佐藤道夫の発言 (憲法調査会)

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○佐藤道夫君 最後になりました。私から申し上げたいと思います。
 会長の御交代という時期でもありますので一つのタイミングだと、こう思いまして、これからのこの会の運営について率直な意見を申し述べたいと思います。
 実は、一年か二年この会が開かれてからたちまして、大いに会議が盛り上がって国民の関心もこの委員会に集まっていると考えるのはこれは実は大うそでありまして、国民の関心はどうもいま一つというどころか、ほとんど関心を寄せてくださっていないのではないかとしか思えない。
 私は、周辺にいる者たちにこのことを知っているかと、今どういうことが問題になっているのかと、憲法改正の要否についてそれぞれ一人一人がどう考えているかと、そういう問いかけもしてみたわけでありますけれども、大多数の者は率直に言って関心は持っておりませんと。
 なぜかと、こう聞きますと、本当に改正を、あるいはそれを真剣に議論をする気があるんでしょうかと、その点にいささか疑義を感じておりますと。今までも改正が問題になって内閣や国会にこういうものが置かれたことがあるんですけれども、最初は花火が華々しく打ち上がるんですけれども、そのうちにしりすぼみになって、いつとはなしにうやむやになってしまったと。今度も同じでしょうと。改正改正と言いながら本当にやる気はないんでしょうと、また真剣に議論をする気もないんでしょうと、だから国民としてもいま一つ関心は寄せられないんですよと。私、それは本当だろうと思うんですよ。
 そこで、私の提案なんですけれども、こういうことをいつまでも議論をしていても仕方がないので、やっぱり期間を置いて、その間に何か結論を出すということが絶対必要なんだろうと思いますよ。一年でも三年でも、いやもう少し長く慎重に議論しようというなら五年でもいいと思うんですけれども、まず期間を定めて、衆議院のあの会とも連携をとりまして、そして五年以内、三年以内に結論を出そうと、そうしようということで国民にもアピールをする。そうか、そんなせっぱ詰まった話か、それじゃ我々も議論しようと、国民もそう考えてくれるのではないかと、こういう気もいたすわけであります。
 それから、国民が関心を持つような事項について、やはりこれを中心として議論をしてほしいという呼びかけもする必要があろうかと思います。
 今いろんな話が出ておりますけれども、前文、これはもう、いや立派なものだと、あれを改める必要はないという意見もありますし、しかし五十年前の話だと、終戦直後の国際情勢、国内情勢、すっかり変わっていると、いつまであんなものに拘泥しているんだという考えもありましょう。もう少しその辺について、前文をこのままでいいのかどうなのか。
 それから、これもしょっちゅう議論に出てくるんですけれども、九条ですね。条文と現実が全く食い違っている。いや、専守防衛だからこれは許されるんだとか、いろんな考えがあるようです、戦力なき軍隊はいいんだろうとか。しかし、条文を読んでみたら自衛隊が明らかに憲法違反であることはもう議論の余地はないわけですから。しかし、自衛隊は必要だとおっしゃる人はやっぱり九条の改正を考える、九条をどうしても守っていきたいという人は自衛隊を縮小し、いずれは廃止するという方向で、最終的な結論はこれ国民が出すわけでありますから国民にそれぞれが訴えていくと、国民も関心を持って議論するようになりましょう。
 それから、ついででありますけれども、二十条の政教分離。「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と。しかし、率直に申し上げまして、宗教団体が政治に進出して連立にも加わって権力を行使しているんじゃないかと。そういうことが必要なんですよというならばやっぱり二十条を改める必要があるわけであって、改めなさいと、改める必要がないというならばやっぱり宗教団体の政治への進出ということは憲法上御法度だと、こう言っていいわけであります。
 もう一つ取り上げさせてもらいますけれども、八十九条の私学助成の問題。だれが読んでもあれは私立学校に対して公金を支出してはならないと。ところが、何と何と年間五千億もの公金が支出されておってだれも怪しみもしない。一体これは何なんだろうかと。そういう金がないと私立学校はやっていけないんですよというならば憲法を改正すればよろしいわけですから。建前と本音、日本人というのは見事に使い分け、非常に上手な民族ですけれども、もはや二十一世紀、いつまでもこんなことでいいんだろうかと。
 それから、ついでながら、これは参議院に置かれた調査会でありますから、参議院のあり方、先ほども議論が出ておりましたけれども、参議院をどういうふうに改正すべきか、やはり議論をしてみまして、そしてそれを打ち上げて国民の意見を求めると。
 最終的には五年なら五年、三年以内に結論を出すと。改正しないならしないでもいいわけですからね。そういう考えでこれからこの運営を、むだな時間を過ごさないようにやっていきたいと、やっていったらどうだろうかと、こう思いまして、私、いささかの考えを述べさせていただいたと。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 佐藤道夫

speaker_id: 654

日付: 2001-02-21

院: 参議院

会議名: 憲法調査会