阿南一成の発言 (憲法調査会)
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○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
両参考人におかれましては、大変貴重なお時間を当調査会のためにおつくりいただき、そしてまた今有益なお話をお聞かせいただきました。心から御礼を申し上げます。
早速ですが、首相公選制について曽根参考人にお伺いをしたいと思います。
首相公選制は、現行制度では首相選出に民意が反映されないという国民の強い不満にこたえるものであろうかと考えるところでありますが、私は他方で、ムードに流されやすい安易な人気投票でもし仮に首相が決定されてしまうということになってはいけないというふうに考える者の一人であります。
私は、最近の日本人について、一般的にはインテリまでが活字離れをしておる、マスメディア、特にテレビから得た情報をそのまま自分の考え方としてしまうような傾向があるのではないかと考えておるものであります。
かく言う私なども、暑い夏の盛りには、仕事が終わりますと、家に帰ってからまず冷蔵庫からきゅっと冷えた缶ビールを取り出し、多少お行儀が悪いのでありますが、すててこ一つになって、ピーナツを口にほうり込んで、テレビのプロ野球中継を見ながら松井頑張れなどとやっているわけであります。また、女子大を出た相当にインテリと言われるような家庭の主婦なども、例えば松田聖子さんがびびっときて結婚するとか、あるいはまた時を経ずして離婚するらしいなどという芸能番組にくぎづけになっていることもあるわけであります。日本の相当な知識人と言われる層の方々も、テレビ時代の今日、芸能とスポーツとクイズの中に身をゆだねているというのが現状ではなかろうかと思います。
もちろん、息抜きは息抜きで必要でありますけれども、彼らの政治経済に関する情報源がごく限られた一部のニュース番組、しかも特定のニュースキャスターやコメンテーターから得たものを自分の政治経済に関する考え方のベースにしておると仮にするならば、いかがなものか。そして、そのキャスターたちのコメントを知らず知らず自分のうちに、考えの中でうのみにしてしまうということもあるのではなかろうかというふうに思っておるわけです。
このような状況で首相公選制を導入した場合、ごく一部のテレビ番組によって首相が決まるというような事態にでもなれば、これは大変なことであるなと考えております。
そこで、曽根参考人にお聞きしたいのでありますが、首相公選制を導入するとすれば、単なる人気投票で首相が決まるというおそれがないように、導入するとすれば、私はポピュリズムの弊害に対する歯どめが必要であると考えております。この点、どのような有効な手段があるとお考えでありましょうか。また、それが民意であるとのお考えであれば、またそれも結構であろうと思います。
なお、恐縮ですが、私の持ち時間は十五分ということでございますので、その中で参考人の先生方にぜひともお聞きしたい点、質問が三点ございます。したがいまして、大変恐縮でございますが、でき得ることならば簡明に要点のみを御指導いただければ幸いであると思います。
よろしくお願いいたします。