矢島恒夫の発言 (本会議)

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○矢島恒夫君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇一年度地方財政計画ほか地方税財政関係三法案に対して、関係大臣に質問いたします。
 新年度末には、国と地方の借金が六百六十六兆円と見込まれ、そのうち、地方分が百八十八兆円にも達します。全国の市町村の六割が財政運営の危険状態にあります。二〇〇一年度の地方財政は、十兆円を超える財源不足額が見込まれています。問題は、こうした地方の財源不足と累積赤字に対して政府が有効な打開策を示すことができないことであります。危機的状況の打開の方向が政府から何ら示されないことであります。
 第一に必要なことは、財源不足と累積赤字の主な原因となっている開発型公共事業の地方への押しつけを根本から見直すことであります。
 例えば、地方財政白書でも、「公債費の構成比が高い水準にあるのは、昭和五十年度以降の巨額の財源不足、平成四年度以降の経済対策等に対処するため、国・地方を通じて大量の公債が発行されたことによるものである。」と、政府自身が認めているではありませんか。
 さらに、報道されているように、宮崎県のシーガイアが破綻しました。この第三セクターは、リゾート法第一号として進められ、施設建設には、当初計画の九百億円が最終的には二倍以上の二千億円にもなり、現在の借金は二千七百億円で破綻したものであります。このような開発型の第三セクターの破綻は、むつ小川原開発や苫小牧東部開発を初め全国至るところにあり、今後引き続き地方財政を圧迫することは間違いありません。
 開発型の第三セクターを全国的に展開、誘導してきたのは政府なのであります。シーガイアの破綻について、総務大臣は財政支援を検討していると報じられていますが、こうした開発型第三セクターを全国に誘導してきた政府の責任についてどう考えておられるのか、総務大臣の答弁を求めます。(拍手)
 このような状況のもとで、新年度の地方財政計画では、依然として開発中心の方針は変わらず、投資的経費を二十七兆円とし、そのうち、地方の単独事業は十七兆五千億円とされ、投資的経費のうち三分の二近くが地方の単独事業となっています。これらの単独事業の大部分は借金で賄われるもので、地方の借金がどんどんふえる仕組みは新年度でも全く変わっていません。このままでは、百八十八兆円の地方の借金はますます膨れ上がり、決定的な破綻を招くことは当然ではありませんか。しかも、この六年間連続して地方単独事業は決算額が計画額を下回り、今年度は計画額を四兆円近くも下回ると言われているのであります。
 今こそ、開発型公共事業を根本から見直し、地方財政再建の道に方針を転換するべきと考えますが、総務大臣の答弁を求めます。(拍手)
 この危機的な財政状況の中で、地方自治体は、住民の暮らしや福祉、教育を守るため懸命な努力をしています。今、国がやるべきことは、こうした自治体の努力を支援することであります。
 例えば、介護保険に対する高齢者やその家族の要望は緊急かつ重要であります。民主医療機関連合会の全国調査では、三千二百五十一自治体のうち、利用料または保険料の減免制度を行っている市町村は六百六十六自治体に広がり、全体の五分の一に及んでいます。これらの自治体は、苦しい財政のもとでも大変な努力をしています。
 ところが、厚生労働省は、これらの自治体の努力に背を向け、保険料の減免などに対して圧力をかけるなど、まさに国民の願いを踏みにじっています。
 今、国がやるべきことは、国民だれもが安心して長生きでき、家族も安心できるように、苦しい財政のもとで努力している地方自治体に対し、保険料や利用料の減免に対する財政的な裏づけを国の制度として確立することではありませんか。厚生労働大臣の答弁を求めます。(拍手)
 第二に、不況で税収減が続いている中で、所得税、住民税の最高税率の引き下げ、法人税、法人事業税の基本税率の引き下げなど、大企業・大金持ち減税を実施してきたことが地方財政に重大な影響を与えたことは軽視できません。
 政府は、日本の法人課税は諸外国に比べて重くなっているなどとして、法人関係税の税率引き下げを行ってきました。その中身は、減税総額の五五%、半分以上が大企業に集中する大企業減税、大金持ち減税です。大企業、大金持ちに対する減税をもとに戻して税収を確保することは、地方財政の危機を解決する重要な方法であります。その決意があるかどうか、総務大臣の答弁を求めます。
 単独事業の推進や公債の大量発行など、無責任な財政運営を地方に押しつけてきた結果がこのような財源不足を生じさせているわけです。地方交付税法は、こういう財源不足を生じさせないように、政府の責任で制度の改正とか交付税率の引き上げを求めているのです。ところが、政府は、こうした対策をとってきませんでした。地方財源不足に対し、場当たりで小手先の対策に終始してきたことこそ、巨額の債務残高を背負うことになった最大の要因であると考えますが、総務大臣の見解を求めます。(拍手)
 財政危機が生じる、こうした構造にメスを入れなければならない政府が、そのツケを地方自治体と住民に押しつけることは断じて許せません。その手法の最大のものが市町村合併の強制であります。
 昨年十二月の行革大綱には、千という数値を市町村合併の目標として明記し、あらゆる手段を講じて合併を推進しています。なぜ千なのか、これは政府の目標なのか、総務大臣の明確な答弁を求めます。
 また、総務省は、合併補助金を二〇〇一年度の予算で前年度比十八・八倍と大幅に増額いたしました。これは、国庫補助金は整理する、新設は厳に抑制するとの基本方針をみずから決めながら、合併のためにはその基本方針をもねじ曲げるというものであり、上からの合併誘導そのものではありませんか。総務大臣の答弁を求めます。
 大蔵省は、この補助金の創設に当たって、地方分権の流れに逆行するものとして反対をしましたが、今でもその姿勢に変更はないのか、財務大臣の答弁を求めます。
 合併の是非を論じる協議会の設置の要望が住民から出され、それを議会が否決した場合にだけ住民投票制度を導入することが検討されていますが、これは、住民投票制度の御都合主義的つまみ食いというものであります。住民投票というなら、合併するかしないかを判断する最も適切な時期に、住民の最終判断を仰ぐために実施することが重要ではありませんか。答弁を求めます。
 また、ようやく市町村の合併パターンを策定し終えた知事に対して、また新たに合併重点支援地域を知事に設定させるなど、市町村合併の促進をさらに要請しようとしていることも自主性を損なうものではありませんか。
 政府は自主的を看板にしていますが、このような強引な手法の導入によって、対象となる多くの市町村は、ひしひしと圧力を感じると受け取っているのであります。それは、何よりも、こうした政府のやり方に対して全国町村会や議長会が、強制するなとの緊急決議を上げて、異議を唱えていることにはっきりあらわれています。総務大臣は、この緊急決議をどのように受けとめておられるのか。国と地方が対等、協力というなら、それこそ市町村が強制ととらえざるを得ない強引なやり方は、この際、きっぱり中止すべきであります。明確な答弁を求めます。
 次に、地方税法の改正に関連して質問いたします。
 今回、グリーン税制の導入ということで、保有税である自動車税に軽減あるいは重課の措置がとられることになりました。総務省は、これまで、自動車公害の対策について、保有税での軽減措置を拒否してきましたが、今回、自動車税に軽減措置を導入することになったのは、従来の考えを見直したのかどうか、答弁を求めます。
 また、こうしたグリーン税制導入の背景には、尼崎公害訴訟の和解、名古屋南部大気汚染訴訟の判決などがありますが、和解や判決が排気ガス対策などで求めた直接の当事者は国であります。そういうことから考えれば、グリーン税制は国の制度としてこそ導入されるべきではないでしょうか。制度の導入が見送られた理由について、財務大臣の答弁を求めます。
 また、軽減税率と重課税率は全体として税収中立となるように設定されていますが、これはなぜですか。誘導策をより効果的ならしめるためにも、軽減措置をもっと拡大すべきではありませんか。地方の税収減に配慮したと言うなら、既に決定されていた株式等譲渡益課税の申告分離の一本化を予定どおりに行えば、三百億円近い地方の増収が見込まれると言われます。なぜ、これを二年延長するのか。きっぱり来年度から実施すべきであります。
 ここにも、大金持ち優遇で、地方財政を顧みない政府の姿勢があらわれていると断ぜざるを得ません。これを財源にすれば、軽減措置をさらに拡大することも、逆に、重課の自動車については、その負担をもっと軽くできたはずであります。なぜそうしなかったのか、総務大臣の答弁を求めます。
 最後に、地方自治、地方財政にとって最も肝心なことは、地方への権限の移譲であり、そして税財源の移譲であります。これを抜きにした地方分権はありません。いつ実施するのか、明確な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣片山虎之助君登壇〕

発言情報

speech_id: 115105254X00820010222_016

発言者: 矢島恒夫

speaker_id: 27563

日付: 2001-02-22

院: 衆議院

会議名: 本会議