森喜朗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(森喜朗君) KSDをめぐる事件に関し、私自身の関与も含め、関係者の証人喚問について御質問がございました。
今回の事件は、国民の政治への信頼を損なうものであり、私としても、大変遺憾であり、極めて深刻に受けとめております。党の所属議員から逮捕者を出したことについても残念のきわみでありまして、公党として国民の皆様に心からおわびを申し上げる次第です。
本件については、今後、司法当局の捜査により徹底的に真相究明が行われ、国民の前に真相が明らかにされていくべきものと考えますが、自民党としても、真相究明のため捜査に全面的に協力していく所存であります。
また、関係者の証人喚問については、議院の運営に関することであり、今後の国会審議の状況を踏まえつつ、国会において御判断をいただくべきことであると考えます。
なお、私が関与したとの御指摘にあった催しは、私の地元の事務所に確認をいたしましたところ、KSD北陸支局開設の会員総会の際に記念として付随的に行われたもので、参加費用は徴収されておらず、無料の入場整理券が発行されていたにすぎないと承知しております。したがって、歌謡ショーのチケットの配布を受けたとの御指摘は適切なものではないと考えます。
十三年度予算における景気への配慮についてお尋ねがありました。
我が国の経済は、緩やかな改善を続けておりますが、依然として厳しい状況にあり、また、米国経済の減速など懸念すべき点も見られます。
こうした中で、引き続き、景気に軸足を置いて、経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せるよう、十三年度予算においては、公共事業等に十分な対応を行うとともに、IT革命の推進など、二十一世紀の新たな発展基盤の構築に必要とされる分野に重点的、効率的に資金を配分することといたしております。
なお、十三年度予算が十二年度補正後予算と比較して一般歳出が落ち込んでいるとの御指摘でありますが、そもそも、十二年度補正予算のうちの相当部分は十三年度に効果が発現すると見込まれ、十三年度の景気への取り組みを考えるに当たり、十三年度予算と十二年度補正後の予算との単純な比較を用いることは不適当であります。
特に、公共事業について安易な積み増しに終始しているとの御指摘でありますが、IT革命の推進を初めとする重要四分野に対し総額の四割を上回る三兆九千億程度を充てるなど、時代のニーズを踏まえた重点化を推進しており、そのような御指摘は当たりません。
パソコン減税の扱いとIT投資との関係についての御質問もいただきました。
パソコン減税につきましては、十一年度において、当時の深刻な経済情勢を踏まえ、景気対策として講じられた臨時異例の措置でありまして、期限どおり廃止することとしたところであります。
一方、十三年度改正におきましては、恒久的な措置として、電子計算機の耐用年数について、その実態を踏まえて短縮する等の改正を行うことといたしておりまして、これらの改正は、税制以外の各般の措置と相まってIT革命の推進に資するものと考えております。
また、個人消費の刺激策がないとの御指摘がありましたが、これにつきましては、さきに述べました十三年度予算における公共事業等への対応と重点的、効率的な資金配分に加え、政府としては、日本経済の新たな成長と発展を実現するため、経済構造改革に果敢に取り組んでいくこととしており、これらの施策は、有効需要の創出、国民の購買力の向上につながるとともに、家計のマインド等にも好ましい影響を与えるものと期待いたしております。
なお、介護保険料の徴収等と景気との関係についてのお尋ねでありますが、これについては、社会保障制度の維持安定は、むしろ国民生活の安定、ひいては個人消費の安定の基盤となると考えられること、介護保険料は介護サービスに充てられ、政府消費として需要を押し上げる要因となることから、御指摘は当たらないと考えております。
いずれにせよ、景気回復を確実なものとし、我が国経済を新たなる発展へと飛躍させるためには、十三年度予算の早期成立が必要不可欠でありまして、ぜひとも年度内成立をお願いいたします。
財政健全化の基盤づくりについてのお尋ねでありますが、まず、十三年度予算が財政再建に逆行しているのではないかとの御指摘がありました。
十三年度予算においては、公共事業の抜本的見直しや中央省庁再編による施策の融合化と効率化を図る等、財政の効率化と質的改善を図りつつ、国債の新規発行額を減少させたところでありまして、我が国経済を新たなる発展へと飛躍させる取り組みとともに、主要先進国の中でとりわけ厳しい状況にある我が国の財政について、将来にわたって持続可能な仕組みをつくり上げる準備を行っております。
また、財政健全化の道筋については、我が国経済を自律的回復軌道に乗せつつ、財政構造改革の実現に向けて議論を進めてまいります。その際には、新世紀における我が国の経済社会のあり方を展望し、望ましい税制の構築や社会保障制度改革、そして、中央と地方との関係まで幅広く視野に入れる必要があると考えております。
今般の中央省庁再編におきまして、内閣府に経済財政諮問会議を設置いたしました。景気を着実な自律的回復軌道に乗せるための経済財政運営とともに、財政を含む我が国の経済社会全体の構造改革に向けた諸課題について、具体的な政策を主導するとの決意を持って、実質的かつ包括的な検討を行い、国民が安心と希望を持てる処方せんを示していく所存であります。
そうした中においても、御指摘のようなさまざまな工夫についてもその推進に努めているところであります。
まず、地方への権限の移譲については、住民に身近な行政は地方公共団体が担っていくことを基本として、さらなる権限移譲を進めるなど、地方分権の一層の推進に強い決意で取り組んでまいります。同時に、市町村合併の推進など、新たな役割を担うにふさわしい行政体制のあり方の問題にも積極的に取り組んでまいります。
また、すべての公共事業について地方公共団体に財源を一括して交付することについては、慎重な検討が必要であると考えますが、十三年度予算においても、地方公共団体の主体性を尊重する統合補助金の一層の拡充を図るなど、積極的に見直しを行っているところであります。
次に、特殊法人は原則全廃すべきではないかとの御指摘がありました。
特殊法人は、特別の法律により設立され、政策金融、公共投資、中小企業対策等、さまざまな政策実施機能を果たしておりますが、一方で、種々の問題点も指摘されているところであります。そのため、昨年十二月に閣議決定されました行政改革大綱にのっとり、特殊法人等の事務事業をゼロベースから見直して、組織形態についても抜本的に見直すこととしておりまして、現在、鋭意その作業を進めているところであります。
税制の問題につきましては、これまでも全般にわたりその見直しを進めてきたところでありますが、我が国経済社会は、少子高齢化や国際化など構造変化等がさらに進展しております。税制はこれらの変化等に適切に対応していく必要があり、公的サービスの財源であるという税の基本的性格を踏まえながら、望ましい税制の構築に向けた議論が近い将来必要になってくるものと考えております。
なお、租税特別措置については、不断の見直しが必要であるということは言うまでもありませんが、御指摘の我が国の法人課税の実効税率は近年の税率引き下げにより既に国際水準並みになっていること、個人所得課税については、国民一人一人の負担能力に応じた分担を実現できる基幹的な税であり、各種の人的控除により納税者のさまざまな事情に配慮した適正な税負担を求める基本的な仕組みが必要であること、その税率構造については所得再分配機能を担う必要があることなども留意する必要があると考えております。
こうした種々な工夫、努力を行いつつ、先ほども申し述べましたように、我が国経済を自律的回復軌道に乗せつつ、財政構造改革についてその実現に向けて議論を進めてまいります。
社会保障と消費税の使途についてお尋ねがありました。
急速に少子高齢化が進行する中で、国民が生涯を安心して暮らせる社会を築いていくことは大きな課題の一つであり、給付と負担のバランスを確保しつつ、持続的、安定的で効率的な社会保障制度を構築していくことが必要になっております。
社会保障制度の財政方式としては、昨年十月の社会保障構造の在り方について考える有識者会議の御提言も踏まえ、自己責任の原則に立って社会保険方式を基本としつつ、保険料と公費を組み合わせることにより、給付に要する費用を賄っていく必要があると考えております。
いずれにせよ、消費税の使途を含め、将来の税制、財政のあり方については、今後の少子高齢化の進展など経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえつつ、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
新体制における政治主導の政策決定等についてお尋ねがありました。
今回の中央省庁等改革においては、行政における政治主導の確立をその柱の一つとしているところであります。このため、発議権の明確化等の内閣機能強化のための措置を実施することにより、内閣及びその首長である内閣総理大臣が、国政運営上、行政各部に対する指導性をより一層発揮できる体制を整備いたしております。
また、各府省において政治主導の政策判断が迅速に行われるよう、大臣の政治的な政策判断を補佐する機能を強化するために、副大臣及び大臣政務官を新たに設置いたしております。
政府といたしましては、まさに政治のリーダーシップを発揮しつつ、こうした体制を十分に活用して政治主導の政策決定を実現し、主権者たる国民の意思を的確に行政に反映させてまいりたいと考えております。
食料安全保障政策及び農業予算に関してお尋ねがありましたが、まず、米の生産調整については、米の需給と価格の安定を図る上で不可欠であり、これと不測の事態に備えた備蓄を適切に実施することにより、国民に対する食料の安定的な供給に遺憾のないように努めてまいる所存であります。
また、農業予算につきましては、食料・農業・農村基本法の制定を踏まえ、食料自給率の向上に資するよう、担い手の育成等を通じて我が国農業の体質強化を図ってきているところでありまして、今後とも、国民の食料の安定供給に向けてこれらの施策を推進してまいります。
教育改革についてのお尋ねがございました。
教育は、心の豊かな美しい国家を築くための礎となるものであり、国政の最重要課題であります。これからの教育を考える上で大事なことは、人間と人間のつき合いができ、自分の頭で考えたり決めたりできる力を養うことであり、教育の目標は、学力だけ、知識だけがすぐれた人間を育てることではなく、人間としてのルールを身につけた、創造性豊かな立派な人間を育てることだと考えられております。(拍手)
こうした観点から、知識に偏重した教育でなく、体育、徳育、知育のバランスのとれた全人教育を推進することを目指して、道徳教育の充実や基礎、基本の徹底を初めとして、思い切った教育改革を積極的に行ってまいる決意であります。
また、教育基本法については、先般の教育改革国民会議の最終報告におきまして、新しい時代を生きる日本人の育成、伝統、文化など次代に継承すべきものの尊重、教育振興基本計画の策定等を規定することの三点が、新しい時代の教育基本法を考える際の観点として示されたところであります。
私としては、教育基本法の見直しについては、教育改革国民会議の最終報告を踏まえ、中央教育審議会等で幅広く国民的な議論を深め、しっかりと取り組んで成果を得てまいりたいと考えております。
親子や地域との触れ合いや体験学習の重要性についてのお話がございました。
私は、施政方針演説において、心の豊かな美しい国家を築くため、その礎となる教育の新生に全力で取り組んでいくことを申し上げました。私としましては、親子や地域との触れ合いの中で社会の大切なことを学ぶことや子供たちが体験学習を行うことはまことに重要なことと認識をいたしておりまして、この国会において、奉仕活動や体験活動の促進、子どもゆめ基金の創設など、一連の教育改革関連法案を提出してまいります。
また、政府としましては、地域で子供を育てる環境を整備し、親と子供たちの活動を振興する体制を整備する全国子どもプランを緊急かつ計画的に推進しているところでありまして、今後とも各般の施策を推進してまいります。
ブッシュ政権との政策協調についてのお尋ねでありますが、私はブッシュ大統領とこれまで二回の電話会談を行いまして、日米同盟関係の重要性を再確認し、同盟関係の強化に向けて協力していくことで意見の一致を見ております。今後は、日米両国のみならず、世界の平和と繁栄に向け日米間の戦略対話を深めることにより、国際社会が直面する問題への対応におけるおのおのの適切な役割のあり方を含め、政策協調を緊密に行っていく考えであります。
国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力に対しましては、我が国の国際的地位と責任にふさわしい協力を行うとの観点から、平成四年の国際平和協力法施行以来約十年間にわたり、カンボジア、モザンビーク、ゴラン高原、東ティモール等での国連平和維持活動等、人的な貢献にも力を入れてきております。我が国としても、今後とも、これまでの活動の経験をも踏まえながら、国連平和維持活動等に積極的に参加していく考えであります。
また、弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究は、我が国防衛政策上の重要な課題であると同時に、日米安保体制の信頼性の向上等に資するものと考えており、そのような観点から、同研究を着実に進めてまいります。また、その他の装備、技術面における日米協力についても、着実に推進していく考えであります。
次に、米軍と自衛隊との間の協力関係の推進については、日米防衛協力のための指針の実施を通じ、着実な進展が見られております。具体的には、昨年九月に開催されました両国の外務、防衛閣僚によるいわゆる2プラス2会合において、緊急事態における日米両国の活動につき、その内容を定めておく包括的なメカニズムのもとでの計画についての検討作業の進展や、実際の活動を調整するための調整メカニズムの構築が確認されております。今後とも、指針の実効性を確保するため、米国との間で協議を鋭意進めてまいります。
沖縄の米軍施設・区域の問題についてお尋ねがございました。
政府としては、我が国の平和と安全のため沖縄県民の方々が背負われている御負担の軽減につきましては、先月の日米外相会談でも一致したとおり、今後とも、SACO最終報告を踏まえ、日米間で緊密に協議をしながら、その着実な実施に最大限努力してまいります。特に普天間飛行場の移設、返還につきましては、平成十一年末の閣議決定に従い、沖縄県及び地元地方公共団体との間の代替施設協議会等においてできるだけ早く成案を得るべく努力し、早期に移設が実現するよう全力で取り組んでまいる考えでございます。
日ロ関係についてのお尋ねがありましたが、戦略的、地政学的提携、幅広い経済的協力、平和条約の締結という三つの課題を同時に前進させることが必要であることについては、日ロ双方で共通の認識があります。領土問題の解決が難しい課題であることは事実でありますが、来るべき日ロ首脳会談では、私とプーチン大統領との間の信頼関係に立ちつつ、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの一貫した目標に向けて、できる限りの進展が得られるように全力を傾けてまいる考えでございます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣河野洋平君登壇〕