安委員会に置き、所掌事務に監察機能を追加し、警察を管理するための事務を適切に行うことを提案しました。
警察官による多くの職務関連犯罪の発生とその隠ぺいが行われた神奈川県警事件、特別監察に際して遊興や関係者に対する処分のあり方などが批判された新潟県警事件、国民の切実な要請に誠実に対応しなかったため起きた埼玉県桶川事件など、警察の重大な不祥事の経験からも、公安委員会のもとにそれを補佐する独自の事務局を置き、公安委員会に所属する専門的な監察官が監察する必要があると考えます。この点についても、本会議出席の議員各位にぜひ御考察をいただきたいと思います。
法改正で求められる第三は、公安委員会への苦情受付窓口の設置並びに苦情処理のルール化です。
政府案では、警察が苦情の申し出を処理することとなっていますが、警察に関する苦情を実質的に警察に申し出ることは大変勇気の要ることです。また、当事者である警察が本当に真摯にかかる申し立てに対応するかという問題も残ります。御子息を殺害された須藤さんに対する栃木県警の対応など、これまでの実情を見ても、政府案では国民が安心して苦情を申し出れるか疑問です。
私どもは、都道府県公安委員会に苦情処理委員会を置き、申し出人の相談に応じ、必要な助言をし、都道府県警察に対し苦情の内容を通知し、適切で迅速な措置を求めるなど、独立性、信頼性を確保し、公平、親切な運営に努める国民の目から改善された苦情対応ができる内容にしたいと考えております。
法改正で求められる第四は、警察情報の公開です。
政府案では、情報公開の所管部署の特定しか行っておりません。警察情報の開示は、国民が警察活動を認知できる手段です。情報公開に消極的では、さきに述べた不祥事をまた繰り返すのかと疑われても仕方ありません。
民主党・新緑風会は、前向きに情報開示を進める意思を明確にし、国民の信頼を回復したいと考えます。情報開示の面からも政府案では不十分です。
以上、申し上げましたように、政府案による法改正では、公安委員会の機能強化が十分でなく、国民の目線でなく警察の目線からの法改正と断ぜざるを得ません。私たちは、警察と公安委員会がよい意味での緊張関係を維持して初めて警察改革につながると考えております。
現状、国家公安委員は、週に一回二時間の会議に出席するだけで二千数百万円の報酬を得ております。国民の警察に対するさまざまな期待をかなえる警察組織をつくるためには、もっともっと公安委員の方々に仕事をしていただかなくてはなりません。そのためには、仕事ができるだけの事務局を公安委員会に設置しなければなりません。公安委員に対するチェックという意味では、国家公安委員が積極的に国会に対して意見を開陳し、質疑に応じることも必要でしょうし、また都道府県公安委員も、各都道府県議会に対して同様の対応をされることが望ましいと考えております。しかし、かかる制度改正も法案の中には盛り込まれておりません。
例えは適切ではないかもしれませんが、バブル崩壊後の日米企業の業績格差の一因は、株主による会社の監視が機能しているか否か、社外取締役が組織の外部からの視点で企業改革の提言をしているか否かにあると思います。公安委員は警察に対する社外取締役であり、これが機能するかしないかは、株主たる国民の声が公安委員会の議論に反映されるかどうか、そして外部の視点からの提言ができるだけの情報が公安委員会に上がるか否かにかかっています。
ここまで申し上げましたように、政府案ではかかる観点からの改革に不十分と考えるので、反対をいたします。
最後に、議員各位の理念に沿って御判断くださいますよう心からお願いをいたしまして、反対の討論を終わります。(拍手)