河野洋平の発言 (外交防衛委員会)
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○国務大臣(河野洋平君) これまでの世界の外交の流れについてお述べになりました。私も同感するところ多々ございます。
御答弁を申し上げる前に幾つか気がついたところを申し上げますと、確かにあの湾岸戦争というものは、日本の国際貢献のあり方について議論があったことは事実でございます。
しかし、一月に実はアメリカへ参りましてパウエル国務長官と会って会談をし、その後昼食を一緒にとったわけですが、その中で、パウエル長官は非常にはっきりと、あの湾岸戦争における日本の貢献というものは自分にとってはもう大変ありがたかったと。実際問題、あの湾岸戦争にパウエル長官は直接的にかかわっておられたわけで、その点は非常に強い印象をパウエル国務長官は持っておられて、今でもはっきりと覚えている、あのときの日本の貢献がなければ湾岸の我々の作業はできなかった、あれはもう本当に日本の果たしてくれた役割を自分は高く評価しているということをパウエルさんは繰り返し言われました。
それから、ジャパン・パッシングという議論がここ一、二年出まして、どうも日本の頭越しで中国へ行っちゃうんじゃないか、あるいはアジアの国へ行ってしまうんじゃないかというようなことで、日本側に若干のいらいらがあったということも、私は、そう思っていらっしゃる方がおられることは承知しています。
しかし、アメリカ側の気持ちからいえば、むしろもう日本は十分立派な一本立ちをしている国であって、その都度その都度肩をたたいて大丈夫だね大丈夫だねなんて言う必要はないんであって、むしろアメリカにとってやるべきことは、もっとほかの国に対してエンカレッジをする、あるいはサポートをするということが大事だというふうに、アメリカはむしろそんなふうに思っていたんではないかという感じもするんです。
しかし、知日派と言われるアメリカ人の中では、それは日本人の感情からいうと決していいやり方ではないよと、やはりアジアへ行くなら日本に立ち寄る必要があるねという注意などもあって、アメリカ側は、ジャパン・パッシングというのは決してやってはならないことだという感じを持たれただろうと思うんです。
その後、アメリカの日本に対する対応はむしろ非常に何といいますか丁寧な対応に現在はなっているというふうに思います。恐らく、十月ですかAPECが上海で行われる、それにアメリカの大統領は出席をされる。その前後には日本に立ち寄りたいというようなことがワシントンから漏れ伝わってくるというようなことを考えますと、アメリカは決してジャパン・パッシングなどという政策をとるということは私はないというふうに感じているわけです。
それから、アメリカ外交で三つの原則を広中議員がおっしゃいました。私の理解は、中ロ関係の安定というよりは、対中政策、対ロ政策を非常に重視していくんだというのが一つ。それから同盟国を重視する、これはもう間違いなくそういう感じでございます。それから対外的な介入、特にこれはイスラエル、パレスチナの問題などにも介入は一定の限度を示しているようなところがあって、これもまさにおっしゃるとおりだというふうに私は思います。
そういうアメリカの原則を見ながら、日本の外交の原則といいますか、外交政策というものは一体どういうことだというお尋ねでございますが、私、せんだってここでも申し上げましたように、日本の外交政策というものはこれから、もちろん日米というのは外交の基軸であることは論をまちませんけれども、それ以外にも我々は近隣諸国との関係をできるだけ大事にしていくということを考えなければならないだろうと。それから、文明間の対話というものもやらなければならないと思っていますというようなことを新たにつけ加えて、これまでの外交政策に私はこの二つをあえて重視しますということをつけ加えさせていただいたということでございます。
アメリカの対外介入の縮小というのはアメリカの考え方でありますけれども、私は、パウエル長官と会って話をしたときに、アメリカはむしろマルチの会談、マルチの政策にもう少し積極的にかかわったらどうだと。私は、アメリカが少しマルチの仕事をやらな過ぎる、例えばユネスコで席を持っていない、これはアメリカは世界の文化とか教育にもっと積極的に参加されたらどうですかということを申し上げたり、あるいはCOP6などにもアメリカはもう少し積極的に協力をされたらどうかと思っていますよと。さらにはCTBTについてもアメリカの態度というものは我々にはどうも理解できませんねということなどをパウエルさんにはいろいろぶつけてみました。
どういうふうにお感じになったかその場で返事はいただけませんでしたけれども、まあその後漏れてくるところを聞くとなかなか厳しい判断のように聞いておりますが、私は、アメリカに対しても率直に物を言うべきだというふうに考えた次第でございます。