浦田賢治の発言 (憲法調査会)

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○参考人(浦田賢治君) イギリスの議院内閣制を一つの歴史的なモデルとして考えますと、首相に選ばれる人は一つの政党のリーダーでありまして、選挙のときには選挙綱領というのを発表いたします。この綱領においてどういう政策体系を持っているか、それを基礎づける哲学は何であるか、哲学に基づく政策を実施するための施策はどういうものであるかということを詳しく出します。
 そういうある政党が小選挙区制でもって多数をとりますと、その政党のリーダーが首相になるということはこれは経験上極めて蓋然性が高いわけです。これが一つの歴史的なモデルでありまして、このモデルと日本の議院内閣制との関係を見てみますと、共通性と違いがあると言っていいと思います。共通性といいますのは、議会多数派が首相を選ぶという点であります。しかし、議会多数派を形成する選挙のあり方が、従来、中選挙区制ではイギリスの場合と大いに違いました。
 今採用されている小選挙区比例代表制の場合はどうかというと、これは似て非なるところが大いにありまして、比例代表制を加味しているという点が違いますけれども、小選挙区制のあり方そのものが違うように思います。
 私は、イギリスに二十年前に二年間おりまして、その選挙のあり方を外国人として見てまいりましたけれども、イギリスの場合は保守党と労働党と、それから当時はリベラルですけれども、この三つの政党の関係でその選挙の結果に変化が出てまいります。言ってみれば、ワンイシューでもって投票者多数が大きくぶれるということはなくて、今挙げました三つの政党のマニフェスト、選挙綱領の中のある重要課題について浮動票と言われている人々がどういうふうに動くかということによって、議会で多数派になる政党が決まってくるように思います。現在ですと、ブレアは五〇%ほどの支持率があり、保守党の方は三〇%しかないという状態ですが、そういうぶれが出てまいります。
 ところが、日本の投票者の政党選択あるいは候補者選択の基準は、小川議員がおっしゃったようなワンイシュー的な、言いかえれば特定団体代表を選ぶというようなそういう面が非常に強いという点がありまして、これは恐らくイギリスの選挙の実態と日本の選挙の実態のやはり違いとして指摘できるのではないかというふうに思います。
 特に、今日では支持政党を決めていない、いわゆる無党派層というのが多くなっていますから、こういう方々がワンイシューでもって候補者を選ぶということになる傾向があるとすれば、これはイギリスにおける総選挙、すなわち総選挙というのは首相を選ぶ選挙であるという、この選挙のシステムが日本では行われていないということだと思います。

発言情報

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発言者: 浦田賢治

speaker_id: 20906

日付: 2001-05-23

院: 参議院

会議名: 憲法調査会