速水亨の発言 (農林水産委員会)
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○参考人(速水亨君) 林業の停滞の原因というものをずばりと質問されて、それに答えるというのは非常に困難だというのが正直なところでございます。
非常に複雑な要因が幾つかあろうというふうに思っておりますが、それは解決できるできないという話はともかくといたしまして、やはり材価の問題、これの急激な下落というのが非常に大きいんだろうと、そのように思っております。それは、最初にお配りさせていただいた資料の中に、杉の材価が既に昭和三十年代の値段で販売せざるを得ない、そのような状態になっているということを説明させていただきました。これは、やはり世界の木材価格というものの影響を、日本の輸入が今八割でございますので、非常に大きな影響を受けているということだと思っております。
世界の木材価格というのが果たして、日本のように再生産を前提とした木材あるいは森林管理というものからすべての木材が産出されて、そして世界の木材価格が森林を再生産するに足りるための値段で取引されているのかというところを私は非常に今疑問に思いながら日常の林業経営をやっております。
確かに、日本の森林管理というのは非常に手間をかける管理でございます。ある意味では、地形上、気候上いたし方ないところもありながらも、もっと合理化できる可能性もあるだろうと。これは我々の勉強不足であり、努力不足だろう、そのように思っておりますので、今後もっとコストを下げる努力というのを既存の概念から離れたような形で森林管理というものに挑戦をしなければいけないと思っております。
もう一つは、これはかなり個人的な経験からなんですが、森林管理というのは非常に長期間を要します。その間に台風だとか雪害だとかあるいは動物の害とかという被害を常に受け続けるわけです。本来、林業というのはそれを十分吸収し切るだけの経営的な余力というものが世代世代に残されながら続いてきた、そういう産業だったのではないかと最近特に思います。材価の低下ですらある意味では十年、二十年のスパンを乗り越えられるような一つ一つのストックというものを持たないと林業というものはできないのではないか、そんな感じがする昨今です。
そういう意味では、最初に申し上げたような林業の継承の税金というものは、林業がストック産業という性格上、多分今のままの形では、ひょっとしたら林業というもの自体がそういう自然とともに歩んでいく産業としての条件を人為的に阻害されている可能性があるのではないか、そんなことも一つ思う次第でございます。
あともう一つ、ともかく世界の急傾斜地帯の先進国の林業に比べて、日本は路網整備が圧倒的におくれました。そういう意味では、ヨーロッパ諸国なども同じような状況が三十年ほど前に起きているんですが、そこでは急速な路網整備、これは林道だけではなくて作業道も含めて森林へのアクセスの整備というものを思い切ってやって克服した、そんな状況もございますので、今後はそのような点を考えるべきだと、それが原因と解決ということになるのではないかと思っております。
長くなりましたけれども、以上でございます。