大森礼子の発言 (憲法調査会)

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○大森礼子君 公明党の大森礼子です。
 私の印象を述べさせていただきます。
 まず、日本国憲法とそれからアメリカ憲法とでは、改正あるいは修正が非常に難しい硬性憲法であるというような共通点があります。そこで、こういう憲法のもとで新しい人権というものをどう位置づけるかということに私は興味を持ちました。
 岩城委員の報告と重なるところがあるんですけれども、例えばオコナー最高裁判事は、新しい権利については法律によって確保するもので一々憲法を修正する状況ではないというお答えでしたし、それから連邦議会調査局のナントさんそれからトーマスさんの話では、これらについても連邦法を制定する、これで解決を図る方が現実的だろうと、こういうお答えでした。
 それで私は、連邦議会調査局のところで、要するに法律によって対応するという、これは非常に実務的なんですけれども、それでは解決しない問題があるように思ったので、次のように質問したわけです。つまり、法律によって対応するということは、憲法改正が困難であるからやむを得ず法律で対応せざるを得ないということなのか、それともいわゆる新しい人権というものがいまだ憲法上の人権として規定するに至っていないからそれでよしとするのか、どちらでしょうかと質問したのですが、なかなか明確な答えはありませんでした。
 もしかしたら憲法上の人権というものと法律上の人権というのをアメリカでは余り意識されていないのかもしれませんけれども、特に日本では憲法上の人権として規定すべきかどうかということは非常に大きな問題となっております。それはなぜかというと、やはり憲法で規定すると、その人権というのは時の法律によって変えることができないという、こういう効果を持つわけでありまして、やはり憲法上の人権と法律で認める人権とは明確に区別されるんだろうと思います。
 ここのところでいろんな方から伺って思ったことですが、アメリカの場合には最高裁の憲法判断についての信頼というものが非常に高いと。例えばジョージタウン大学のタシュネット教授の方も、最高裁の判決による解釈が実質的な修正の役割を果たしており、必要な状況に対応しているということなので、この判例によって、最高裁の判断によって憲法上の解釈が示されるということで解決しているのだなと、このように思いました。日本の最高裁とアメリカの最高裁のあり方、これについても検討してみる必要があるのかなと、このように私は思いました。
 次に、私が興味ありましたのは、立法府としての議員活動がどのようになされているかということでした。
 ロックフェラー上院議員のお部屋にお邪魔したわけなんですけれども、部屋が向こうはめちゃくちゃ広いという、これはもう予想しておりましたけれども、本当に執務環境は非常にすばらしかった。それからロックフェラーさんが、議員事務所のスタッフは四十名、さまざまな政策分野の専門家がおりますよと。ヘルスケア専門、環境政策、国際関係、アジアの関係等々、これは報告書に書いてあるとおりです。それで、いろんなところで自分のスタッフというものをヘッドハンティングといいますか、見つけてはそこで交渉して自分の事務所に来てもらうという、こういう形でスタッフを整えているということがわかりました。
 それで、いろいろ数字を調べてみまして、議員歳費という点では日本の国会議員の方が、これは上院ですけれども、上院議員よりもよいと。日本の場合は年間大体二千四百万、アメリカの場合は大体千五百万ぐらいでしょうか、になります。ところが、議員歳費以外の支給額という点で、日本ですとこれは文書交通費と議員秘書手当がこれになると思うんですが、これが大体四千四百万ぐらいです。これに対応するアメリカの上院の場合の費用がどうなっているかということを見ますと、これは職務手当というものとそれから秘書手当という、これが対応しますので足してみますと、この支給額というのは、州の大きさとかそれからワシントンDCまでの距離とかによってそれぞれ違うそうですけれども、大体一ドル百二十円で日本円に換算しますと二億三千万円から三億六千万円とかという、全然違う。
 ただ数字だけを、金額だけを比較するというのはいけないと思いますが、なぜ四十名ものスタッフが雇えるのかと考えたときに、上院の方では職務手当と秘書手当それぞれに流用、交互に流用できるので、その範囲内でいろんなことをやるんだという、こういうことがわかりました。ただ金額、たくさん要るというのではなくて、これについてはイギリス、ドイツ、ほかの国とも比較してみる必要があると思います。
 いずれにしましても、これから議員立法とかそういうことが大事になってくるに従って、それだけの、立法するだけの十分な体制がとれているかどうかということもやはり真剣に検討すべきではないかと私は思います。
 それから一つ、連邦議会調査局も訪問しましたけれども、議会図書館に属するということで、報告書にもありましたとおり、両院、委員会議員及びスタッフの活動を援助するということで、年間十万件の調査例がある、約七百五十名のスタッフがいるということでありました。それぞれの方が非常に専門化されているということであります。日本のように、これは調査室制度がありますけれども、各委員会に対応するという、これは果たして能率的なのかどうかと。人員とかそういう専門化の状況とか比べて、これもやはり検討する必要があるのではないか、このように考えました。
 以上です。

発言情報

speech_id: 115114184X00220010221_008

発言者: 大森礼子

speaker_id: 25326

日付: 2001-02-21

院: 参議院

会議名: 憲法調査会