井上美代の発言 (国際問題に関する調査会)
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○井上美代君 きょうは三人の参考人の貴重な御意見をいただきまして、多くのことを考えさせられております。
時間も短いので、私は浅井基文参考人に質問をしたいと思います。
今、国会が始まったばかりですが、先月の三十一日の国会で森首相は施政方針演説をされまして、その中で、「軍事大国たることを放棄し、資源に恵まれない我が国が、二十一世紀にさらなる発展を実現するためには、国連憲章や多角的自由貿易体制を基礎とする国際的なシステムが効果的に機能することが必要」ですと、このように述べられて、国連憲章の効果的機能について触れられております。
また、河野外相の外交演説で、「国連がますます多様化、複雑化する国際社会の課題に対応できるよう、安保理改革を含む国連の体制強化が必要であります。我が国は、安保理において我が国の能力と経験を生かすために、常任理事国となって一層の責任を果たしたいと考えております。」と、このように述べられました。
私は質問を二つしたいんですけれども、第一の質問は、いろいろこの委員会に向けまして資料をいただきました。それを読ませていただきましたけれども、「国連改革と我が国の対応」という「これまでの経緯等」という資料があります。これを読みますと、日本が常任理事国になっても日本の軍事的義務は生じないと、このように経過の中で外務省が言われているところがあります。
しかし、国連憲章にあるように、最終的には平和に対する脅威、それから平和の破壊、侵略行為に関する行動として、常任理事国は軍事参謀委員会のメンバーになる、軍事的指揮を行うようになるということが憲章の中にうたわれております。これは、日本国憲法の第九条の国際的な紛争を解決するための武力を行使しないという、ここのところの規定に反した違憲の軍事行動を行う義務がやはり生じてくるというふうに思います。したがって、このようなことはできないというふうに私どもは思っております。
憲法上できないことであるということですけれども、日本は憲法上からも、だから常任理事国に入るべきではないというふうに私は思っているんですけれども、参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
もう一つの質問は、ユーゴの問題でちょっと触れられたんですけれども、やはりユーゴへのNATO軍の攻撃で示された日本政府の態度なんですが、国連常任理事国入りのそれとの、常任理事国入りするということとの関連で質問をしたいと思うんです。
この間、この国際問題調査会に何人もの参考人がおいでくださいました。そして、御意見いろいろお聞きしたんですけれども、あの一九九九年の三月から六月にかけて行われましたNATO軍のユーゴ攻撃というのは、参考人のお話では国連の憲章違反だと、問題があるというふうに本当に皆さんお答えになりました。だから、これはもう国際的な世論であるわけなんですけれども、国連憲章に基づく世界の平和、秩序維持を重視するということであるならば、政府は国連憲章に基づかないアメリカを初めとするNATOの空爆について、これを批判し、そしてやめさせ、あくまでも国連憲章に基づく解決のために全力を尽くすべきであったというふうに思うんです。
このようなやはり日本の独自の外交ということが非常に重要だというふうに思うんですけれども、今、森内閣はこのような立場なのかということを考えたときに、私はこの点からも国連の常任理事国に入るということについては疑問を持っております。森首相も日本の国連常任理事国入りを目指しておられますけれども、政府の言う同盟国たるアメリカに対して、国連憲章に合致しない、例えばユーゴへの空爆のような行動に批判できない、アメリカの戦略やアメリカのやることに対して確固たる自主的な態度、行動がとれない、ここにも常任理事国入りということでは非常に疑問を持っておりますので、この点につきましてぜひ御意見をいただきたいというふうに思います。
以上です。