山内俊夫の発言 (国際問題に関する調査会)

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○山内俊夫君 自由民主党の山内俊夫です。
 私は、新世紀の国連の課題として、文化の分野における国連の活動を中心に述べたいと思います。
 冷戦後、紛争が多発するようになった背景には、民族、宗教、文化の複雑な対立があり、またグローバリゼーションの進行は、一方で異なった文化間の摩擦を生じやすくさせているのではないかと思っております。グローバリゼーションに伴う過度の経済合理主義は長い歴史にはぐくまれた文化の価値を失わせたり見落とさせてしまうこともあり、我々の祖先がはぐくんできたものに対する尊敬と寛容さや繊細さが求められていると思います。
 本年は、国際問題を平和的に解決するため、文明間の対話を促し、相互理解に努める文明間の対話国連年であります。我が国としても文明間の対話という考えを広めるべきではないでしょうか。我が国には、自由や民主主義という価値を共有し、それを欧米とは異なった方法で実現してきた経験があります。二十一世紀を異なった文化や文明が共存できる時代にするに当たって、我が国はこうした経験を生かし、アジアの声を代弁したり、アジアの国とともにアイデアを出すべきであると思います。
 本調査会は、国連に関する調査の中で、ユネスコ勤務経験を有する二人の有識者をお招きし、国連の学術・文化協力とユネスコの果たすべき役割について論議する機会を得ました。文化や教育が平和と発展のかぎを握る今後の国際社会において、一人一人の心の中に平和のとりでを築くユネスコの役割が再び脚光を浴びています。
 一昨年十一月に、松浦駐仏大使がアジアで初めての事務局長に就任いたしました。現在、ユネスコは、基礎教育、水の安全保障、科学技術と倫理などのような活動に優先順位を絞って取り組みを強化しようとしています。我が国は、ユネスコに対する財政面での支援を強化拡充するとともに、ユネスコの事業に知恵で支えるべきであります。
 平成十二年十一月十五日の調査会において岡島参考人も指摘したように、ユネスコが提供するプログラムは地域総合安全保障を築き上げる一つの有力な手段だと思います。資金力と技術に恵まれている我が国は、近隣の国々を引っ張り、ユネスコのプログラムを有意義なものにすべきであります。そのことは我が国の国益でもあると考えます。
 ところで、本年三月、アフガニスタンを事実上支配するタリバンは、ユネスコはもとより、国連総会、安保理の求めにもかかわらず、バーミヤンの巨大石仏を破壊いたしました。貴重な文化遺産に対する不当な破壊は許されるべきではありません。世界の文化遺産を保護するユネスコの任務の重要性を改めて認識するとともに、ユネスコのこの分野における活動を引き続き支援すべきであります。
 ユネスコに関する意見を締めくくるに当たって、アメリカの問題に触れる必要があります。
 アメリカは一九八四年十二月にユネスコを脱退いたしました。それ以来、ユネスコに復帰はまだいたしておりません。教育、科学、文化、コミュニケーションに関する全世界的な活動をつかさどる国連専門機関からアメリカが外れていることの損失ははかり知れません。また、アメリカはユネスコの重要なプログラムには参加しています。分担金を払わず、プログラムだけつまみ食いをする、こういった参加のやり方は国際機関にとっても好ましくはないと思います。まして、アメリカにとっても長期的に見て国益にはならないと思います。日米関係を戦後外交の基軸としてきた我が国は、ユネスコの改革が進み、東西冷戦が終結した現在、あらゆる機会をとらえ、アメリカにユネスコ復帰を説得すべきであります。
 最後に、私は、本調査会において参考人質疑の中で質疑応答させていただきました国連憲章の旧敵国条項についてもう一度述べておきたいと思います。
 この規定は、国際情勢の変化により時代にそぐわなくなったものであり、本来、二十世紀のうちに改正すべきものでありました。国連で積極的な役割を果たしてきた、また新世紀においても果たそうとしている我が国にとって決して快い規定ではありません。条項削除の手続への着手を求めた国連総会決議が九五年十二月十一日に採択されております。次の国連憲章改正の際には必ず旧敵国条項を削除すべきであると考えます。
 以上のこと等を申し上げて、私の意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 山内俊夫

speaker_id: 30703

日付: 2001-04-18

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会