森喜朗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(森喜朗君) 土井党首から大変お元気な、そして力強い御発言がございましたし、御叱正もいただきました。できるだけ御質問、お尋ねというところをメモをしながらお答えするんですが、御意見の御開陳も大変多かったものですから、どこまでお答えをしていいのかちょっと悩むところも随分ございました。ぜひその点は御理解をいただきたいと思います。
 KSDから政界に流れた資金とものつくり大学設置などとの関係についてお尋ねがありました。
 今回のKSDをめぐる事件は、繰り返し申し上げているとおり、政治に対する国民の信頼を損なうものであり、私としても、大変遺憾でありまして、極めて深刻に受けとめております。他方、議員御指摘のアイム・ジャパンやものつくり大学の設立については、いずれもその趣旨、事業内容等の審査を経て適切に許認可がなされたものと承知をいたしております。
 現在、KSDをめぐる資金の流れについては司法当局による捜査が行われておりますが、徹底的に真相究明がなされ、国民の前に真相が明らかにされるべきであると考えております。自民党としても、真相究明のために全面的に捜査に協力してまいる所存であります。
 KSD事件に関連し、架空党員の問題や党としての調査への取り組みなどについての御質問がありました。
 先ほどもお答えを申し上げましたとおり、党からの報告によれば、党員の申込書及び党費は、党則に従い、支部で申し込みを受け付けた後、所定の手続を経て都道府県支部連合会から党本部に届けられるシステムになっており、今回のケースもこうした入党の手続においては問題がなかったと聞いております。いずれにいたしましても、架空党員という指摘を受けているのは残念でありまして、このようなことはあってはならないと考えます。
 今回の一連の事件については、御指摘の点も含め現在司法当局において捜査中であり、徹底的に真相究明が行われ、国民の前に真相が明らかにされるべきものと考えております。その過程で問題が明らかになれば、断固としてこれに対処することはもちろんのこと、真相究明を待つことなく、自民党内の仕組みについて見直すべきところは見直してまいる決意でございます。
 例えば、入党手続は適正であったといたしましても、架空党員や立てかえ党費という指摘を受けていること自体極めて残念であり、こうした指摘があることを踏まえて、党員集めが適正に行われているか党内でしっかりとチェックするシステムをつくるべく、具体的作業にただいま着手したところであります。
 厚生労働省に対する調査に関するお尋ねがありました。
 KSDの役員の中には労働省出身者を初めとする公務員歴を有する者がおりましたが、このことによって労働省のKSDに対する指導監督に影響を及ぼしたことはないものと考えております。
 労働省の職員に対しKSDが行ったとされる接待等については、現在、厚生労働省において内部調査を行っていると承知しており、調査の結果、不適切な事案があれば、しかるべく措置をするよう指示をしたいと考えております。
 KSDと金融機関との関係についてのお尋ねですが、金融庁においては、金融機関によるKSDの会員勧誘に関する実態を把握するためにその全貌を取り急ぎ調査し、さらに現在、この実態調査等を踏まえ、法令に基づく報告徴求を含むさらに踏み込んだ実態解明に取り組んでいるところであると承知しております。その結果、不適切な業務運営が認められた場合には、その内容に応じ、法令に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
 なお、御指摘の問題に金融当局が関与しているというようなことは承知をいたしておりません。
 村上議員にかかわる党費の立てかえなどについてのお尋ねがありましたが、村上議員は、御自分の支持団体であるKSDをめぐる状況について、極めて遺憾なことであり、申しわけないと思うとの理由で自民党参議院議員会長を辞任されました。今後とも、村上議員御自身が、みずからの疑惑を晴らすための努力をされるものと考えております。
 リクルート事件以降の政治改革に関する国会の取り組みについての御指摘がありました。
 残念ながら、今回の事件も含め、これまで政治家と金をめぐる事件が絶無とならず、政治不信を招くような不祥事が起こってきたことは、私としても極めて深刻に受けとめております。
 現行の選挙制度や政治資金制度は、御指摘のリクルート事件以来、長期間の政治改革論議を積み重ねた結果、平成六年に、選挙や政治活動を従来の個人中心の仕組みから政策本位、政党中心の仕組みに改める趣旨で導入されたものであります。
 その後も、資金管理団体に対する企業・団体献金の禁止、あっせん利得罪の創設など、政治倫理の確立等について制度面の改正が行われてきたところであります。
 政治改革が目指すものは国民の政治に対する信頼を確立することであり、そのためには、まず何よりも政治家個々人の政治倫理の確立が重要であると考えております。また、あわせて諸制度についても不断に見直しを行い、見直すべきところは見直していくことが重要であると考えております。
 政党に対する企業・団体献金の禁止に関してのお尋ねがありました。
 企業・団体献金については、政党本位、政策本位の政治を目指す政治改革の理念を踏まえ、既に昨年から、政治家個人に対する企業・団体献金が禁止されたところであります。
 一方で、政党に対する企業・団体献金につきましては、最高裁判例でも、企業は憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を持つことは認められており、これをおよそ悪と決めつける論拠は乏しいと考えております。
 いずれにせよ、政治資金のあり方につきましては、透明性を高めつつ、民主主義のコストをどのように国民に負担していただくかという観点から、各党各会派において御議論をいただくべきものと考えます。
 報償費に関するお尋ねでありましたが、歴代内閣総理大臣の外国出張経費に関する外務省職員による事件につきましては、国民の信頼を裏切る不祥事が起きたことは極めて遺憾であり、この事態を厳粛に受けとめて、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。
 政府としては、今後の捜査当局による真相解明の進展も見ながら、原因の解明と再発防止に万全を期してまいります。
 外務省報償費の内閣官房報償費への流用については、そのようなことはございません。
 報償費の使途について、これを公開することは、報償費の機動的な運用や内政、外交の円滑な遂行に重大な支障を来すので困難と考えられます。
 内閣官房の報償費の運用については、この際、点検を行った上で、より厳正かつ効果的な運用に十分意を用いてまいる所存であります。
 九州・沖縄サミットにおける予算処理についてのお尋ねがありました。
 本件については、外務省において十分な調査を行っているものと考えております。
 なお、新聞の報道を土井議員引用されて、細川内閣から小渕内閣までの話と私が言った旨、言及がありました。これは、記者のいわゆるぶら下がり質問に答えて、歴代内閣にまたがる本件に関し、河野外務大臣だけが政治家として責任を負われたことでよいのかという私の考えを述べたにすぎず、私自身のことを云々したものでないことを念のために申し添えておきたいと思います。
 歴史教科書についてのお尋ねでありますが、歴史教育は、児童生徒が我が国の歴史に対する理解と愛情を深め、国際協調の精神など、国際社会に生きる民主的、平和的な国家社会の形成者として必要な資質を身につけることを目指して行っているところであります。
 教科書発行者が編集し作成する歴史教科書の検定については、このような観点から、文部科学省において学習指導要領や検定基準等に基づき適切に実施されるものと承知をいたしております。
 有事法制について、なぜこの時期に検討することとしたのかというお尋ねがありました。
 国民の生命財産を守ることは政治の崇高な使命であり、政府としては、我が国の危機管理体制を一層強固なものとして遺漏なきを期すため、これまで種々の対応を行ってまいりました。かかる観点から、有事法制は、自衛隊が文民統制のもとで国家国民の安全を確保するために必要であり、平時においてこそ備えておくべきものであると考えます。
 有事法制については、これまで、国会審議などにおいて、その取り扱い、必要性等種々の御論議をいただくとともに、安全保障にかかわる種々の事案の発生等を経て、昨年、与党から、法制化を目指し検討を開始するよう政府に対して要請がなされ、政府としての対応を考えてまいりました。かかる経緯を踏まえ、政府としては、与党の考え方を十分に受けとめ、検討を開始していくことといたしました。もとより、本検討は憲法の範囲内で行うものであることは言うまでもございません。
 公共事業等予備費についてのお尋ねがありました。
 我が国の経済は、現在、緩やかな改善を続けておりますが、依然として厳しい状況にあり、また、米国経済の減速など懸念すべき点も見られております。こうした経済情勢においては、その変化に機動的に対応するための備えが必要であり、十三年度予算における公共事業等予備費の計上は、公需から民需への円滑なバトンタッチに万全を期す観点から必要な措置であると考えております。
 他方で、我が国の財政状況は、主要先進国の中でとりわけ厳しい状況にあります。財政構造改革については、我が国経済を自律的回復軌道に乗せつつ、その実現に向けて議論を進めてまいります。
 その際には、常に申し上げておりますように、新世紀における我が国の経済社会のあり方を展望し、望ましい税制の構築や社会保障制度改革、中央と地方との関係まで幅広く視野に入れる必要があると考えております。
 経済財政諮問会議の議員の構成についてお尋ねがありました。
 経済財政諮問会議の議員については、法定されている官房長官、経済財政政策担当大臣のほか、各省大臣及び関係行政機関の長として、経済全般または財政全般に影響を与え得るような事務を所管する財務、総務、経済産業の各大臣及び日本銀行総裁を指定いたしました。
 また、民間の有識者については、会議の機能を最大限に発揮し、その目的を達成するためには、経済財政政策に関して高い識見を有する方に参加していただくことが重要であると考え、実際に経済活動に従事されている方と理論研究や実証研究に従事されている方を選ぶという観点から人選を進めた結果、経済界と学者の方からそれぞれ二人ずつお願いをした次第であります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕

発言情報

speech_id: 115105254X00320010206_014

発言者: 森喜朗

speaker_id: 27194

日付: 2001-02-06

院: 衆議院

会議名: 本会議