大野功統の発言 (議院運営委員会)
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○大野(功)委員 私は、自由民主党を代表して、議員中村喜四郎君の議員辞職勧告に関する決議案に対する質疑を行います。
自由民主党といたしましては、本決議案に反対であるとともに、それを本会議に上程することにも反対せざるを得ません。なぜならば、本決議案は憲法その他の法規に照らして重大な疑義があり、本決議案について本院の判断を下すことそのものに問題があるからであります。
このような観点から、本決議案の問題点を指摘したいと思います。
第一に、本決議案は、国会議員の身分を保障する憲法の趣旨に反するものであります。
日本国憲法は、議員の資格争訟の裁判によって議員の議席を失わせるには出席議員の三分の二以上の多数による議決が必要であることを定めるとともに、議員を除名するには出席議員の三分の二以上の多数による議決が必要であると規定しております。これは、国会議員の職務の重要性にかんがみ、その身分を保障し、院の議決をもって国会議員の身分を喪失させる場合には、出席議員の過半数で決するのではなくて、三分の二以上の多数による議決を必要とする趣旨であります。
したがいまして、議員辞職勧告決議案を他の決議案と同様に出席議員の過半数をもって議決することは、憲法の趣旨に反するものであります。出席議員の過半数をもって議員辞職勧告決議案を議決することが許されるのであれば、多数の横暴によって議員の身分を危うくすることになりかねないのであります。
第二に、国会議員は、みずからの出処進退はみずから判断すべきであるということを強調させていただきたいと思います。
元来、政治的責任や道義的責任は、一人一人の国会議員が、その社会生活においてさまざまな価値観、倫理観を持って議員活動を展開している以上、一つの基準をもって判断することのできないものであります。結局は当該議員が判断すべき問題であり、その是非については、選挙において国民の審判を仰ぐ以外にはないのであります。
政治的道義的責任は、会議において多数決をもって決すべき問題ではありません。
第三に、国会決議の権威にかかわる問題が生じるおそれがあります。
院の決議の持つ意味は重大であって、形式的に決議すればそれで事足りるというものではありません。それに従うかどうかが本人の自主的判断によるのでは、決議は実効性を欠き、意味がないということになります。仮に決議すること自体に意義があるとしても、それが実効性を欠くとすれば、結果的には院の決議の権威を著しく損なうことになりかねません。
現実に、参議院では友部議員に対する議員辞職勧告決議案が可決されましたが、友部議員はいまだに議員を辞職せず、院の決議の権威を損なう結果となっております。
第四に、本件に関しては、東京高裁の判決が下されたものの、中村議員は最高裁に上告中であり、いまだ司法の最終的判断が出されておりません。このような中で、決議という形で本院の意思を表明することはなじまず、また、院の意思表明が裁判に対し何らかの影響を与える可能性があれば、司法権の独立の観点からも問題であると言わざるを得ません。
国会議員の地位の重要性にかんがみ、判決が確定する前に辞職勧告決議案を議決すべきではない、このように考えております。
以上の点について、提出者の意見を伺いたいと思います。
以上でございます。