森喜朗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(森喜朗君) KSD問題に関連し、中小企業者に対する責任を明らかにすべきとの御指摘がございました。
今回の事件は、御指摘のように、KSDという中小企業向けの共済事業等を行う公益法人をめぐって生じたものであり、その意味において、私としては事態を重く受けとめております。この関連で党の所属議員から逮捕者を出したことについても、残念のきわみであり、公党として、関係の中小企業者を含め国民の皆様に心からおわびを申し上げます。
いずれにしましても、今回の事件については、現在、司法当局において捜査中であり、徹底的に真相究明が行われ、国民の前に真相が明らかにされるべきものと考えます。また、その過程で問題が明らかになれば、断固たる対応をすることはもちろんのこと、真相究明を待つことなく、自民党内の仕組みについて、見直すべきところは率先して見直してまいりたいと考えております。
架空党員等について、自民党として調査、報告すべきとの御指摘がありました。
党からの報告によれば、党員の申込書及び党費は、党則に従い、支部で申し込みを受け付けた後、所定の手続を経て都道府県支部連合会から党本部に届けられるシステムになっておりまして、今回のケースもこうした入党の手続においては問題がなかったと聞いております。
ただいまも申し上げましたとおり、今回の事件については、今後、司法当局による捜査により徹底的な真相究明が行われるべきものと考えますが、自民党としても、真相究明のため全面的に捜査に協力していく所存であり、その進展も見ながら見直すべきは見直していく決意であります。
額賀議員に提供された資金と小渕前総理の施政方針演説との関連などについてお尋ねがありました。
昨年末の段階で額賀氏に確認したところによれば、額賀氏の秘書が古関前理事長から千五百万円のお金を預かり、額賀氏本人は秘書から平成十二年五月に報告を受けて初めて知ったので即座に返却するように命じた、また、古関前理事長から法案や行政など特定のことで依頼を受けたことはないとのことであり、私もそのように受けとめたところであります。
いずれにいたしましても、額賀氏は、秘書に対するみずからの監督責任の問題として厳しく受けとめ、けじめをつけたいとのお考えから辞任されたところであり、私としてもそうした御判断を重く受けとめております。
また、小渕前総理の施政方針演説にものつくり大学が盛り込まれたことについてでありますが、物づくり、すなわち製造業は、我が国の経済や国際競争力の基盤であり、物づくりを担う人材の育成が重要であることや、大学の構想が具体化され、十二年度予算に所要の経費が計上されていたことを勘案すれば、不自然なことではないと考えます。
小山前議員、村上、額賀両議員の証人喚問に関するお尋ねがありましたが、証人喚問については、議院の運営に関することであり、今後の国会審議の状況を踏まえつつ、国会において御判断をいただくべきことであると考えます。
公金横領疑惑に関するお尋ねでありますが、歴代内閣総理大臣の外国出張経費に関し、外務省職員による国民の信頼を裏切る不祥事が起きたことは極めて遺憾であり、この事態を厳粛に受けとめ、国民の皆様にも深くおわびを申し上げます。
今回の事件に対する厳しい反省に立ち、外務省に対して引き続き十分な調査を指示したところであり、政府として、捜査当局による真相解明の進展も見ながら、原因の解明と再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。
報償費に関するお尋ねでありますが、報償費は内政、外交を円滑かつ効果的に遂行するため、その都度の判断で機動的に使用する経費であり、国政の遂行上不可欠なものであります。報償費の運用に当たっては、この際、点検を行った上で、より厳正かつ効果的な運用に十分意を用いてまいります。
なお、外務省報償費が官邸に上納されていることはありません。
有明海のノリの不作に関連して、諫早湾干拓事業についてお尋ねがありました。
この干拓事業については、長崎県を初めとする関係地方自治体や地域住民等の強い要望に沿って、環境にも十分配慮しつつ、着実な推進に努めているものであります。
今般の有明海のノリの不作の原因につきましては、現時点では明らかでありませんが、まずは予断を持たずに徹底的に調査を行うことが重要であると考えており、私から関係者に直接指示をいたしたところであります。
我が国経済は、平成十年秋にはデフレスパイラルに陥るのではないかとの懸念がありました。しかしながら、政府がこれまで取り組んでまいりました大胆かつ迅速な政策運営の効果もあって、我が国経済は、家計部門の改善がおくれるなど依然として厳しい状況にあるものの、全体としては緩やかな改善を続けております。こうした中で、引き続き、景気に軸足を置いて、経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せることが最重要課題であると考えております。このため、昨年十月に決定いたしました日本新生のための新発展政策を着実に実行に移し、今年度の補正予算の迅速的確な執行に努めてまいります。
また、十三年度予算においては、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行うとの観点から、公共事業等に十分な対応を行うとともに、二十一世紀の新たな発展基盤の構築に必要とされる分野に重点的、効率的に資金を配分いたしております。
このように政府としては経済運営に万全を期することとしており、改めて、平成十三年度予算、税制改正法案その他の予算関連法案の一日も早い成立をお願いする次第でございます。
サービス残業根絶のための対策についてお尋ねがありました。
これにつきましては、御指摘の審議会の建議を受けて、今後、始業、終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を示し、それに基づき指導を行うこととなっております。
国民の暮らしを応援する方向に予算の使い道を切りかえるべきだとの御指摘がありました。
政府としては、平成十三年度予算の内容は真に国民の生活を応援するものとなっていると考えております。
真に国民の生活を応援するためには、第一に、経済を健全で活気あふれるものとすることが必要不可欠であります。平成十三年度予算においては、引き続き、景気に軸足を置いて、経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せるべく、高水準の公共事業関係費を確保するなど、十分な対応を行うことといたしております。
第二に、公共事業の中身についても抜本的見直しを行っております。IT革命の推進など、二十一世紀の新たな発展基盤の構築に必要とされる分野に重点的、効率的な資金配分を行う一方で、過去最大となる二百七十二件の事業を中止するなど、効率化、質的改善に努めているところであります。
また、第三に、社会保障への配慮も怠っておりません。社会保障関係費については、少子高齢化の進展に伴い、経済の伸びを大きく上回って社会保障の給付と負担が増大することが見込まれる中で、将来にわたり持続可能で安定的、効率的な社会保障制度の構築に向けた取り組みを行いつつ、メディカル・フロンティア戦略の推進、介護保険制度の着実な実施等を図ることといたしております。
なお、防衛関係費については、効率的で節度ある防衛力の整備に努めているものであり、また、金融システムに関しましては、その一層の安定を図るため、十分な公的資金枠を措置しているものであります。
さらに、国民が安心と希望を持てる処方せんを示すため、財政構造改革の実現に向けた議論を進めていくことといたしております。その際には、新世紀における我が国の経済社会のあり方を展望し、望ましい税制の構築や社会保障制度改革等を幅広く視野に入れて取り組んでまいります。
介護保険についてのお尋ねでありますが、介護保険制度は国民皆で介護を支え合うものであり、住民税非課税の方々についても、負担能力に配慮しつつ、保険料や利用料を御負担いただいているところであります。
これまで自治体から報告を受けたところでは、保険料の収納状況は順調であり、利用者の負担が重いためサービスの利用を抑えている例は少ない状況にあります。むしろ、介護保険の導入により、サービス利用者の増加や提供量の拡大といった効果があらわれているところでもあり、今後とも、市町村を初めとする現場からの御意見に十分耳を傾けて、介護保険をよりよい制度へと育ててまいりたいと考えております。
男女の賃金格差は年々縮小しているものの、平成十一年の調査によれば、女性の平均所定内給与額はなおも男性の約六五%となっており、男女間で賃金格差が存在することも否定できないと考えております。これには、職種や職務上の地位が男女で異なること、女性の勤続年数が男性に比べ短いことなどによるところも大きいと考えられております。
今後とも、男女雇用機会均等法に基づく基本方針等を踏まえつつ、雇用の場における男女の実質的な均等の確保対策を積極的に進めていくとともに、パートタイム労働法に基づき、パートタイム労働者の適正な労働条件の確保等を図るため、必要に応じて事業主に対し指導、勧告等を行うことといたしております。
育児、介護を行う男女労働者の時間外労働の制限についてのお尋ねでありますが、昨年十二月に女性少年問題審議会から、これらの労働者については、一年間に百五十時間を超える時間外労働の免除を請求できる法的枠組みを創設することが適当との建議がなされており、これを踏まえた育児・介護休業法の改正法案を今国会に提出することといたしております。
保育所の整備についてお尋ねでありますが、現在、新エンゼルプランを積極的に推進するとともに、保育所に関する規制緩和を行うなど、保育所入所待機児童の解消などに向けて、国と地方公共団体が一体となった取り組みを進めているところであり、今後とも、利用者の多様なニーズに対応した保育サービスの整備に取り組んでまいります。
子供の学力についてのお尋ねがありました。
我が国の子供の学力は、数学、理科の国際比較調査によれば国際的にトップクラスでありますが、その一方で、勉強が好きである者や、将来、学んだことを使う仕事がしたいと思う者の割合が最低レベルであるなどの状況にあると承知いたしております。こうした点を踏まえた場合、我が国の子供の学力は全体としておおむね良好ではありますが、学ぶ意欲や知的好奇心、探求心などの育成が重要であると考えられております。
このため、平成十四年度から実施される新しい学習指導要領においても、基礎、基本の確実な定着はもとより、みずから学び、みずから考える力などの生きる力の育成を図ることといたしております。各学校において、こうした新しい学習指導要領の趣旨が実現されるよう努めてまいります。
教育内容についてのお尋ねがありました。
新しい学習指導要領においては、知識の詰め込みになりがちであった教育を改める観点から、教育内容を厳選し、各学校において創意工夫を生かしたきめ細かな教育が展開されることにより、子供たちに基礎、基本を確実に身につけさせることはもとより、みずから学び、みずから考える力や、豊かな人間性などの生きる力がはぐくまれるようにいたしております。今後とも、こうした新しい学習指導要領の趣旨の実現に取り組み、体徳知のバランスのとれた全人教育を推進してまいります。
競争的な教育制度についてお尋ねがございました。
過度の受験競争の問題は、改革に取り組むべき教育課題の一つと考えており、このため、学力試験に偏重した入学者選抜から、生徒の多面的な能力、適性等を多様に評価できるような入学者選抜に改善を図ってまいります。また、あわせて、ゆとりの中で学ぶ楽しさを実感できるよう、教育内容を厳選し、体験的学習を重視するなど、教育内容や方法の改善に努めてまいります。
高等学校の通学区域及び中高一貫教育校についてのお尋ねがありました。
高等学校の通学区域については、今国会に提出予定の関係法案において、規制緩和の観点から、その設定について各教育委員会の判断にゆだねようとするものであります。
また、中高一貫教育は、ゆとりある安定的な学校生活の中で、個性や創造性を伸ばすため、特色ある教育を行うことを趣旨とするものであり、受験競争の低年齢化を招かないよう十分に留意しているところであります。
さらに、奉仕活動の義務化についてお尋ねがありました。
さまざまな奉仕体験活動等を通じて社会性や豊かな人間性をはぐくむことは極めて有意義なことと考えますが、奉仕活動を推進するに当たっては、児童生徒の発達段階や自発性に配慮したり、地域の実情に応じた多様な形で行われることが大切であります。今国会に提出予定の関係法案は、児童生徒の奉仕体験活動等を促進するためのものであって、児童生徒に対し、奉仕体験活動等を法律上義務づけることは考えておりません。
三十人学級についてのお尋ねがありました。
今後の教職員定数の改善については、学級編制の標準を一律に引き下げるのではなく、子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導のため、教科等に応じて少人数指導を行うなど、学校の主体的な取り組みを支援する観点に立って進めてまいりたいと考えております。
有事法制は何のためのものか、また、有事法制の検討を撤回すべきとのお尋ねがございました。
国民の生命財産を守ることは政治の崇高な使命であり、政府としては、我が国の危機管理体制を一層強固なものとして遺漏なきを期すため、これまで種々の対応を行ってまいりました。かかる観点から、有事法制は、自衛隊が文民統制のもとで国家国民の安全を確保するために必要であり、平時においてこそ備えておくべきものであります。
このため、政府としては、昨年の与党の考え方を十分に受けとめ、検討を開始していくことといたしました。本検討は、言うまでもなく憲法の範囲の中で行うものであり、旧憲法下の国家総動員法のような法制について検討することはありません。したがって、本検討を撤回する考えはございません。
我が国外交の原則並びに有事法制及び中期防衛力整備計画についての御意見がありました。
我が国の外交は、我が国と国民の安全と繁栄を確保することを目的といたしており、このためには、我が国の位置するアジア太平洋地域の平和と繁栄を確保しなければなりません。また、我が国は、日米同盟関係を基軸としつつ、地域における対話を推進して、近隣諸国との関係強化を進めてまいります。その際、我が国が過去の歴史を忘れてはならないことは当然のことであります。
しかしながら、現実の世界において、対話を初めとする外交努力と同時に、万が一に向けた備えも欠かせません。有事法制は、自衛隊が文民統制のもとで国家国民の安全を確保するために必要であり、平時においてこそ備えておくべきものであります。また、中期防衛力整備計画は、防衛計画の大綱のもと、継続的かつ計画的に防衛力を整備するために作成したものであります。政府としては、これらの施策等により、今後とも我が国の安全保障に遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
米軍基地の縮小、兵力削減、NLPに関してのお尋ねがありました。
政府としては、特に在日米軍施設・区域の約七五%が集中することなどによる沖縄県の方々の御負担を軽減するため、今後とも、SACO最終報告を踏まえ、日米間で緊密に協議しながら、その着実な実施に最大限努力してまいります。
また、米空母艦載機夜間着陸訓練につきましては、パイロットの練度維持及び向上のため重要なものであり、政府としてその中止を求める考えはありませんが、飛行場周辺の住民に対する騒音の影響をできるだけ軽減するため、可能な限り多くのNLPが硫黄島で実施されるよう米側に申し入れております。
なお、御指摘のヘイルストン調整官の発言については、一連の事件を踏まえ、在沖海兵隊におけるさらなる綱紀粛正の強化を配下の司令官に求めるために発せられた私的な電子メールにあると承知しております。私的な電子メールの中のものとしてもかかる表現は適切でないと考えておりますが、同調整官は既に、本日発表した声明の中で、本件に関しおわびを表明していると承知をいたしております。
政府としては、今後とも、地元関係者の方々の御理解と御協力をいただきながら、沖縄における米軍関係者とも密接に協力して、事件、事故の防止に取り組み、よき隣人関係が発展していくように努力していく考えであります。
日米同盟と我が国の外交についてのお尋ねがありました。
日米同盟関係は我が国外交の基軸であり、その中核をなす日米安保体制は、これまで我が国の安全及びアジア太平洋地域の安定と発展のため有効に機能してきたと評価しております。この日米安保体制の意義は、今日もいささかも変わることはございません。政府としては、今後とも、日米同盟関係を基軸として、近隣諸国との関係強化、グローバルな取り組みへの積極的な参画などを行い、アジア太平洋を初めとする国際社会の安定と発展のため努力してまいる所存であります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣河野洋平君登壇〕