飯尾潤の発言 (憲法調査会)
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○参考人(飯尾潤君) まず、二院制の問題でございますが、私自身は、二院制はやはり意味があるというふうに考えております。しかしながら、これは実は小林参考人と少し違った理由からでございます。同じ問題を二度考えるという意味で意味があるのではなくて、恐らく違う問題をそれぞれ重点を置いて考えるべきではないか。
先ほど少しお話をいたしましたが、衆議院がやはり政権を争う場であると、政権の対立する法案を多数決で解決するというタイプの法案にやはり重点が置かれることになり、しかしながら、実は多くの国会ではほぼすべての会派が賛成される法案がたくさんございまして、しかしながら、そういうものについても実はじっくりと考えてみてよりよい法案にするために例えば参議院が活用される、あるいはそういう政党対立の、ぎりぎりの権力対立にならない問題についてやはりじっくり時間をかけて、例えば基本法制のようなものについて時間をかけて審議をするということのためには、やはり二院制は参議院が衆議院と違う機能を持てば十分な意味があるというふうに考えておりまして、またこの機能を伸ばしていけば、例えば最近提出法案が多くなっておりまして、戦前にしばしばなされておりましたような逐条審議というようなものも大変数は減っておりますけれども、二院制を活用すれば、逐条審議をふやしてもう少し法案を細部まで国民の前に解釈を明らかにするという活動もできるわけでありまして、そういう点で、今と違った活用の方法があるんではないかというふうに私は二院制について思っております。
それから、首相公選論に関しては、私自身の関心からしますと、政治権力はいかなる選挙、民意によって支えられるかによってやはり体制は大きく分かれると考えますので、やはり行政権のトップを選んだ時点で議院内閣制から大きく外れてくるというふうに考えておりまして、名前は首相であっても直接選んだ場合は大統領制にかなり近い。
唯一、議院内閣制と大統領制のようなタイプのものを併存させる方法は、フランスの現在の憲法が定めておりますように、大統領というのは直接選ばれるけれども、別に内閣というのは議会に信任を得て日常の業務は内閣がするというタイプの、半分という字を書く半大統領制というものが唯一の解決方法であって、それ以外は、例えばイスラエルのようなものはなかなかやはりうまくいかないのではないかという考え方を持っております。