山下栄一の発言 (憲法調査会)

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○山下栄一君 公明党の山下でございます。
 ことしの一月の委員派遣の、参議院の憲法調査会のメンバーを中心とする調査ですけれども、大変精力的に懸命の調査活動されたんだなということを団長初め参加の方々の御意見ちょうだいしながら感じたんですけれども。
 私、今それをお聞きしながら、私はアメリカ余り行ったことありませんし、こういう憲法の観点からそんなに考えたことございませんでしたので、今御報告を聞いた範囲でございますけれども、基本的に日本の政治風土とアメリカの政治自治風土といいますか、基盤のところで違うんだなと。特に、憲法を変えるとか変えないとかということから始まったと思いますけれども、そのもっと以前のところで国民の意識が違うなというふうなことを何となく今感じまして、要するにアメリカの場合は伝統、憲法も成文憲法、一番古い話もございましたけれども、同じ硬性憲法でも背景が違う。
 日本の国民の場合は立法、行政、とりわけ立法、行政ですけれども、三権そのものに対する信頼が余りないんじゃないのかなという、何となく司法が最後のとりでかなというふうなことを思っていたと。ところが、その司法そのものもちょっと危ういぞと。立法府の議員はもとから信頼は余りない、行政は税金むだ遣いしとるんちゃうかというふうな、そんな司法も何となく身近でないから、信頼とか信頼しないという以前の問題があったと思いますけれども。聞いてみたら、三権そのものが揺らいでおるというふうな、だから何となくアメリカの場合は最後のとりでがあるというふうなことを何となく感じていると。それが先ほどのお話では最高裁であり、もう一つやっぱり地方自治という、自分たちでつくり上げてきたんだというそういう意識があると。合意をつくりながら自分たちでつくり上げてきたんだと、コミュニティーも、場合によったら州もというふうな。
 そういうことで、日本の国民は何となく憲法というものしかないな、最後のとりではと。それをそう簡単に変えられたんじゃたまらぬなというふうなものがやっぱり何となくあるんじゃないのかなと、そういうことを聞きながら感じました。
 さまざまなものが音をたてて権威が崩れておるわけですけれども、身近で言えば、昔はお巡りさんとか学校の先生が信頼があったけれども、お巡りさんとか学校の先生、それが今悪いことをしておるというふうなこと。家族も、お父さん、お母さん、親が子供を殺すというふうな、考えられない、親子のきずなは一体何なのか、そこが崩れたら人間は何なんだというふうなところまで今いきかけておると。
 信頼ということが感じられない人がどんどんふえているというふうな状況の中で、コミュニティーといいますか、一番身近な人のきずなをつくっていくというふうなことから始めないと、実感のこもる身近なところから始めないと、家庭もそうですけれども地域もこういう信頼感を養成していかないと、憲法というふうな議論までなかなかいかぬのじゃないかなというふうなことを感じた次第でございます。
 それともう一つは、先ほどの言葉の中で、だれでしたか最高裁の判事さんでしたか、基本的人権というのは自然権ではないというふうなことをおっしゃったと。これはちょっと意外な感じがしまして、人権というものに対する考え方もいろいろ基本から議論する必要があるのかなというふうなことを感じたんですけれども、憲法という成文によって与えられたものではない、基本的人権はというふうなことを私は理解していましたので、アメリカの判事の方が、自然権じゃないんだ、憲法によって与えられたのが基本的人権なんだということは根源的な問いかけだったので、ちょっとショックを受けたわけですけれども。
 私は、人権という人間の権利というふうなものも、ほかの人がいらっしゃって初めて人権というものが成立する、他者への配慮がないような人権というふうなことは成立しないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、ところが何となく人権というのは自分の権利というふうな方向がどんどん強くなっているというふうなことを、それが今非常に大きく問われているわけですけれども、他者を配慮しない人がふえておるというふうなことで。人権というのは、本来自分の、他者を配慮しない自分の権利というふうな考え方はそれは権利と言えるのかというふうなこともしっかりとやはり確認をする必要があるのではないかというようなことも感じた次第でございます。いろいろさまざまな御報告を聞きながら、一番基本のところからスタートしないと日本の国というのは始まらぬようなところまで来ているなということを感じた次第でございます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 山下栄一

speaker_id: 16465

日付: 2001-02-21

院: 参議院

会議名: 憲法調査会